無題3
どうやら僕の意識する境界と、彼らの意識する境界は別物だったらしい。
彼らは正義という無慈悲かつ傲慢な剣を掲げて踏み入ってきた。
皮肉にも、私は今日「歴史主義」という概念を知った。
「言葉は正しい経験によって習得されるべきだ」という概念だ。(もしかしたら違うかもしれない)
彼らは歴史主義を嫌うらしい。
広大な知識の海がもたらす一滴の澄んだ叡智は、彼らには泥水だったらしい。
無遠慮かつ尊大に境目を踏み越え、あまつさえ断罪しようとしてきた。
それがまかり通るのが腹立たしい。
私は、箱詰めされた新品の電化製品になるしかなさそうだ。
そこまでするだけの価値があの場所に残っているからそうするのだ。
私は自分のためだけに価値を吸い取るだけだ。その感情が全てだ。
私という、ピカピカに色を塗りなおしたモノは、悪意によって壊されるかもしれない。
その時は破片をまき散らして去るのみだ。
私は大人になるべきだ。しかし、大人にさせてくれない人間が存在するのも事実。
そんな人間がいるなら私にはどうしようもない。
私は酒が好きだ。酔って歌うのが好きだ。酔って思うが儘喋るのが好きだ。酔って世界が溶けるのが好きだ。
しかし、正義がもたらす美酒が私の喉を通ることはないだろう。
なぜなら、私はそれを一番嫌悪するからだ。おそらく飲んだ瞬間にすべての細胞が拒否するだろう。
だが、この感情が生み出してくれる文章を私は尊ぶ。
これは私にとっては、煮え湯であると同時に美酒でもある。
どうせなら酔わせてくれ。