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【マキside】

「ちょっと!私はフラペチーノが飲みたいって言ったのよ!何よこれ!ただの紅茶じゃない!早くたっぷりホイップクリームを乗せたやつ持ってきなさい!」


「す、すみません…で、ですがマキ様、フラペチーノ?とはどういうものか分からないので教えていただきませんと…っ!」


「うるさいわね!」


中身の入ったティーカップをメイドに投げる。


「し、失礼しました」


「いいから、早く持ってきなさい」


「は、はい」


メイドは慌てて部屋を出ていく。


なんなのよ!

ここは王城よ?

なんでも手に入るでしょ?

なら、すぐ私が求めているものを持ってきなさいよ!

この世界に来てどのくらい経ったかしら?

そんなに経ってないはずだが、毎日王城にいると分からなくなる。


あの日ナンパ待ちしながらブラブラしてると、いきなりこの世界に召喚された。

最初は異世界とか面白そうじゃんって思ったけど、ここの料理は美味しくないし、飲み物もまともに持ってこれないなんて!

王子達はイケメンだから満足してるけど、他は不満だらけよ!


「ロジーヌ以外出ていきなさい」


私が投げたティーカップを片付け、床を拭いていたロジーヌは体を震わせた。

他のメイドはそそくさと部屋を出ていく。

この鬱憤をロジーヌで憂さ晴らししないとね。


「今日もあなたと遊べて嬉しいわ、ロジーヌ」


この世界のドレスは動きにくくて足が使えないから、デニスから貰った鞭を使う。


「あんたのトロさとその顔を見るとイライラして遊びたくなっちゃうのよね〜」


鞭を振り上げては勢いよく振り下ろすを繰り返す。


「ねぇ、もっと痛そうに顔を歪めなさいよ!やめてと喚きなさい!見っともない姿を見せなさいよ!」


何度も鞭で痛めつると息が上がる。

ロジーヌは目をきつく瞑り、助けを求める事も許しを乞う事も喚く事もない。

それが余計イラつく…

もっとイジメてやりたい、泣き叫び私に縋る姿を早く見せなさいよ!


「や、やめて」


どのくらいロジーヌを痛めつけただろうか。


ロジーヌがやっと言葉を発した。


「は?聞こえないんだけど?」


「もう、やめて」


「私にタメ語で話していいなんて言ってないでしょ!敬語を使いなさいよ!」


敬語じゃない事に、またイラつき鞭を打つ。


「っ!…や、やめて、ください」


「お願いしますは?」


「ふぅっ…お、お願いします…うぅっ」


泣きながらお願いするロジーヌ。

しかしマキはニヤリと笑って、ロジーヌに鞭を打ち続けた。





「ふん!今日はここまでにするわ。これからも一緒に遊びましょうね」


ロジーヌを見下ろして不敵に笑う。


「早く出て行きなさい。あと喉乾いたから冷たいもの持ってきて」


ロジーヌはその言葉を聞いて起き上がり、ゆっくりと体を庇うように歩き部屋を出る。


「他にもっと楽しい事ないのかしら。そろそろ飽きたわ。カラオケやボーリング行きたいなぁ〜」


そう言えば、一緒に召喚されたあの女死んでるかしら?

あの女の生意気な顔もイラつくけど、あいつを痛めつけても面白くなさそうだなって思ったからロジーヌがいてくれて良かった。


しかし、最初は泣いて縋ってたロジーヌも最近じゃ反応が悪く少しつまらない。

ロジーヌの他にオモチャを見つけようか?

いや、ずっと鞭だったから他で遊べばいいのか!

今度は違う方法でロジーヌと遊んであげましょう。

マキは怪しく笑った。


それと同時にノック音が聞こえ、ロジーヌじゃないメイドが飲み物を持ってきた。

この女…確かマイエッテだったかしら?

飲み物を飲んで、声をかける。


「ねぇあなた」


「…はい」


「あなたに手伝って欲しいことがあるんだけど」


「私にですか?」


「えぇ、あなたにしかできないことよ。あなたもきっと好きだと思うの」


「?」


メイドの耳に顔を近づけて小さい声でコソコソと話す。

話を聞くうちにニヤニヤし出すメイド。


やっぱりこの子はそういう子よね。

っと私はほくそ笑む。


話し終えると再び扉のノック音がし、「どうぞ」と答えた。


入ってきたのは宰相のデニスだった。

メイドに「よろしくね」と声を掛けるとお辞儀をし出ていった。


「お邪魔でしたか?」


デニスは私に近づきながら尋ねてきた。


「いいえ、大丈夫よ」


先ほどとは顔つきが別人のように変わり、ニコリと微笑む。


「それは良かったです。この後お時間は?」


「何もないから安心して」


「じゃあ…」

デニスはマキの腰に手を当てグイッと自分の方に引き寄せる。


「楽しみませんか?」


マキの耳横に顔を近づかせ色っぽい声で囁いた。


「いいわよ」


心臓をドキドキさせながらマキは余裕があるフリをして、クスクス笑いながら答える。


「あなたも悪い人ですね」


「どこが?」


素知らぬふりをして首を傾げる。

そんなマキを見て、デニスはマキの首筋にキスをする。


「ロレンツ様の婚約者だと言うのに」


「そう言うあなたも、じゃないかしら?それとも止める?」


「ご冗談を。マキ様は私もいないとダメでしょう?」


マキの首や胸元にキスをし続けて会話をする。


「ベッドがいいですか?それとも…?」


デニスの手がマキの胸に伸びる。


「クスクス。デニスの好きな場所で」


「では、あの部屋に行きましょう。1週間ほど経っているのでマキ様も欲しいでしょう?」


デニスの言葉でマキの頬が少し紅潮する。


「今日も可愛がってあげますよ、お姫様」


デニスは顔を上げ、マキの顔に近づける。

2人はキスをした後、移動した。

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