ジュリア・バッカス
ただ今俺は休暇を楽しんでいる。まぁ部屋でゴロゴロしているだけだが。
やる気が出ない。こういう時はノンビリしよう。俺は古いアルバムを出し昔の写真を見ていた。10年前の写真だ。そこには可愛い女の子がこっちを見て微笑んでいた。
「アニキ、お人形みたいに可愛い子ですね」
ジョニーがアルバムを覗き込みながら話しかけてきた。
「10年前の写真だ。この子はジュリア・バッカスこの時は14歳だ。色白で目が大きく鼻と口が小さい。顎が細い。お前好みだろ?」
俺はニヤッと笑った。
「10年前で14って事は今24歳ですね。さぞかし美人になってるだろうなー」
俺はアルバムのページをめくった。
「ほら2年前の写真だ。美人だろ?」
「すっごい美人です!!アニキとどういう関係なんですか?」
「ロバート・バッカス少佐の娘だ。軍に所属してたあの頃、一時期少佐の家に居候してた事があってな、ジュリアとはよく遊んでやったもんだ。この写真は遊園地で撮った物だ。お化け屋敷に一緒に入ったんだがお化けが怖いと泣き出してな。なだめるのに苦労したよ。結局ワタアメを買ってやったら泣き止んだけどな。」
「2年前まではたまにここで俺の仕事の手伝いをしてくれてた。パソコンのデータ整理とか掃除、洗濯、買い物とかな。よくお礼に酒場エークドゥティンで飯とか酒とか奢ってやったよ。バッカス少佐の血をひいたのか、酒が強くてなー。俺と同じだけ飲んでもケロッとしてた」
「アニキと同じくらい飲むなんて酒豪ですねー!ジュリアちゃんは今なにしているんですか?」
ジョニーは何か落ち着かない様子で俺に聞いてきた。
「今はここからそう遠く無い生体科学技術研究所で働いているよ。なんでも今は人工生命体の開発に成功し、他の生物と融合してキメラを作る研究にたずさわってるらしい」
「アニキ!今からジュリアちゃんに会いに行きましょうよ!俺写真見て一目惚れしちゃたみたい!!」