表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

29/38

2023年 2月某日 クリーン研修7

クリーン研修編 2日目スタートします。

ピピピピピ

アラーム音で目が覚めると、そこには知らない天井があった。

そうだ、2泊3日の研修中だった。ぼんやりする頭で思い出す。

昨晩は食堂で19時に夕食を済ませ、談話室にいた男子全員で大浴場へ行き温泉を楽しんだ。俺は怪我もあるから、膝下だけ足湯をした。寒さが堪える2月、シャワーだけだと芯から温まれないので、足湯ができるだけでもありがたかった。


お風呂の後は部屋に戻り、レポートをまとめた。俺は鍜治口の他支部との連携についてのレポートにした。研修に来るまで他支部の人と関わる機会がなかったから、話を聞いてとても新鮮だったし、昨年の洪水の時に水害対応に慣れている支部の応援があれば、慣れている分もっと迅速に対応できたと思ったからだ。そう考えると、この研修に来た意味が少し分かった気がした。


なんとかレポートをまとめ、少しスマホをいじってから寝た。

談話室に行く前に仮眠をとったはずなのに、すぐに眠れてしまった。


アラームを止めてスマホの時計を見る。時刻は6時30分、朝食まであと30分の余裕があった。上下スウェットで寝ていたが、そのまま朝食に向かうのは気が引けたため、作業着に着替えることにした。


身支度を整え5分前に食堂へと向かった。

食堂前には、既に数人集まっていた。作業着を着ている人と私服の人が混在していた。

鍜治口と山下が話しているのが見えたので、そこに加わろうと声を掛ける。


「おはよう。鍜治口君、山下君。」

「「おはよう。」」

2人があいさつを返してくれたので輪の中に入る。

「俺、呼び捨てでいいよ。俺も宮部って呼ぶから。」

少し照れながら鍜治口が言った。

「OK。鍜治口。」

俺も少し照れ臭かったけど、こういう距離の詰め方も悪くないなと思った。

「宮部君はレポートまとまったかい?」

山下は呼び捨てには慣れていないらしく、話題を変えてきた。

「何とかね、まとめるのに時間かかって寝るのが予定より少し遅くなったよ。」

誰の話にしたとか、そういうのは話題に出さない方がいいかな。なんか恥ずかしいし……。


たわいもない話をしていると食堂が開く時間になった。


「田中まだ来てないから、念のため連絡入れようか?」

俺はスマホを出し“おはよう。食堂開いたよ。”とメッセージを送った。

一応義理は果たしたので、食堂に先に入って食事を受け取ることにした。


ご飯、味噌汁、サラダ、メインのハムエッグとミートボールが乗った皿を取り、席に着こうと空席になっているテーブルへ鍜治口、山下と向かった。


「あっかーーーん寝過ごしたわ!」


朝から騒々しく食堂に飛び込んでくる田中。呼ばなくても、朝食を持ってこっちに来るだろう。俺たちは一応4人掛けの席に腰を下ろした。

時間もないので食べ始めていると、やはり呼ばなくても田中はやってきた。


「おはようさん!ツッキーサンキュー!マジでさっきまで寝こけてたわ。」

そう言って彼は寝ぐせで凄いことになっている頭を掻いた。


「おはよう田中、すっげー寝ぐせだけど出発までに直るのそれ?」

冗談交じりで返すと、カカカッと笑いながら田中は頭を押さえた。


隣のテーブルを見ると、佐藤、坂下、宮田が席に座って朝食を取り始めていた。

3人は遅めに来たが、すでに作業着に着替えていた。遅く着て私服なのは田中だけだった。


女子は離れた窓際の6人掛けのテーブルに全員集まって食事をとっている。

身支度に時間がかかる者から、朝食を早く済ませ食堂から出ていく。


俺たちもすぐに食べ終わり、歯磨きや荷物を取りに部屋に戻った。そのころにはもう女子たちの姿はなかった。身支度に時間がかかるのだろう。女子は大変だ。


部屋に戻り、歯磨きと傷口のテープの確認をしてから、今日の持ち物をリュックに詰めて部屋を出た。


集合15分前にエントランスへ着くと、山下、近藤、坂下、中村が談笑していた。いかにも真面目そうな4人に気後れしながら近づいていく。


「おはよう!宮部君。」

中村が手を振って輪の中に招き入れてくれた。


「傷はどう?」

「早くに縫ってもらったからきれいに塞がってるよ。たまに突っ張って痛いけどね。」

「早く治るといいね。そうだ、今日行く施設の話聞いてる?」

「そういえば、全然聞いてない。」

「だよね、今みんなでどんな施設に行くのかな?って話してたところなんだよ。」

こうやって、さらっと後から話題に入れてくれる中村は姉御肌系で世代問わず好かれているんだろうなと思った。


集合時刻が近づくにつれて徐々にメンバーが集まってくるが、やはり田中の姿が最後までない。


集合3分前になってドカドカ階段を下りる音が聞こえてきた。


「寝ぐせあかんかったー!」

寝ぐせを直していたんだろうけど、全然直ってない田中が駆け下りてきた。


「田中がいると俺の声のデカさが緩和されて怒られなくて済むな。」

隣で佐藤がボソッとつぶやいていたのを聞いてしまい、笑いを堪えるのに必死になった。


「なに笑とんねん、こんな色男捕まえて!」

「違う違う。田中の寝ぐせも面白いけど、もっと面白いこと聞こえたの。」

慌てて口の前に人差し指を立てる佐藤を見て、俺も親指を立てて口止めを素直に受け入れた。


「佐藤、何言ったん?このリョウちゃんよりおもろいとか、隅に置けんな~。」


教官たちがエントランスにやってきて、このバカ騒ぎに終止符が打たれた。


さあ、2日目の研修のスタートだ。


次回は 2月 22日 21時更新です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

次回は施設見学どんな施設なんですかね?

お楽しみに!

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