1.僕という人間。
どうも、初めまして。
『小説家になろう』さんでは初めての投稿になります。グダグダにならぬよう、頑張りますのでお時間があれば、見てやってください。
朝目覚める。
布団から出る。
洗面台に向かう。
顔を洗って歯を磨く。
トイレに行き、制服に着替える。
そしてリビングで朝飯を食べる。
行く前に鞄の中身を最終チェック。
毎日早く起きている筈なのに、異様に早く進む時計の針を恨めしく思いつつ、また歯を磨いて、家を出る。
そんな毎日を、僕はもう11年続け、めでたく今年で12年目に突入した。
ここから更に大学で4、5年同じような生活を送るのだろうか。
「・・・・・・・・・・はぁ」
憂鬱だ。
今まで僕自身が歩んで来た道を振り返るだけで頭が痛くなるというのに、未来の事まで考えるとなると、本当にいつかパンクしてしまうのではないだろうか。人間にとっての、大事な何かが。
まぁそんなことは思いつつも、将来のため、一流大学に進学し、一流の企業に就職し、可愛くて家事ができるお嫁さんをもらい、老後の安定した生活を送るために、今日も学校に行かなくてはならない。
・・・・・・・・・・・・・・・いや、嘘だ。
本当は違う。
別に僕は一流の大学に行き、一流の企業に就職したいなどとは、微塵も思っていない。お嫁さんだってそうだ。僕は他人と共同生活なんて絶対にできない自信があるし、したいとも全く思わない。老後の心配と言っても、今から40年も先のことじゃないか。
僕が学校に行っている本当の理由は、見えない『何か』によって強制されているからだ。
小さい頃から誰もが思う一流の大学一流の企業。
そんなものは所詮親や教師から植え付けられた価値観だ。幼き頃からそう言われて育てられた子は、高確率で勉強を頑張り、一流を目指すのだろう。
だが、それになんの価値がある。
何が面白い。
他人によって植え付けられた価値観に同意し、確固たる意思と考えで行動しているのならいい。
だが、中学高校で勉強を頑張っている者は、本当に、明確な道が見えているのだろうか?
僕はいつもそう思う。
なんとなく可能性を広げるために勉強し、なんとなく一流と言われてる学校に決め、就職する時もネームバリューとなんとなくの風潮で決める。
それで、本当にいいのだろうか?
いや、別に僕は構わはない。どこの誰かがどうなろうと知ったことではないし、確固たる意思がなくとも、小さい頃から頑張っていたというそのこと事態が、素晴らしき事だとも、思う。
だが、僕はごめんだ。
そんな在り来たりな、誰でも通れるルートなんて選択したくない。
東大の法学部を主席で卒業!
素晴らしいじゃないか。
近畿大学生がハーバードに留学!
素晴らしいじゃないか。
慶應大学の医学部を主席で卒業!
素晴らしいじゃないか。
だから僕たちは一流です!
ふざけるな。
確かにそれは素晴らしいことだ。
どれも簡単にできる事じゃないと思う。きっと努力に努力を重ね、日々勉学に勤しみ、対人関係においても、優秀だったのだろう。
しかし、だからと言って必ずしも君たちが一流で、『幸せ』な人生を送れるかと言えば、そうでもないんじゃないのか?
人の考えは人の数だけある。
確かにその通りだが、僕は少なくとも、毎日勉強勉強で、一流であろうとし続けることは、無理だ。
婆ちゃんが現代医療では治せない病になった。だから、それを研究するために医者になる。
今の僕にはこれくらいの筋書きがないと勉強なんて頑張れない。
僕は、どこか当たり前ではない当たり前を、求めていた。
来る日も来る日も代り映えしない日常に、飽き飽きしていた。
それこと一度死んで異世界に転生したいと思うほどに。
いやいや、こんな事を言えば中二病かと思われてしまいそうだが、決してそう言う事ではない。うん、断じて違う。
別に日常に飽き飽きしていたと言っても、ほんの些細な変化でいいのだ。ある日学校の屋上でいちごのパンツを目撃し、そこから壮大な恋愛に発展するとか、暴力独身教師にある日訳のわからない部活に入れられるとか、 夜中エロ本を買いに出かけた帰りに吸血鬼に襲われるとか。
そんな、些細な変化でいいんだ。
え?少し夢見すぎだって?
そうだろうか?結構最近のラノベとかでは多いんだけどな。
・・・・・・・・・・うーん、それじゃあこんな感じでどうだろう。
高校3年の春という微妙な時期に、一人の転校生が我がクラスにやってくる。
黒髪の美人で、髪は長く、どこか妖艶なオーラを纏った転校生がやってくる。
その子は他人と関わり合うことが苦手で、僕の隣の席になるも、目すら合わせてくれない。
で、なんだかんだ言いつつも、クラスで僕だけが彼女と仲良くなり、いつしか彼女は僕の事が好きになる。
神様、僕はもう11年間頑張ってきました。というか今年で12年に突入します。
その褒美に異世界へ転生させてくれ、なんて言いません。
お金もいりません。変な能力もいらないし、ある日タコ型の黄色い教師が担任になるなんて、そんな事も望みません。
ただ、1つだけ。
上記に記したような女の子を、僕の近くに配置してもらえないでしょうか。
願わくば、その女の子と非日常に巻き込まれることを望みます。