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61 幕間⑩


 カイトがルシアを連れてギルドに戻ったのは、通りを往く人々の気配も疎らになった黄昏時の頃だった。



「連中がなにを企んでおったのかは知らんが、パンデモニウムは魔方陣の一部か大規模魔法の触媒、あるいはその両方だとわしは見ておる」


 のほほんと話すルシアの髪をユキがブラシでとかしている。

 ギルドでの仕事を終えたユキはギリアンとともに二階の部屋でカイトとルシアの到着を待っていたのだが、現れたルシアは全力で遊んできたのが一目でわかるズタボロ具合だった。

 長い髪を後ろで束ねてポニーテールにしていたのを、髪をほどきブラシを入れると小枝や木の葉がばらばらと落ちてくる。

 

「なにか、根拠はあるんだろうな」


 ルシアの正面に座ったギリアンは、真剣な目でルシアを問い質した。


「そもそも王都バルケイロン自体が巨大な魔方陣だというのは知っておるな?」


「ああ、いざというときに王都を護る結界を創るためと聞いているが」


「それは嘘ではないが、オーソドックスな六芒星型であるから、あれはやろうと思えば用途は広いぞ」


 魔界の王都バルケイロンは中心の堀を囲むように六本の塔が建てられ、区画整理によりそれぞれの塔を結ぶ道は六芒星を描いている。その外側を堅固な二重の城壁が円を描いて街を囲んでいた。パンデモニウムを含めたこれらが完成したのは先代魔王の時代のことだ。


「あやつら、わしを前線に追いやって王都を留守にしておる隙に、何やらコソコソと準備をしておったようじゃが、急に呼び戻されたのが稀鳳冥月(きほうめいげつ)の一週間前じゃ」


「稀鳳冥月? なんだ、それは」


 ギリアンには聞き慣れない単語だった。


「まあ、知らぬじゃろうな。 冥王宮に月と六つの星が一直線に並んで入る星巡りのことじゃな。 月の力が強くなるとかで、魔術を行うにはうってつけじゃ。 元老院は禁術や古い知識を保存しておるからな。 わしに魔術を教えたのが古き魔女(エンシェント・ワン)と呼ばれる古代の知識を継ぐ者であったから、わしはたまたまそれを知っておった」


「そういえば、あのときは街に入らずに城壁の外にパンデモニウムを着陸させたんだったな」


 ギリアンは顎に手をあてながら遥か昔の記憶を探る。


「わしが絶対に街には入らんと言い張ったら、やつら焦って勝手にパンデモニウムを動かしはじめたからな」


「パンデモニウムを動かせるのは魔王だけじゃなかったのか?」


「元老院のやつらが作ったシステムじゃぞ。 バックドアぐらいは仕込んである。 そのぐらいは予想しておったから、予め術式を解析して新しいシステムを作っておったわ。 時間はたっぷりあったからのう。 で、コントロールを奪い返して燃料の続く限り飛んできたというわけじゃ。 やつらの慌てっぷりときたら、それはもう傑作じゃったぞ」


「それで、孤立無援で勇者に討ち取られたんじゃあ世話ねえな」


「まあ、若気の至りというやつじゃ」


 ルシアは呑気そうに焼き菓子を口に放り込んだ。


「結局、連中が何をしようとしたのかは分からねえんだな? そこまで警戒することだったのかよ?」


「単に嫌がらせをしたかっただけではあるが、当時の戦況から言えばそれほど逼迫しておったわけでもなし、ヒトとの戦争中にようやく静かになった魔神にちょっかいを出すのも考え辛い。 そもそも労働奴隷の確保という名目で始めた戦争ではあるが、戦線を膠着させてわしをバルケイロンから引き離すのが目的だったように思うぞ。 そこまでしてわしに隠れて事を運ぶからには、わしが喜ぶようなことではあるまい」


