ミラー惑星サルドス
い、い、い、一億だってーー!!!
俺はドキドキした。
「アップカーナームお前何をたくらんでいる?たかがトレジャーハンターに一億だと。冗談なら止めてくれ」
「バイソンよ、冗談では無い。この依頼は生きて帰れる保証は無い。そして低レベルのトレジャーハンターには任せられるような事では無い。わしはバイソン、お前しか出来ないと思いここに呼んだのじゃ」
「失われたアーツ それはわしが長年探し続けていたオーパーツなのじゃよ」
「ミラー惑星サルドスに行って帰ってきた者は半分だろ?無事帰ってきた者たちも自殺したり行方不明になったり頭がおかしくなったりと、ろくな話しを聞かない。あるトレジャーハンターが惑星サルドスから帰ってきたが、コロニーの検疫所で暴れた事件を憶えているか?その男が手に握りしめていたガラスの小瓶。
その中には一匹のハエが入っていた。そのハエは頭部が人間のものだった。」
賢者アップカーナームは俺のことを見つめていた。
「はっきり言って誰も行きたがらない。だからバイソン、お前の出番じゃ。
今までも誰も成し遂げられないと思われた案件もお前は達成した。サイボーグのお前しか出来ない」
一億か・・・こんなチャンスは滅多にあるもんじゃない。
俺は話しに乗った。
「失われたアーツの事を教えてくれ」
「失われたアーツは縦横高さ1メートルの直方体で色は灰色。
表面に猿と牛の彫刻が施されている。猿は神の化身、牛は神の乗り物と云われている。箱は決して開けるな。開けると死ぬ」
「その失われたアーツはサルドスの何処にあるんだ?」
「惑星サルドスの一番大きな大陸の中心部に神殿がある。おそらくそこにあるはずじゃ」
「分かった、前金で2000貰えたら行くよ」
賢者アップカーナームは机の引きだしから革の巾着袋を取りだし俺の前に置いた。ずっしりと重そうだ。
「金貨100枚、つまり1000万じゃ。残り9000は成功報酬という事でいいかの?」
俺は渋々承諾した。