お菓子を作っていたら知らないメイドさんに絡まれました
とんでもなくお久しぶりの更新になってしまってすみません><
現在他作品(婚約者様、落ちこぼれダメ令嬢)を毎日更新中ですが、そちらの更新に一区切りついたらこの「勘違い令嬢」を毎日更新予定です!
ここ数日なぜかPVが少し増えていてたくさん見てもらえて嬉しいので、2作品の更新中ですが「勘違い令嬢」も先に少し更新しようと思います^^
お楽しみいただけますように!
次の日。私が厨房でせっせと作業していると、レイラが匂いにつられてやってきた。
「わあ!ステラ、すっごくいい匂いがすると思ったら、一体何を作っているの!?」
「えへへ、お菓子だよ。クッキーに、トリュフチョコレートに、キャラメルに、お団子よ!」
クッキー、トリュフチョコレート、キャラメルはもう出来上がっていて、お皿に山盛りにしている。
今はお団子をもう少しで作り終えるところだ。
「えー!すごい!そもそもお菓子が作れるだけでもすごいのに、豊富なラインナップね。おまけにお団子なんて遠い東の国のお菓子でしょう?噂しか聞いたことがないわよ?へえ、こんな感じなんだ。よく知っているわね!」
珍しいお菓子にレイラは大興奮している。
魔物狩りをきっかけにたくさんの冒険者と仲良くなったし、狩った魔物を売るためにギルドに出入りしていたおかげで商人の知り合いもたくさんできたから、その縁でいろんな国の品物や武器なんかにも触れる機会が多かったんだよね。
こんなところで今までの経験が活きるなんて、私はやっぱりツイている!
「味見してみる?」
「いいの!?」
「うん、美味しくできているか確認してほしいし」
褒めてもらえて気分がいいし!
「じゃあ私、お団子食べてみたいわ!」
目を輝かせたレイラの口元にお団子をひとつ摘まんで近づけていく。
あーんの状態で放り込んだ、ちょうどその時、厳しい声が飛び込んできた。
「あなたたち、そこで一体何をしているの!?」
ハッと振り向くと、見たことのないメイドが私達を睨みつけていた。メイド服が違う……下級メイドよりうんと上の立場のメイドだわ。
と、思ったと同時に隣からゴクン!と大きな音が聞こえてきた。
ええっ?なに、今の音?
不思議に思ってレイラを見ると、顔を真っ赤にして喉を詰まらせている。
「わあ!?レイラ、大丈夫!?」
驚きすぎてお団子を丸のみしちゃったんだわ!
声をかけてきたメイドはなんだかとっても怒っているみたいだけど、人命救助が先!
急いでレイラの背中をどんどんと叩き、そのついでにほんのちょっぴり回復魔法もかけておく。
「はあはあ……死ぬかと思った……ステラ、ありがとう」
「生きててよかったわ」
私が食べさせてあげたお団子で窒息死なんてことになったら笑えないもの。それこそ王宮内殺人事件として追放されちゃうところだった!
「ちょっと!私を無視してお喋りを続けるなんていい度胸じゃないの!」
おっと。そうだったそうだった。
今目の前には私達に激怒している先輩メイドがいるんだった。
まあ、おしゃべりしていたわけじゃないんだけど……。
息を整えたレイラがこっそり教えてくれる。
「ス、ステラ。あの人は聖女様が王宮にあがるのに合わせて一気に昇格した上級メイドで、最近まで私の隣の班の下級メイドだったメラニーよ」
「あ、そうなんだ?」
そういえば、スカーレットが聖女として王宮にあがるのにあわせて、聖女付きのメイドを選任するために何人かメイドが昇格して、新しいメイドもたくさん採用したんだって言っていたっけ。
魔術師団入団希望者もメイドから始めるわけだから、ひょっとしてすっごくたくさん新人メイドがいるのかもしれない。
と、なれば、もしかして昇格したメイドの中にも、元々メイド志望で入ったものの「ここから魔術師団を目指そう!」と目標を切り替えた人もいたりして!?
え~!そうなると私の魔術師団への道にどれだけライバルがいるんだろう!?
険しい道……だけど諦めるわけにはいかない!
そんなことを考えていると、メラニーさんは私をより鋭く睨みつけてきた。
「下級メイドが勝手に厨房を使って、王宮の材料でお菓子を作る?そんな勝手なことが許されるわけがないでしょう!職務規定違反だし、おまけに材料を勝手に使うことは横領にもあたるわね。これは大問題よ!」
「あ、いえ、そのことですが勝手に使っているわけじゃなくて……」
「黙りなさい!言い訳など無駄だから。はあ、聖女様が王宮内にいらっしゃるのに、よりにもよって食べ物を勝手に作るなんて。毒でも入れられているんじゃないかしら」
さっき目の前でレイラがお団子を食べたのを見ていたよね?ということは、毒なんて入っていないのは分かった上で、より私の罪を重くしようとあらぬ疑いをかけているってことなのかな。
うーん、この理不尽に責められてあまり話も聞いてもらえない勢い、なんだか最近同じことがあったわよね。そう、口がくさい(幻臭だけど)騎士、ランディ様に詰め寄られた時にすごく似てる。
……ハッ!ピンときた!
この人もきっと、スカーレットの魅了の魔力にやられているんだわ!
うんうん、きっと間違いない。
だけど、もしもその通りなら私が事実を説明したってあんまり意味がないはず。
どうしようかな。
「……一体、なんの騒ぎですか?」
「あっ!メイド長」
どうやらメラニーさんの激怒する声が大きかったようで、騒ぎを聞いた他のメイドがメイド長に知らせてくれたらしい。
怪訝な顔で登場したメイド長は、そこにいるのが私だと気づくと表情を和らげた。
「ステラでしたか。お久しぶりですね。あなたはいいメイドになるとは思っていましたが、まさかこの短期間で王太子殿下つきのメイドに昇格するなんて、本当に素晴らしいです」
「……え?お、お、王太子殿下付き……?」
メラニーさんの顔色がさっと青ざめた。
一応私、さっきそう説明しようとしたんだけどな?遮られちゃったけど。
しかしそれも一瞬で、気を取り直したメラニーさんがメイド長に訴える。
「いくら王太子殿下つきのメイドだとしても、勝手に厨房を使用するなんて、毒を入れた疑いがあります!実際に今、このメイドが作った怪しげなお菓子を食べたそちらのメイドは死にそうなほどに苦しんでいました!怪しいですわ!」
ええっ!それは無理があるんじゃ!?
と思ったけど、怪しいと疑いをかけられてしまえば、そんな事実はなくとも印象は悪くなる。
それに、レイラに食べさせてあげたのがお団子だったのも悪かったみたいで、どうやらお団子を知らなかったメラニーさんの目には得体の知らない何かにうつったらしい。
私の身の潔白は間違いなくはらせるんだけど、疑いをかけられたメイドなんてきっと目立つ。
そうするとスカーレットにも私の存在が認知されて、最悪『そんな怪しいメイドは放しろ!』と騒がれる危険性もある。
なんたってこのメラニーさんは魅了の魔力に影響されている可能性があるくらいスカーレットに近いメイドのようだし、スカーレットは性格が悪いから。
これは……由々しき事態!
冷や汗が流れる。
明日も更新予定です。
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