「確かに、あの戦争は納得いかないことが多かったが……」


 元老院直属の作戦本部の指令はやけに消極的で、ギリアンを含めた当時の将校たちは常々不満を口にしていたのを思い出した。


「それで、どうして今になって連中がまた動きだしたと思うんだ?」


 ギリアンが問いかけると、ルシアは紅茶のカップから口を離してニヤリと笑った。


「稀鳳冥月の周期は、およそ二百年に一度じゃ」


「………なるほど、たしかに辻褄は合うな」


 ギリアンは腕を組むと、眉間にしわを寄せて考え始めた。


「なんにしろ、連中がパンデモニウムをどうにかするなら、このゼフトは押さえておきたいだろうな。 目的は分からんが、降りかかる火の粉は払うだけだ」


 幸いにもここは魔界からは遠く離れているので、大規模な軍隊を送り込むのは現実的ではない。なにかを仕掛けてくるにしても、警戒を続けていれば対応は可能だろう。


「それで、次の稀鳳冥月とやらは、いつになるんだ?」


「それは知らん。 古き魔女ならわかるとは思うが、どこにおるかもわからんし、二千歳を越えておるとか言うておったから、もう死んでるんじゃないのかのう」


 他人事のように言うルシアにギリアンはため息をついた。


「星を観測してる天文学者ならわかるんじゃない? この世界では暦の計算とかどうしてるの?」


 ぼんやりと成り行きを見守っていたカイトが唐突に口を挟んだ。


「……そうか! 占星術士ならわかるかもしれねえな」


 ギリアンがはっとして拳を叩いた。


「占星術士っていうのは、数は多いの?」


「自称なら多いっちゃあ多いが……そこらへんの辻占いにそこまでの知識があるのかは疑問だな。 本物は大国が宮廷占い師として抱え込んでる」


「そこらへんの占い師でダメなら、旅の途中で情報を集めてみるよ。 なにか分かったら、手紙を送る」


「すまねえ、助かる」


 目的はわからなくてもその刻限を知っておくのは重要だ。情報は多いに越したことはない。


「はい、できましたよ」


 ユキはルシアの髪をきれいに結い直した。二人の話は聞いていたが、スケールが大きすぎてユキにはあまりピンとこなかった。


「おお、すまない」


 ルシアは嬉しそうにぶんぶんと頭を降った。

 ルシアは席に戻ろうとしたユキを捕まえて膝の上に座らせると、銀色の髪に顔を埋めた。そしてクンクンと首筋の匂いを嗅ぎはじめる。


「きゃっ!? ちょ、ちょっとルシアさん?」


「まあまあ、よいではないか」


 じたばたもがくユキを、ルシアはがっしり抱え込んでいる。


「く、くすぐったいです! ていうか、恥ずかし………ぎゃあああっ!?」


「そうだ、おまえらの冒険者証だ。 ちょっと待ってろ」


 話が一段落したところでギリアンは大騒ぎするユキたちをスルーして席を立った。


 しばらくしてギリアンがヘンケンを連れて部屋に戻ると、ユキはルシアの膝の上でぐったりしていた。


 ヘンケンはルシアに軽い自己紹介を済ますと、聞いているのかどうかわからないルシアに一通りの説明を済ませて書類の束と冒険者カードを手渡した。

 ルシアは冒険者カードを手にとって「これ食べれるの?」みたいな顔でまじまじと見つめている。


「あ、いきなりDランクじゃないですか。 すごいですね」


 ルシアの拘束から脱出したユキが肩越しにルシアの冒険者カードを覗きこんだ。


「先日の活躍を見れば、Bランクでもいいぐらいですよ。 警備兵団からも高い評価を得ていますし、誰も文句は言わないでしょう」


「ふうん」


 ルシアはヘンケンに気のない返事を返す。


「無くさないようにしろよ」


 カイトが疑わしそうな目でルシアに釘を刺した。


「宝物庫に入れておくか」


「それ、ダメなやつだろ。 皮袋にでも入れて身につけておけよ」


 ルシアが先日使った武具も魔王の宝物庫に放り込んだ後、すでに行方不明になっていた。


「それと、カイトくんとユキくんの新しいカードです」


 そう言ってヘンケンは二枚のカードを取り出した。


「俺も?」


「私もですか?」


 受け取ったカードを見ると、カイトは2ランクアップのDランク、ユキはCランクとなっている。


