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06 勇者の剣


 カイトが魔力を込めると導きの碧玉は青い光を放ち消滅した。ソウルオーブがふわりと浮き上がり、カイトの胸に吸い込まれていく。

 するとカイトの頭のなかに音声が流れてきた。


『レベルが上がりました。パラメーターが上昇しました。【超越者】の称号を獲得しました。エクストラスキル【限界突破】を獲得しました。【サブクラス】が選択可能になりました。【システムメニュー】が使えるようになりました。』


「レベル…………100……です」

 ユキが息をのむ。


「それで、なにが変わったのじゃ?」


 ルシアは腕を組み、不敵な笑いを浮かべている。


「さあ? 超越者とかいう称号をもらったけど」


「おもしろい。では、超越者とやらが、どれほどのものか試してみるとしよう」


 ルシアが指を鳴らすと、とつぜん部屋の中央に床に突き刺さった古びた剣が現れた。


「アルシアザード様……なにをなさるおつもりですか……」


 ベルキシューはあきらかに動揺している。ルシアはゆっくりとした足どりで、剣の傍らまで歩を進めた。


「これは、わしの胸を貫きここに縫い止めた勇者の剣じゃ。この身を切り裂きどうにか剣からは逃れたが、その封印はいまも健在で、わしはこの城から出ることはできぬ。一度はこの剣を破壊しようとしたが、やめた。剣を壊しても封印は壊せぬ。そうすれば封印を解く方々は永遠に失われると気づいたのじゃ」


 ルシアが妖しく笑う。


「封印を解くには、ここから勇者の剣を引き抜かねばならぬ。それができるのは、人の身に余る運命を背負った勇者のみ」


 その笑い顔は凄絶なものへと変わっていく。


「では、人を超越した人ならばどうじゃ? 人の身に余る力を手にした者は、ただの人としてそのまま一生を終えるか? 否! その運命値は勇者と比べても──」


「ようするに、これを抜けばいいんだな?」


「「「え?」」」


 カイトはいつの間にか剣の前に立っていた。腕まくりをすると、躊躇なく剣の柄に手をかける。


「じゃあ、抜くよ」


「ええっ!? いやっ……わしにも心の準備が…………ちょっ……」


 場の空気をいっさいがっさい無視してカイトは腕に力を込めた。


「えい」


 気の抜けた掛け声と共に、勇者の剣は拍子抜けするほどあっさりと抜けてしまった。


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