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プロローグ
私は妖魔有希。職業は個人タクシー女性運転手。今2034年(NF11年) 10月10日も自慢の《オルレアン号》のエンジンを吹かし、大都駅まで来て、客待ち。
お、《MBCC》の局長さんじゃないか、しかもアリエルさんまで。これまた珍しい事で。
‐木野さとり局長‐
ああ。ちょっと《闇酒まん延事件》で気になる事がな。
-妖魔有希-
噂のあのヤミ酒がまん延した事件ですか、あれは提供していた酒場とメイスを取締って終わりだったんでは?
-アリエル-
私もそう思ってたんですけど...。
‐木野さとり局長‐
それが実は業者を別に見つけたんだ、しかも厄介な事に外観は石鹸工場。まさか石鹸を取締る訳にも行かない。
-妖魔有希-
そういえば伯爵は?
‐木野さとり局長‐
自分の下剤買いに購買部に行った、平均7日に1回硬めが出る。
-妖魔有希-
そりゃ気の毒に。はいMBCC庁舎に到着っ。
‐木野さとり局長‐
すまない。
-妖魔有希-
毎度どうも。