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硬い男と強い双子殺人鬼  作者: ありがとう君
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第5話 殴られ屋

一瞬揺れて頭の中の白が抜けると壮真は黒猫に話しかけられた地点に立っていた。


(お昼か‥…さて今からどうしよう約1年か‥…)


頭で考えながら周囲を見渡すが人影も無く転移に気付かれた事も無い。


(そこらへんは女神様が調節してくれたのでしょう)


特に何も決める事も無く壮真は適当に歩き始める

しばらく歩くと大きそうな公園が見えたので中に進む

公園の中は昼過ぎと言う事も有り

ベンチで休憩中のサラーリマン

財布を小脇に抱えたOL

母親と子供など意外と人が集まって通行するのを確認する

さらに進むと

ギター片手に歌唱をしている2人組

風船を器用に動物に変化させているパフォーマー

漫才の練習をしている2人組など各々好きな事やりたい事をしている。


(この公園なら人もたくさん集まるし何か生きていく為に俺も初めてみよう、その為にはまずお金やな)


歌唱をしている2人組、風船パフォーマーなどは僅かながら見物代でお金も貰っている。


(元手は残高280円…俺は殴られようが刺されようがやばい魔法を受けても平気な身体)


少しその場で立ち止まり考えるがすぐに名案が浮かぶ。


(殴られ屋!これなら残高280円の悲しいお金事情でも身体1つで稼げる…準備費も足りそう)


他には銀行強盗、強盗、空き巣、カツアゲなど犯罪系も出来ると頭に浮かぶが『そこまでは殴られ屋が失敗したら考えよう…犯罪は何か嫌かも』と名案殴られ屋に決定する

そして公園内を彷徨い段ボールを見つけるとコンビニに寄り太い油性ペンと鮭おにぎりを購入する

再び公園に戻り人通りも有り目立つ良さげな場所を発見するとそこで段ボールに油性ペンで大きく文字を書く。


【殴られ屋、思いっきり殴って気分スッキリ、KO出来れば10万円(1回男性2000円女性500円)】


相場は全然把握していないが値段は適当に決定するとKOされる事も無いので100万でも1000万でも良かったがこれも適当に決定する

そしてしばらく達筆では無い文字で書かれた小汚い段ボールを両手で頭の上で掲げてみる。


「あれ何?殴られ屋?意味が分からない」

「汚い段ボールと下手すぎる文字…猿かな?」

「ママ~あのお兄ちゃん何してるの~」

「ダメ!あのお兄ちゃんは見たらダメ」

「ウケる!超ウケるんですけど~殴られ屋とか超ウケる~」

「10万円?2000円か~」


など圧倒的な羞恥と少しの希望を身体全体に浴びながらひたすら段ボールを掲げる。


「ねえ?ねえ?お兄さんこれガチ?」

「何か?ガチっぽくね」


するとガムを噛む男と少し金髪の学生服姿の2人組が掲げる段ボールを指差して壮真に話しかける。


「はい!もちろん本当ですよ、お客様が良ければ僕を思いっきり殴れますよ」

「ガチやね!お兄さんKOしたら10万もガチやんね?」

「はい!本当にお渡しします」

「トオル1回やってみよう、10万10万チャン~~ス」


壮真から少し離れると2人組の学生は話し合う。

すぐに


「じゃ1回挑戦するわ」

「はい!ありがとうございます」

「2000円は?先に後で?」

「え~と終了後でお願いします」

「分かった!じゃ早速殴るよ」

「はい!お願いします」


トオルと呼ばれたガムを噛む男が目の前で右肩をグルグル回し拳の骨を鳴らして準備している

壮真も殴られ屋の初仕事で少し緊張している

(あっ!皮膚感覚はどうしよう?)

少し悩むが女神アンキシャルの攻撃を何度も当ててもらい調整は勉強して頭の中で決断する時に【硬いと柔らかい】で落ち着いた

【硬い】は女神の攻撃を当てられても何も感じず足元も1ミリも動かず逆にハンマーで鉄の塊を殴る様に女神の手が攻撃の衝撃と壮真の受けた衝撃をまとめて受け止めていた

【柔らかい】は女神の攻撃を最初に当てられた時と同じで延々に吹き飛ばされて何度もバウンドを繰り返して転移で戻してもらい女神の手は会心の感触を与える。


(【硬い】にしてお客様の拳を痛めたり壊しても意味が無いよね‥…やっぱり会心の一撃で気持ち良く殴ってもらった方が当然良いよね!)


【柔らかい】と頭の中で切り替える。


「じゃあ!行くよ?」

「はい!思いっきりお願いします」


返事をすると両腕を後ろで組み笑顔でトオルに了承する。


「オリャャ!!」

「ウッ」


トオルは右拳を頬に打ち込むと振り切る

衝撃で顔面が少し持っていかれて片足も少し浮く…痛みは当然感じなかったが上手か下手か判断出来ないが演技で呻き声も出してみる。


「はぁ~はぁ~…ダメか~結構良い感じで入ったと思ったけどダメやったか~」

「イタタタタ!!凄く効きました、お客様の拳でもう少しで倒れそうでした…危なかったです!イタタタ!!」

「でしょ?かなり良かったけどな~…う~ん足の踏み込みがダメかな~う~ん…まっ!残念しょうがないお兄さんこれ2000円」


トオルは少し息を整えてから反省と軽く殴る復習を終わると財布から2000円を手渡す

これも上手か下手か判断難しいが殴られ後の感想と殴られた頬を手の平でさすりながらリアクションしてみる。


(‥…殴られても痛みが無いからリアクション意外と難しい‥…)


そんな事を考えながら2000円を両手で受け取ると頭を下げる。


「ありがとうございました」

「惜しかった~お兄さんまだ殴られ屋この公園でするの?」

「はい!もうしばらく続けたいと思っています」

「マジで?じゃあ金出来たらリベンジしちゃおかな~10万も欲しいし!」

「はい!お金の都合が良ければいつでもお待ちしてます」

「分かった~今度はKOして10万貰っちゃうから~それじゃ~またお願い」

「はい!ありがとうございました」


学生服の2人組は軽く方手を上げると会話をしながら公園の出口に歩いて行く

見送りながら

(人生初仕事の2000円嬉しい!…何となく稼げそう‥…後はリアクションが難しい…)


手の中の2000円を少し見つめて財布に収めると地べたに座ると鮭おにぎりを食べる。























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