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「大丈夫!」

「そっか。良かった」

「お姉ちゃんの彼氏カッコイイね!あ、呼ばれてるから行くね!ばいばーい!」




母親に呼ばれた子供は走って行ってしまった。


彼氏カッコイイね…!?その言葉が反芻して思わずフリーズしてしまう。葉月さんと私が、恋人!?頭から湯気が出そうだ。というか、多分もう出てる…!




「綾菜ちゃん」


呼ばれてぎこちなく葉月さんの方を見ると、目を逸らしながら左手を差し出された。




「危ないから、手、繋いどこうか」



………!?!?




「えっあ、あ、は、え、」と言葉にならないものが口から出てくる。動揺しすぎて顔から火を噴きそうだし、手も震えるし、でも…!

ぎゅっと目をつぶってそっと自分の右手を葉月さんの左手に重ねた。




「…ょろしくおねがいします、」




声が小さくなってしまったのも許してほしい。もう、これで精一杯だ。

ぎこちなく繋いだ右手は、葉月さんの大きな左手と繋がれている。手汗をかいていないか心配になりながらも、ちらっと葉月さんを見ると少し耳が赤いような気がする。さっきまではしゃいでいたのが噓のように今は静かだ。




「あ、あそこ阿智神社って書いてる」


葉月さんが指さした方向を見ると、古い木の看板が立っていた。曲がると神社の鳥居があって階段が続いている。




「階段…」

「ん?どうした?」

「あ、いえ、大丈夫です」



引きこもり期間が長いせいか階段を見ると体力の心配をしてしまう。



「しんどかったら言って。おんぶするよ」

「え!?だ、大丈夫ですよ!こんなの楽勝です!」





申し訳なさすぎるし、恥ずかしい!









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