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私は変態伯爵の愛玩動物。





 「アイヴィ、新しい服を買おう。サイズを測るから、脱いでくれるかい?」



私は、エルズバーグの要求通り、着ていた服を脱ぐ。



ニヤニヤといやらしい目で見られるが、悲しいことに、その目にも慣れてしまった。



服のサイズを測りたいから服を脱げ…なんて、ただの口実だ。もう何度も測っているし、毎回測り直さないといけない程、急成長もしていない。



 「ああ…!アイヴィ!相変わらず綺麗な体をしているね…!」



いったい何処をどう見れば、この貧相な体でそう思うのか。まだ9歳と子供なだけあって、当然、胸の膨らみはないし、女性特有の柔らかさもない。それなのに、興奮出来るだなんて…本当に特殊な性癖をお持ちだ。



 「そうだ、アイヴィ。今日はお義父様と、お風呂に入ろう。何、私達は家族なんだ。一緒に入ったって問題ないだろう?そうだろう?うん?」



平民はどうかは分からないが、少なくとも貴族には、誰かと共にお湯に浸かるという風習はない。例えそれが、父親や母親であってもだ。



しかし、そんなことを言おうものなら私の純潔が9歳にして散る。それは勘弁だ。



結局私は、黙ってエルズバーグの要求に従うしかないのだ。これじゃまるで、愛玩動物(ペット)だな。



まだ愛玩動物としての価値があるだけ喜ばしいことなのか。それとも愛玩動物としての価値しかないことに絶望するべきなのか。私には分からない。



ただ1つ言えるのは、このまま人間としての自我を持っておくべきではないということだ。



 「アイヴィは今日も可愛いな。食べてしまいたいぐらいだよ。」



そう言って、エルズバーグは私の頬を舐める。



ああ、本当にイカれている。この変態クソ親父。



仮にも私は…、と考えてやめる。



娘だなんて思ったら駄目だ。私はこの変態クソ親父に飼われている可哀想な愛玩動物。



いっそのこと、『わん』とでも鳴いてみようか。そんな馬鹿なことを思い始めたとき、屋敷内が騒がしくなった。



 「エルズバーグ伯爵!貴方を、強制わいせつ罪及び買春の疑いで逮捕する!」




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