スランプ
わたしを泣かせるのはわたし
わたしを追いつめるのはわたし
わたしを台なしにするのもわたし
わたしを馬のように走らせるわたし
そのわたしは合い鍵で
まいにち工房に押し入ってくる
はたからみれば一人の苦悩
ほんとうは二人のせめぎあい
たとえるならばタイツの伝線
生活はすこしのほつれでひもじくなる
追求がのどもとをしばり上げ
言葉ひとつに咳をする
何人が愛しても
やさしい布団が待とうとも
わたしは逆に息が詰まってしまう
傷はぬいぐるみではみたされない
わたしはいま不幸せです
必要なものはここにあるのに
あなたは何も悪くないから
もう少しわたしはたたかいます