表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
23/30

23









「ぷっ…、楽しそうですね」

「綾菜ちゃんも絶対こうなるから。実際見ると興奮するから」



そうして辿り着いた黄色のかぼちゃに満面の笑みで抱き着き、葉月さんに写真を撮ってもらったのは言うまでもない。「ほらね」という葉月さんの目線を無視してばっちり撮ってもらう。




「葉月さんも撮りますか?」

「どうせなら一緒に写ろうよ。すみませーん」




海岸沿いを歩いていたカップルに声をかけて写真を撮ってもらった。二人とも黄色のかぼちゃに抱き着いている。




「ありがとうございます!」



葉月さんが写真をチェックしていると、女の人に「お似合いのカップルですね」と言われて顔が真っ赤になる。




「あらあら…」



その様子をみた女の人はなんだか嬉しそうだ。




「僕の彼女を揶揄わないでくださいよ」




苦笑しながらいう葉月さんに「じゃあ後は宜しく」と言わんばかりの笑みを浮かべてカップルは歩いて行ってしまった。


―きっ、聞き逃すところだったけど葉月さん今、「僕の彼女」って言わなかった!?


更に顔に熱が集まる。チラッと葉月さんを横目に見ると、なぜか葉月さんも少し顔が赤くて頬を搔いていた。




「じゃあ行こうか」



そういう葉月さんは綾菜の右手をさり気なく握って歩き始めた。突然の甘い展開に頭がふわふわする。その時間に見た外のアート作品は覚えていなくて、ただひたすらに海が綺麗なことと葉月さんの手のぬくもりしか覚えていなかった。そんな綾菜を葉月は少し寂しそうに見ていたことに、この時は気付かなかった。













評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