取り引き
俺達は魔女の館にの応接間に通された。壁にはドクロ、生首、蝙蝠の剥製、ヤモリの燻製等が飾られている。実際に使う訳では無い。ただ単にサマンサの趣味だ。テーブルの上にはコーヒーカップが三つ。中身は茶色いがコーヒーの匂いはしない。何か硫黄みたいな刺激臭がただよってくる。なにか目玉みたいな物が浮かんでいるが見なかった事にしよう。
俺は早速切り出した。
「実は惑星サルドスにトレジャーハントに行く事になってね。サムにアドバイスを求めに来たんだよ」俺は愛想笑いを浮かべた。
「惑星サルドスね、あそこは危険よ。惑星に住む生物は姿が一定でないわ。
相対する生物の感情に反応して姿形をかえるのよ。そして行動も」
「彼らはあそこに存在しているけど存在していないのよ。生きているけど死んでるのよ」
俺は目眩がした。
「お釈迦様が言った言葉とか、素粒子論を思い出したんだがそういう事か?」
サマンサはニッコリと笑いながら
「まー3次元の存在の人間には理解しづらいかしら。とにかく惑星サルドスに到着したら、惑星の生物には一切攻撃したらだめよ。敵意を持ってもだめ。恐れてもだめ。ネガティブな思考は即、死に繋がるわ。」
「どういう事だ?」
「彼らに敵意を持てば彼らも敵意をもって返す。恐れれば恐れる程襲ってくるわ」
俺は腕組みして考えた。
「サム、お前なら最善の方法知ってるんだろ?頼むよ」
俺はぎこちなくウインクした。
サムは机の中から4本の茸を取り出した。真っ赤な傘の色。どう見ても毒茸だ。
「このキノコを持って行きなさい。これを食べてしばらくすると恐怖、悲しみ等のネガティブな感情は起きなくなるわ。常に愉快に笑っていられるわ」
「ワライタケの一種か?」
「そうね、似たものよ。でも効果はすごいわ。この惑星以外では手に入らない代物よ」
「いくらだ?」
「4本で400万でいいわよ」
「おい、俺からボッタクルのかよ。勘弁してくれ」
「それよりバイソン、パイレーツ・オブ・エイリアンのキャプテン・チャップ・ナメロウが貴方の命を狙ってるらしいわよ」
「あいつが狙っていたハイカラストーンを俺がさきに頂戴したから、まだ根に持っているのかよ。まぁ俺はあれで3000万程儲かったけどな」
「私が間に入って取りなしてあげるわ。料金は5000万よ」
「ご、ご、ご、ご、ご、ごじ?じゃなくて5000万?ふざけんな!そんな大金
持っているわけないだろ!」
「魔女の情報網をなめないでね。貴方が今回の仕事で一億手に入れる事は知ってるわ。貴方の命の値段5000万、高いかしら?」
俺は
脂汗を流しながら承知した。
「だが今は金が無い。仕事が上手く終ってからの後払いでいいか?」
「分かったわ。取り合えず上着の中の金貨は置いていってもらうわね。」
俺とジョニーはキノコをしまい肩を落として出て行った。