「え……いいんですか? わたし、Dランクになったばかりなんですけど……」


 ユキは不安そうな顔で尋ねた。自分にそれだけの実力があるとは、ユキには思えなかったのだ。


「単独でのコブリンライダー17騎討伐に加え、広場では大型魔物を20体近く、その他多数の討伐を確認しています。 この戦果はAランクに匹敵しますし、緊急クエストのボーナスに貢献度を加えると、ポイントは十分にクリアしていますよ」


 ヘンケンは穏やかな口調で説明を加えた。


「でも、広場ではギリアンさんのアシストのおかげで……」


「それも考慮済みだ。 実際、おまえはよくやってたぜ、もっと自信を持てよ」


「はあ………」


 そう言われても、コブリンライダーのときは同士討ちを誘い、広場で敵を倒したのは召喚したヒルジャイアントだ。自分が倒したという気はしないし、もう一度戦えと言われれば勝てる気もしない。これでいいのだろうかと思ってしまう。

 Cランクといえば、ユキが冒険者を始めるにあたり目標としていたランクでもある。Cランクまでくれば冒険者としては一人前で、生活するにも困らないと言われている。だが、そこへたどり着ける冒険者は半数にも満たず、才能があってもパーティーに恵まれなければ五年以上かかることもざらなのだ。

 ユキもそれなりに覚悟を決め、三年がんばって無理なら村に帰って別の道で一人前の賢者を目指すつもりだった。それが、タッカーたちに拾われたおかげでたいした苦労もなくランクを上げ、わずか一年ほどで目標にたどり着いてしまったのだ。

 果たして、いまの自分はこのランクに見合うほど成長しているのだろうか。初めてオーガを見て腰を抜かしていたのが、つい先日のことのように感じられる。いまならリズの気持ちがわかる気がした。


 浮かない顔のユキに、ギリアンが言葉を投げかける。

 

「ずいぶん不安そうだが、冒険者の強さは直接魔物をぶっ倒すだけじゃねえんだぞ。 回復専門や支援魔法専門でAランクのやつだっているんだ。 逆に、どれだけ強くても運のねえヤツ、肝心なときにビビって力を出せねえヤツもいる。 おまえには運もあるし、土壇場でのクソ度胸は一級品だよ。 今回の戦果は、おまえが自分にできることをやりきった結果だ。 千人の冒険者を見てきた俺が、おまえの実力だと保障してやる。 だから、胸を張れ」


 ユキはギリアンの言葉に強く背中を押された気がした。ユキが冒険者になったのは功名心ではなく、妹の学費を稼ぎたいと思ったからだ。自分のこだわりで立ち止まっている場合ではない。三年でCランク、五年でBランクという目標が大きく前倒しになり、目標達成が現実的になってきた。もし実力が足りないなら後からでも努力してつければいい。いまはチャンスを最大限に生かすべきなのだ。


「ありがとうございます。 わたし、がんばります!」


 ユキは力強く宣言した。その顔に、もう迷いの色はない。


「よし、いい面構えだ。 だが慎重なのは、おまえのいいところでもある。 無理はするな、死んだら何にもならねえからな」


「そうはならないよ。 ユキは俺たちが守るから」


 カイトが目配せをすると、ルシアも「うむ!」と、力強くうなずいた。



◇◆◇◆◇



 その夜、ギルドの酒場ではルシアとギリアンがテーブルを挟んで向かい合っていた。


「人間の食事は美味いのう。 わしが魔王だった頃より人間の庶民のほうが美味いものを食べているのはどういうことじゃ?」


 ルシアはテーブルにところ狭しと並んだ料理に舌鼓を打っていた。


「大衆文化の力ってやつだ。 人間はこの大陸全土に根付いていて、そこでしか手に入らない特産品を商人が街道や船を使って世界中に流通させている。 料理のレシピを売って儲けているヤツもいるし、おかげで家でもそこそこの料理ができるから料理人はそれ以上の物を作るために腕を磨く。 要するに、ここでは強くなくても努力すればまともな暮らしができるんだ。 だから、子供(ガキ)も笑っている。 まあ、この村はかなりマシな部類で、実際ひでえところもたくさんあるんだが、それでもあそこ(・・・)に比べたら弱いヤツにも希望がある」


