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サイレンが鳴って

サイレンが鳴って-2-


「……つ、付き合う?」


須ノ川は膝に手を付いて、中腰の姿勢で俺をじっと見ていた。


頬を林檎のように赤らめて、はぁ……はぁ、と息を弾ませている。


その吐息は、甘ったるい風となって、俺の鼻先をくすぐった。


「だめ……かな?」


須ノ川は首を傾げながら、俺に問いかける。


胸元から覗く、ピンク色のブラジャーが見えて、俺は思わず目を逸らした。


「お、お前、頭がおかしいんじゃないか?」


「そうかもしれないね。自分でも異常な方だという自覚がある」


須ノ川は俺の暴言に、全く狼狽えたりはしなかった。


(須ノ川と話したことなんて、今まで一度も無かったのに)


足元には俺が殺した佐々木の死体が転がっている。


(どうして、こいつはこんな時にそんなややこしいことを言うんだよ)


……初めて人を殺した日と、初めて女の子に告白された日が一緒だなんて。


俺は自身の不運を嘆いた。


「さあ、どうするの高橋君。私と付き合ってくれるの?……女の子からこういうことを言い出すのはとても恥ずかしいことなんだよ」


須ノ川は目を逸らさない。俺は前を向けないままにいた。


「分かんねぇよ。なんで、須ノ川が俺なんかと付き合いたいんだよ」


「だって、高橋君がとっても魅力的だからだよ。私に無いものを沢山持っている」


須ノ川の言葉に俺はカチンときた。



「そんなわけないだろ。お前は何でも持ってるじゃないか!」







サイレンが鳴って-2- -終-








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