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「あ、電車きた」



電車に乗っている間もぐもぐしながら葉月さんを睨んでいるが、葉月さんは笑顔で「もう1ついる?」と言う。明らかに悪戯っ子の顔をしているので全力で願い下げしていると倉敷駅に着いた。



「南口から出たら近いそうです」



甘くなりすぎた口の中に水を入れてながら目的の出入り口の方へ向かう。




「あ、大原美術館って確か美観地区の中にあるよね。色々見てみよう!」

「美観地区?」

「着いてからのお楽しみ」




この時の私は美観地区の存在を知らなかったので首をかしげるしかなかったけど、いざ着くとめちゃくちゃ興奮した。




「こういうのも好きそうだなと思ってたんだよね」

「はい!めちゃくちゃ興奮します!」



そう言いながらも左右にあるお店や建物に目移りする。川には舟が流れていて時代劇で見たことがあるような風景が間近で見られる。凄い。物凄く良い!




「大原美術館はそこだけど、まずは周辺散歩してみようか」

「はい!」



美術館に入るとかなり時間がかかることを見越してかな。旅行計画中に美術館に入ると、ひとつひとつちゃんと見たいから物凄く歩くのが遅くなると言ったのを覚えていてくれたのかもしれない。なんとなく嬉しくなって気分が上がる。

気になるお店や建物に寄りながら散策していると「阿智神社の景色が良かった」という声がちらほら聞こえてきた。





「葉月さん、阿智神社行ってみまっ!?」


言い終わる前に走ってきた子供にぶつかって川に落ちそうになる。やばい…!



「あっぶな…」



落ちそうになった綾菜の手を葉月さんがぎゅっと握って引き寄せてくれたので落ちずに済んだ。

落ちずに済んだけども…!


―近い!近すぎる!



それに頭を撫でられているのはなぜ!?心臓が痛い!同じボディーソープと洗剤使ってるはずなのに、なんでこんな爽やかな匂いがするの!?頭が混乱してショートしそうになる。




「ご、ごめんなさい…!」




ぶつかってきた子供が泣きそうになりながら謝ってくれた。慌てて葉月さんの腕の中から離れる。



「大丈夫だよ。君もケガはない?」












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