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聴覚障害者の日常

聴覚障害者の日常 妊娠発覚編

作者: ぷかぷか

東北から関東へ転勤した頃の話しになる。


引っ越し準備するのに、仕事で忙しい夫はあてにはできない。引っ越しの手当ては潤沢ではないので、引っ越し会社のお任せプランなど利用できず、エコノミークラスの料金で自分一人でやるしかない。

東北からの転出は手話サークルで仲良くなったメンバーが手伝ってくれたのでかなり助かったが、転入先の場所での荷解きは一人でやらざるを得なかった。


荷解きは自分のペースで構わないから、と夫に言われたのだが、なぜか体がダルくなかなか疲れが取れなかった。

ガソリンの臭いもおろか、お惣菜売場に近寄りたくない気分で、ひょっとしたら…と、自分で判定薬を買い検査した。

結果は「陽性」だった。

数回も流産していたのでぬか喜びにならないかと思って心配した夫が、最初の診察には付き合ってくれた。


東北では古い総合病院だったので暗い待ち合い室だったが、新居の近くにあった産婦人科病院は新しくて、待ち合い室はピンク色で明るかった。

色々な検査をうけ、最後に診察室で医者の説明を受けるとき、夫と一緒に入った。

医者の説明が始まった時に、本来なら夫の手話通訳が始まるはずだったのに手が動いていない。不思議に思ってみたら、固まっていた。

じれたアタシが夫をつついても、「後で…」と止められた。手話通訳どころではないというように、そのまま、医者の説明を受けていた。


医者の説明が終わると、ようやく夫が言った。


「三つ子だって…。」


ビックリするアタシを宥めながら、


「とにかく、後で全部説明するから…」


と、診察室を後にした。

混乱して不安一杯になったアタシに、


「おめでとう!」


と声をかけてくれた。


5週目であることや、ちゃんと育つかわからないこと、通常の妊娠ではないから大きな産科病院に転院する必要があるなどと不安なことばかり言われたのだが、夫は


「まずはお祝いだな。」


と笑いかけてくれた。


本当に嬉しかった。大変な育児生活が待ってるだろうにもかかわらず、事実をすんなり受け入れてくれた夫をスゴいと思った。


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