 魔界での味付けは、せいぜい塩と数種の香草ぐらいだ。その塩も平民にはおいそれと手が出せない贅沢品なのだ。


 テーブルには店中の冒険者の奢りで次々に料理が運ばれてくる。ダンジョンの21階層発見の報告で、酒場はお祭り騒ぎである。

 ルシアが酒場に姿を現したときは、収集がつかないぐらいの大騒ぎになった。いまは多少落ち着いたとはいえ、なかなかゆっくりと話すことはできない。ギリアンはそれでもかまわなかった。食事に誘ったのは、いまのルシアの素の部分を見たかっただけなのだ。少しばかりの会話の内容は、ユキとカイト、村の子供たち、食べ物の話だった。ギリアンの名前はなかなか覚えないくせに、子供たちの名前はよく覚えているようだ。


 テンションの上がった冒険者たちがテーブルに近付きルシアに握手を求めると、もう何度目かわからないほどの要請だというのにルシアはそれに快く応じている。これもギリアンには意外な対応だった。ルシアの凄まじい戦闘力を知っているので無礼な態度をとる者がいないというのもあるが、それでも見も知らぬ他人からの握手など軽く突っぱねるとばかり思っていた。


 席に戻るルシアの腰紐にぬいぐるみが揺れている。


「なんだ、それ?」


 なんとなく気になっていたそれを、ギリアンは指さした。


「これか。 ニナにもらったのじゃ、いいだろう?」


 ルシアは紫のローブを着た人面犬のぬいぐるみを指でつまみ上げ、腰を突き出してみせた。


「それは……ユキにそっくりだな」


「やらんぞ」


 ルシアは身を引くと、警戒するようにぬいぐるみを手で隠す仕草をした。


「いらねえよ」


 これが魔王とのやりとりだと思うと、少し笑いが零れた。

 テーブルに運ばれてきた誰かの奢りのエールをルシアはそのままギリアンの前に押しやる。最初の一杯に軽く口をつけて「苦い」と顔をしかめてからは、エールはすべてギリアンに回されている。


