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猫は知らない

作者: 白夜いくと
掲載日:2025/10/22

少々ブラックです。

お気を付けてお読みください!




 人の気もちなど、猫は知らぬ。


「あーむかつく、ちょっと今からメッセージ送るね」


 飼い主の携帯に映る差出人の文字に猫は寄り目になった。どうして怒ったらメッセージを送りたいのか。猫ならば怒ったら引っ掻いたり殺したりするのに。


 蚊やネズミにからかわれたら猫は怒るものだ。猫は仮初の理解をした。虫けらやネズミのような奴にコイツはムカついたのだな、と。


 ピコ♪と音がする。また同じ差出人からだ。

 猫は画面をバシバシ撫でて全文読んだ。


「アイツ自惚れてるよね。ちょっと優しくしたら偉そうな御託並べて。何様って感じよ。いい加減利用されてるって気づけばいいのにwwwてかさ、アイツキモいから全員で無視しない?もう用済みでしょwww」


 なるほどわからん。

 格下相手に優しくしていたのか。格下に利用価値があると思っているのか。もしかしたら格下がコイツを利用しているかもしれないのに。自惚れているのはどっこいどっこいだろう。


 猫は思った。

 ムカつく前に仕留めなかったのが悪いのだ、と。

 

 格下に猶予を与えたのだから、完全にコイツの負けである。考えながら猫は不思議そうに画面を眺めていた。


 携帯の点滅を見た猫の飼い主が携帯を取り上げる。画面を見ながら、


「うわめんどくさ……」


 と言った。

 猫は飼い主がなんと返信したかわからない。


「はぁ、適当に返しとこ」


 飼い主の言う『適当』は猫にはわからない。

 わからないなりに考えてはいる。


 きっと、


「今度は確実に仕留めろ」


 そう返したのだと想像して猫は欠伸あくびした。青い琥珀糖のような空が綺麗である。見惚れていたら突然視界に虫が飛んだので、猫は迷わず仕留めた。


 そう、ムカついたら、こうすれば良いのだ。


 猫はまるで手本を示すように、仕留めた虫を玄関に置いた。飼い主の悲鳴が鳴るまであと3、2、1……。





 おしまい

最後まで読んでくれてありがとうございます!

多くの人は脳内で『仕留める』んですよね。笑

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― 新着の感想 ―
 猫の言い分にも一理ありますよね。  結局他人はどこまでいっても所詮は他人に過ぎないわけで、世界が自己完結する者にとっては余計なものですし。(笑)  本音に反する建前が自身を蝕むことも多く、その辺の嫌…
ネコさんからしたら、人間なんて本当に面倒くさいのでしょうね。 ただ、たまにはネコさんのシンプルな世界も良いかもしれません……が、人間世界でそれだと、すこしどころか、かなり怖いですね。 視点の在り様…
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