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夏生詩集3

大人

作者: 夏生

いま言わなければ

いま伝えなければ

追い込むほど言葉は遠くへ

逃げていく


言わなければ、は

冷や汗を流して

震えていた


言わなければ、を

分解したら

言いたくない

逃げたい避けたい

四方に向かって飛び出した


震える手で

拾い集めて両腕に隠して

作り置きの笑顔をはめて


それができることが

大人なのだと

横切る背中がつぶやいた


ああ、大人!

自分を押し込む

矢表に立つ

震えながら大丈夫と笑う


生きて来た時の数で

推し量られるものは

見えるもの


見えるもの

だけではないと

知っていること

見えないものが

見えるまで

待てること


人の

いま言わなければ

いま伝えなければ

冷や汗が見えること


焦らないで

大丈夫だから

微笑むことが

できる人が

大人

なのだろう


道のりは

遠く

成就待ちの

希望

増えるばかり



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