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「なん、で…!?」



そう、気づけば岡山駅に着いていた。ここに来るまでに乗り継ぎがあったはずなのに…!



「とにかく降りよう」


そういうと素早く荷物を持つ葉月さんの後に慌てて着いていく。




「あの、運んでくれました、よね…?」



返事なく凄く良い笑顔で見られたので完全にそうなんだと自覚する。最悪だ。いくら一睡もできてなかったからといって、よりにもよって寝てしまうなんて…!




「本当にすみませんっ!」

「大丈夫大丈夫!そんなに気に病むことじゃないよ」

「そうは言っても…!ほんっとすみません」

「謝るのはいいから。それよりここからどうやって美術館に行くの?」

「えっと、JR山陽本線の普通列車に乗って倉敷駅まで行って、そこから徒歩で向かいます」

「じゃあいこっか」




申し訳なさでいっぱいなのに葉月さんは全く気にしていなくて「岡山県といえばきびだんごだよね」と言って買いに行ってしまった。どこまでも自由というか、なんというか。



「綾菜ちゃん口開けて」


反射的に口を開けるとまるっこくて甘いものが口の中に入れられた。




「んん、これなんですか?」

「きびだんご!美味しいよね」


そういって葉月さんも食べている。確かに甘くてもちもちでとても美味しい。




「私も買ってこようかな」

「綾菜ちゃんの分もあるよ」



袋の中にはきびだんごの箱が2つある。




「え、い、いくらですか?払います!」

「はいはい、じゃーいくよー」

「葉月さん!?」



葉月さんは聞く耳を持たず、私が反論する度にきびだんごを口の中に突っ込んでくる。



「んんー!んんん!んー!」



大量に口に入れられたきびだんごのせいで話せないまま反論すると、その顔を見て爆笑しながら「リスみたいだね」と頬を突いてくる。誰のせいだと!?


















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