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2023年 4月某日 新年度到来

ヒーローorクリーン2章突入!

連続エピソードになります。(1/6)

桜が咲き乱れる山肌に、舞う花びら。その木々の間で、何かが蠢いた。

小さな石を転がるように始まった異変は、やがて大きな厄災へと変わろうとしていた。


よく晴れた月曜日の朝、葉が出始めた桜を見ながら自転車を漕ぎ、何となく物思いにふけっていた。


4月に入り大きく変わったことが、いくつかある。

まずは、俺が完全復帰したことだ。足の傷が思ったより深かったらしく、訓練などセーブして動いてきたが、この度やっと医師から完全復帰のお墨付きがでたのだ。


2つ目は、同じ班だった神崎が支部内の別班へ移動し、そこの副班長になったことだ。3年間同じ班員だった先輩の移動は少し寂しい気持ちと、出世を祝福する気持ちの両方あり、複雑だった。


3つ目は、新入隊員がウチの班に入ったことだ。大卒ルーキーが入り、班の中で年下だった、成岡と佐々木が先輩になったのだ。成岡は大丈夫だろうけど、佐々木が調子に乗らないように見ていないといけないと、西城が話していた。お調子者の佐々木が、無理に先輩をしようとして何かやらかす未来が見えた気がした。


4つ目は、2月の研修で見た施設への運搬作業の業務が新たに加わった。やはり研修を受けるまでその任務は秘密裏にされていたらしい。まだ、ルートを覚えている途中なので先輩と一緒に行っているが、その内1人で行うようになるらしい。


そうこうしている間に、支部の敷地内で車とすれ違いをして、俺は駐輪場へ着いた。


「宮部さん、おはようございます。」

あいさつしてくれたのは、新人の高木たかぎ 唯人ゆいとだった。


「おはよう、高木。昨日も遅くまでゲームしてたの?」

頭に残る寝ぐせを指さして俺は聞いた。


「いやー、早く終わろうと思ってたんですけど、気付いたら2時回ってました。」

「その気持ちわかる。」

高木と合流して更衣室へと向かう。ゲームという共通の趣味があるおかげで、打ち解けるのも早かった。まあ、高木はまだ緊張してるかもしれないけど。


「今日の訓練何ですかね?」

「……たぶん出動になると思うよ。」

「っえ!なんで分かるんですか?」

「さっき、先発班……出動前の下見してくる班が帰ってきてたからね。高木の見学がてら出動するんじゃないかな。」

「……俺、急に緊張してきました。」

「俺らが戦うわけじゃないし、命がけで清掃活動しに行くって思ってれば楽になるよ。」

「命かかってるじゃないですか!」


朝のミーティングの場所へ向かうと、案の定ヒーロー達がいた。

木属性の支部内最強ヒーロー古賀と金属性のパワー系ヒーローの渡部が待っていた。2人が話す横に透視担当のヒーロー三上がこちらに手を振っている。


「おはようございます。三上さん。」

「この子ね!53班に配属になった新人さん。」

「高木 唯人です。よろしくお願いします。」

「高木君ね。私は三上です。光属性の透視ヒーローがメインのお仕事だからよろしくね。」

「やっぱり今日出動なんですね。」

「そう。山の方で出たんだって。」

「高木、実戦初めてなんで、よろしくお願いします。」

「あら、じゃあ古賀さんに優しい感じでって頼んでおくわね。」

三上はにっこり笑った。でも古賀は頼まないとエグイ方法で倒しそうなのも、分かってしまう。


時間になりミーティングが始まった。

「今日のメインヒーローの古賀です。今回はF市S地区の山間の地域に出動になります。今回のエニグマは土属性ですので、木属性の僕と、金属性の渡部さんにサブで入ってもらいます。尚、今回が初出動となるクリーンメンバーがいるので、なるべく手本になるように、皆さんがんばってください。」


「「「はい。」」」

ちゃんと新人に対する配慮も欠かさない古賀は流石、本部からヒーローのトップに引き抜きの話が来ているだけの人というのを感じさせられる。なんで、引き抜きに応じないんだろう?と新たな疑問が浮かんでくる。


「清掃第53班、班長村越です。私の横にいる彼が今回初出動となる班員高木 唯人です。新人ですが身体能力も高く呑み込みも早いので、戦闘終了後は見学ではなく仕事をしてもらうつもりでいますので、皆さんご指導よろしくお願いします。」


班長の村越が、高木の紹介をしてミーティングは終了した。

53班は見学をほとんどさせてもらえないことで支部内では有名だ。実戦でしか得られない経験を少しでも早く積むことが見学期間を短縮する理由と以前聞いていた。だけれど新人にとってはプレッシャーでしかないことをいい加減進言してあげて欲しくなる。


エニグマ討伐前は、何が起こるか分からないし、場数を踏まないと、何をやるべきか臨機応変に対応できない。それに比べ討伐後は、襲われたりイレギュラーが起こりずらく、訓練を真面目に行っていればいきなり本番でも大丈夫ということなのだろう。


緊張で顔が青くなっている高木の肩を叩いた。

「討伐後は、訓練とあんまり変わりないから気負わなくても大丈夫だから。」


直近の後輩たちには、やることができなかった緊張をほぐす言葉を掛けられる。自分の成長も感じながら出動準備を始めた。


ただ、俺の掛けた言葉通りに事態が進まないことになるとは、俺は思ってもいなかった。


次回は 3月 15日(日) 21時更新です。

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新章突入しました!

気持ち切り替えいっぱい書いてきます。

次回もお楽しみに!

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