「おまえ、酒はやらねえのか。 ワインはどうだ?」


「昔に飲んだことはあるが、苦いだけでまったく美味くなかったぞ」


 ルシアがお気に入りのポテトフライをつまみながら答えた。


「それは、赤だな。 ゼフト産の甘くて飲みやすい白がある。 ちょっと試してみろよ」


 そうして運ばれてきた曇ったグラスに入った琥珀色の液体をルシアはしばらく眺めていたが、恐る恐る口をつけると、目を見開いた。


「甘い。 まあ、悪くはないな。 じゃが、葡萄ジュースのほうが美味いぞ?」


「ははっ、味覚は子供だな。 そろそろいい時間だし、それを飲んだら帰るか。 ユキにも今日中に帰すと………あ?」


 カタン、と音がして、目を向けるとルシアはテーブルに突っ伏して寝息をたてていた。グラスには半分ほどに減ったワインがゆらゆらと揺れている。


「おい、ルシア?」


 ギリアンは立ち上がってルシアの肩を揺らすが、ルシアはむにゃむにゃと何か呟いただけでまったく起きそうにない。


「嘘だろ……これで酔い潰れたのか?」


 慌てて周りを見回すと、なぜか酒場は静まりかえって二人に視線が集まっていた。


「お、おい、起きろ。 冗談だろ? もう帰るぞ」


 ルシアの脇に手を入れて立ち上がらせようとするが、ルシアはまったく力が入らずぐにゃぐにゃになっている。


「しょうがねえ、宿までおぶっていくぞ」


 ギリアンはため息をつくと、ルシアを背中に背負った。

 すると酒場がにわかにざわつき始め、冒険者たちの話し声が聞こえてくる。


「見たか、今の……飲んで速攻だったぜ」

「まさか、薬でも仕込んだのか!?」

「酔い潰して、これから宿に連れ込むんだって?」

「すげえ、さすがギリアンさんだ!」

「俺たちにはできねえことを平然とやってのけry」


「てめえら、てきとうなことをぬかしてんじゃねえ!」


「うわ! 逆ギレした!」

「やべえ、餌を手に入れた魔獣の顔だ!」


「ぬぅ………」


 このままでは、あらぬ噂が立ってしまいそうだ。


「おい、セレナ! てめえもついてこい!」


 ギリアンは離れたテーブルで飲んでいたセレナに白羽の矢をたてた。女性が同行すれば妙な噂が立つこともないはずだ。


「ぶー、なんですかあ、こんなときだけ……。 二人で仲良くしたらいいじゃないデスかぁ……」


 セレナは頬をふくらましてそっぽを向く。


「じゃあ、リスフィ!」


「…………あい」


 セレナの横で飲んでいたリスフィオーネがふらつきながら立ち上がった。酔っているのか、顔は赤く、目がトロンとしている。


「おまえは……ムリそうだな」


「だいじょうぶです! 私はギリアンの命令ならなんでも聞きますから! なんでも命令してください! なんでも! さあ!」


 おお、とどよめきが起こる。


「ちょ、ちょっと、リスフィなに言っちゃってんデスか?! キャラ、変わっちゃってマスよ?!」


 普段はクールで優等生のリスフィオーネの様子がおかしい。これでは余計にあらぬ疑いがかかりそうだ。


「じゃあ、もう寝ろ」


「………ふぁい」


 リスフィオーネはイスにストンと腰を落とすと、テーブルに突っ伏して動かなくなった。


 誰か適任はいないかと酒場を見回すと、カグラたちがにやにやしながら手を振っている。あいつらだけは絶対にダメだ。

 清廉潔白で皆の信頼も厚いレイムスなら、とも思ったが、このテンションの酒場にカグラたちを残してレイムスを連れ出すのは猛獣の首にかかった鎖を外すことに等しい。


 苛立ちながら考えを巡らしていると、天啓が降りてきた。


「ステラ、居るか?」


「はい、ここに」


 ギリアンの背後にスタッと着地する気配があった。酒場にまたどよめきが起こる。


「ルシアを送り届けるのに同行してもらえるか」


「……まあ、いいでしょう。 姿を見せるか見せないかの違いだけですから」


 ステラは黒縁の眼鏡を指で押し上げながら答えた。




「それで、その方はどういう人なんですか? 以前から知り合いのようですが、やはり魔軍の関係でしょうか?」


 深夜の通りを歩きながら、ステラが機械のような声で訊ねた。


「そんなもんだが、知らねえほうがいいな。 本部に報告すれば、呼び戻されるかもしれないぜ」


「それは……私の本意ではありませんね。 私は、あなたとヘンケンの関係を見てるのは好きです」


 機械のような声がわずかに揺らいだ気がした。


「あ? ただの腐れ縁だよ」


「あなたとバーニーの師弟関係もイイ感じですし、そこにカイトという少年が割り込んでくるのも興味深くて私的にはアリです」


「いや、べつに割り込んできてねえし、おまえの興味の対象がイマイチよくわからねえんだが……」


「ふふふ……あらぬ噂が立ったときには、あなたがそんな女に興味がないということを、私が皆さんに説明してさしあげます」


 ミステリアスな笑いを浮かべるステラに、ギリアンは一抹の不安を覚えた。


 


もう一つエピソードを入れるつもりだったのですが、けっこう長くなったので次話にします。ていうか、もう幕間⑩ですか……。いいかげんに旅立たせないとですね(汗)


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