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異世界人に出会う【2】

ようやく村に着いた。

家はあるが灯りはついていない。

人の姿もなくシーンとしている。

腕時計を確認すると20:57を指している。


「寝るには早いような…?」


不思議に思いながらも近くの家のドアを叩いてみる。


「すみません。どなたかいらっしゃいませんか?」


暫く待っても誰も出てこない。

次の家も、また次の家も訪ねてみるが誰も出てこない。

最初は警戒して誰も出てこないのかと思ったけれど、人の気配が全くない。

小さい村だった為全部の家を回ったのに、誰一人出てこなかった。


最後の家も同じく反応がなかった為、家のドアを開ける。

誰かが使っていただろうダイニングテーブルや椅子、食器棚。

ダイニングテーブルの上にもご飯を食べてました感がする食器。

だが、食器の中身は腐っていて虫が飛んで匂いが酷い。


リアは思わず眉間に皺を寄せ、口と鼻に手を当てる。

もう一つの扉を確認するが、そこは寝室でベッドとタンスしかなく誰もいない。


小さい村の小さな家だった為すぐ見終わり、同じように別の家も確認する。

結果、誰一人として存在しなかった。



ーーーーーーーーーーーーーーーーーーー



リアは1番綺麗な家の中にいる。


どこの家も最初見た時と同じ、テーブルの上に腐った食べ物があり臭いが酷かった。

食事中に何かがあって逃げたのか消えたのか。

理由はわからないが、テーブルの上に何もなく台所も寝室も綺麗なままだった家を借りた。


リアはテーブルの上に置いてある野菜たちを見つめる。

誰かいないか歩き回ってる途中、いろんなところで畑を見つけた。


なんの野菜か鑑定で見ると名前は違うがジャガイモ、玉ねぎ、トマトなど馴染みの野菜の物だった。


ジョミズミを食べたがお馴染みの野菜を見つけた喜びで無意識に採ってきてしまった野菜をテーブルの上に置いたというわけだ。

勝手に採って勝手に人様の家を使っていいものやらとリアは頭を抱える。


あちらの世界では任務の時勝手に侵入するが、それ以外はちゃんと常識はある。


ぐぅぅぅ〜


なんと正直な私のお腹。

誰もいない、野菜が勿体無い、生きるためにと割り切り台所に立つ。

何処に何があるかとガサゴソし使えるものを出し、最後にコンロらしきものの前に立つ。

立ったまでは良かったが


「どうやって火をつけるの?」


キョロキョロ目線を動かすが、火をつけるツマミらしきものが見当たらない。


「詰んだ…」


衣食住の食と住を見つけても、生で食べられるのはトマトくらい。

火を通さないと温かいご飯は食べられない。


「助けてステータスぅぅぅ」


助けてド○えも〜○みたいに言うリア。

しかしここまでずっと無表情のままだ。

リアは表情が変わることはない。

そう訓練されたからであるが中身はどこにでもいる女の子だ。

まぁ、それを知るのはまだ先のことーーー

リアが呟いたと同時にブォンと画面が出てくる。


【名前】  リア

【年齢】  21歳

【レベル】 1

【スキル】 通販召喚


と、かかれていた。


「通販召喚???」


何それ?

通販ってあの通販??

不思議に思いながら通販召喚の文字をなぞろうと画面に触れた瞬間、また画面が変わる。


「!?」


画面を見るとリアは驚いた。


「こ、これは!」


画面に映し出しているのはネットショッピングの画面と似たものだった。


何があるのか指で操作しながら見ていくと、お肉や野菜、パンや米、飲み物やお菓子、歯ブラシやシャンプーや洗剤まで日本で見慣れたものばかり。


日本食が大好きなリアにとっては最高なものばかりだった。

一つ残念なのは服がなかったこと。

服の代わりに見慣れないものがあった。


「魔石?」


火魔石、水魔石、光魔石と書かれ、ダイヤ型♢の形をした画像があった。

火魔石は赤色をし、水魔石は青色、光魔石は白色をしている。

取り敢えず、火魔石を押してみる。


・火魔石

主に料理をする時に使う魔石。

これをコンロに嵌めて数秒経ってから、魔石に手を触れると火がつく。

また火を止めたい時はもう1度魔石に触れる。

火加減は魔石に触れながら思い浮かべればその火力になる。


水魔石は思った通り水が出る魔石で使い方も火魔石と同じだった。


気になったのは光魔石。

開いてみるとこう書かれている。


・光魔石

この魔石をはめると明かりが灯る。

壁に嵌め込むスペースが部屋ごとにある。

触れれば明かりが灯る。

と書かれていた。


「うん、ご丁寧に説明ありがとう」


うちの子(ステータス画面)優秀すぎない?

と思いながら必要なものをポチポチしていく。


「お金持ってないけど購入できるのかな?」 


ふと、購入画面まできて考える。

思いとどまるがスキルで出てきたし、うちの子が教えてくれたんだからと思い直し購入画面を押す。



そしてドサッとダンボールが出てきた。

リアは驚いて段ボールの中身を確認すると、注文したものが入っていた。

次にまだ消えていないステータス画面を見る。


『ご購入ありがとうございまぁ〜す!

 通販召喚の使い方もわかったみたいだし、今回はプレゼントしま〜す(๑>◡<๑)

 今度購入する時は、この世界のお金をチャージして買ってね♪

 服はまた今度って事で!

 またのご利用お待ちしておりま〜す♡


ps.残った食材や荷物になるものは容量&サイズ無制限の収納空間の中にしまって置けるよ( ´∀`)

この世界のお金が手に入るまで食材がなくならないように注文したもの以外で沢山の食材や飲料水、必要そうなものは収納空間にしまっておいたから使ってね!

腐ったり賞味期限切れはないから安心して♪

手を突っ込んで欲しい物を思い浮かべてね(´ε` )

材料の在庫は画面に出てくるよん♪』


なんだろう、凄く軽い。

何故顔文字まである?

そして、これを送ってる人は誰?


…うん、ここ異世界ですもんね。

なんでもアリと言うことにしておきましょう。

深く考えるのはやめようと思います。



何も無かったことにして光魔石を持ち嵌め込む場所を探す。

見つけたあと魔石を嵌め込むと灯がついたと同時にライトの灯りが消える。


もう突っ込むのも深く考える事もやめたリアは気にせず汗だくのシャツと下着を洗剤を入れて洗う。


そうなると今のリアは裸の姿?と思ったそこのあなた。

勘違いしないでくださいね。

タオルをちゃんと巻いています。

タオルまで用意してくれた通販召喚に感謝だが、タオルがあるなら服も用意してくれと一瞬思ったのは内緒。


現代で便利だったあの洗濯機など家の中に存在せず手洗いで頑張るリア。

流石に汗だくのまま同じ服を着続ける精神はない。


こんな時間に洗っても朝には乾くはず。

洗濯を終え、次にご飯の準備をした。



ーーーーーーーーーーーーーーーー




「はぁ〜満腹です」


満たされたお腹をさするリア。

この後お風呂に入って寝るのが1番の流れなのだが、お風呂というものがない。


「お風呂入りたいけど、お風呂なんてないし眠くなってきたな…」


疲れと満腹で睡魔が襲い、テーブルの上で眠りについた。

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