死にたがり少女とチョコレート
人間不信で自殺願望のある少女の話です
残酷な描写はありませんが独特な世界観を描いてありますので閲覧にはご注意ください
その発作のような嫌な思考は頻繁に起こる
止まらない時間
歩むしかない人生
生きるために生まれたんじゃない
死ぬために生まれたんだ
綺麗事で生きることを肯定するのは大嫌いだ
他人の為に生きる必要もない
誰かが悲しもうと関係ない
勝手に悲しんでいればいいだろう
生きることを当たり前とするな
そう思っていても世界は回る
将来を決めるくだらない通過点だってある
"お前の進路は何か"
死にたい人間に進みたい道などあるのか?
お先真っ暗に未来などあるのか?
これ以上踏み込まないでくれ
死ねずに苦しむ弱者など生きる価値もない
放っておいてくれ
一人にしてくれ
どうして人に関わらなくてはならない
どうして生きなければならない
苦しみ生きる意味は何だ?
何故人は生まれる?
皆死にたがるくせに
いざ死ぬとなれば命乞いをしたり怯えたり
はたまた心から嬉しそうに死ぬくせに
人は何故未来を乞う?
何故人が生きることを当たり前とする?
滅びればいいのに
人が生きる為の法律なんて守る必要などない
人が生きる意味など最初からない
何故生きたがる?何故幸せになりたがる?
我々人間は幸せになれるような行いをしたか?
自然を破壊し、他種族を許容せず、自分達が生きやすくする為世界を作り替え地球を破壊しかねない人類が何故幸せを求める?
何故たった一人の生存のため何かが犠牲にならなくてはならないのか
欲にまみれて脆くて偽善者ばかりの人類をこれからも存続させていくつもりなのか
この苦しみのループを未来にも続けるのか
人類は学ばない
所詮自分が楽に生きるためにしか生きない
我々は生きてはならない
そんな未来なら苦しみながら生きる必要もない
けど理想だとわかっている
今もまたどこかで誰かが人を殺した
人を騙した
人を傷付けた
戦争のない世の中なんてやってこないのだから
無駄なプライドなど早く捨てて本性を晒せばいい
人間は自分が有利になるため他者より強い力を求める愚かで汚い生命体
他者の為に生きても報われない
死にたいのなら死なせてやればいいだろう
どうせ世界に望みはない
永久に平和などやってこない
そう思い生きている自分がここにいる限り
本来の意味での平和は有り得ない
だから今死ぬことが出来る者は勇者だ
自分にはそれが出来なかった
生まれた故に来る終わりを恐れた
痛みを苦しみを嫌った
自分はもう社会的不適合者だとわかっている
これからの未来などとうに見えない
なのに今日もチョコレートがひどく甘かった
死ぬ気は人一倍あるくせに死ねない弱さを
口のなかで溶かして噛み砕いては
今日も生を嘆いている
こんなにもチョコは甘いのに
どうして自分は死ぬしかないのだろう
どうして世界は滅びないのだろう
どうしてチョコは永遠に食べられないのだろう
泣いても笑っても答えは出ない
だから誰も救われない
自殺者も減らない
誰かが恋人と別れた
誰かが取り返しのつかないミスで叱られた
誰かが事実を隠蔽した
誰かが苦しいと叫んだ
誰かが悲しみを歌った
誰かが世界を愛した
けど誰もそんなこと知りはしない
所詮赤の他人のことでしかない
自分の身に影響が及ばなければ関係ない
なのに誰かの為に悲しめば偽善者と嗤われる
誰かの為なんて所詮そんなものなのだと
そんな甘くない世界は今日も平凡に回っていた
嗚呼何故自分は
何となく描いたその世界ではチョコレートで彼女を慰めていた、というだけです
短編なので続きはありませんが、彼女が報われることがどうかありますように…