214年8月22日
214年8月22日 雨 金
朝起きて窓の外を見ると雨が降っていた。でもやるべきことはしなければならない。
朝起きて日課の食器とタライを綺麗にする。
今日のような日に狙って雨を降らさなくても良いのにと思うが、別に神様が狙って雨にしたわけでもない。
とはいえ今日、私たちは仕事に行く。
魔石を回収する仕事。
昨日ご主人様から色々と教えてもらったが、正直言ってわからない。
魔物の存在を聞いたことはあるが、実際に見たことはない。
魔石も、魔石を加工した製品は見たことあるが、原石は見たことが無い。
銀はわくわくしているが、私たちがそう簡単にお金がもらえる仕事ができるとは思えない。
なにせ私たちはまだ7歳。
自分たちで生きていけるほど強くはない。
ご主人様が起きた。
地下迷宮に行く準備をしておけと言われ、ご飯を取りに行った。
私たちは一緒買われたいつもの服を着て、背負い袋と腰にナイフと短剣をさすだけ、用意なんてする事はほとんどない。
いつものように床に正座して足を舐めてから食べる。食べ終わったまた足を舐めた。
ついて来いと言われて、ついて歩いた。
十分程歩いてあるお店にご主人様が入った、私たちも入る。
看板に居酒屋モグリと書いてあった。
ご主人様はここを待ち合わせの場所にしていたようで、来た時に二人、後で二人の五人パーティーのようだ。
ご主人様達は打ち合わせか何かをしていて、動かない。待つしかない。
奴隷も私たち以外に一人いた。
太った男が連れてきた男の子。
この子は見たことがある。でも見たことが無いとしか書けない。
金と銀を売った商人の所にいた。
でもこんなに痩せてなかった。
ついこの前までは左手があった。
何も見てない。
ご主人様達が移動する、金と銀もついて行った。
地面がくぼんでいて洞窟になっていた。ここから地下迷宮だそうだ。
生きて銀と戻りたい。
何とか生きている。銀も生きる。
地下迷宮は怖い、銀がはしゃいでたのが嘘のように震えてる。今も震えてる。私も震えてるうまく書けない。
洞窟の中は、洞窟なのに草原になっていて所々大きな空間になってて、空があった。
中では犬も鳥もみんな敵だった。ご主人様達は敵を殺した。
金と銀は怖かったけど、死にたくないから石を拾った。
短剣なんて一回も使わなかった。拾うだけ、必死で無我夢中で拾った。
途中ご主人様の壁の魔術に何度も助けられた、怒られた。
奴隷の男の子はその子のご主人様に殴られて、蹴られて、殺された。
太った人、笑ってた。
使えない。
アイガスはゴミをよこした。
そういってた。
男の子、ふらつきながら歩いていたから、殴られた。
石を上手く拾えなかったから。蹴られてた。
立ち上がれなくなったから。
斧で頭がなくなった。
帰りにご主人様が太った人に、金か銀を売れと言っていた。銀紙五枚で。
ご主人様は断っていた。
宿で隅で、震えて書いてる。
ご主人様がご飯を持ってきて、今日は舐めなるな、無理矢理でも食えと命令した。
食べて吐いて食べた。
食べて寝て生きてろと言われた。
生きるよ、銀。あんな風になるのだけは嫌。
銀、金も怖い。何もかもが怖い。