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第二章 - 3

自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓

http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64317057.html

 着替えを終え(流石に今回は覗いてこなかった)、次は三限、英語だ。

 担当は担任の教師だ。毎週のことだが、体育の後にこの先生はきついなぁ……。

「ZZZ……」

 美咲はもう寝てるし。

 良助は……、内職の準備をしている。いくら甘いからってダメだろう……。

「はーい、授業始めるよー。日直さーん?」

 日直……って美波じゃん。

「美波~、日直お前だろ~」

 横の席のやつが美波を起こす。

「うにゃ……? あ、やば」

「丘咲さん、明日も日直お願いしますね?」

「う、はーい……」

「じゃあ号令お願いします」

「きりーつ、きをつけー、れいー」

 一限とは打って変わって間延びした号令をかける美波。先生は特に気にしていないようだ。

 そのまま問題なく授業が進んでいく。

 ちょうど、新しいところに入ったので、先生に当てられた人が本文を読んでいく。

 今当てられているのは良助だ。

「あいねばーぐらじゅえいてっどふろむかれっじ。……」

 正直酷い。棒読みとかいうレベルを超えている。

(どうしたらあんな風に読めるんでしょう……?)

(言っておくが、お前も結構酷いからな?)

 真奈は勉強できるが、英語の音読は全くだ。今の良助と大差ない。

「ふぁーもあーいんたれすてぃんぐ。あい……」

「あーはい、池波君ありがとう」

 他の人が読んだ量の三分の一くらいで切られた。当の良助はほっとしてるが。

「じゃあ次は……、島崎さんお願いします」

「はい。I decided to take a calligraphy class,……」

 雪乃の英語はとても綺麗だ。まるでネイティブみたい。

 小さい頃から英会話教室に通っているらしい。

長期休暇にはよくアメリカやイギリスに行っているんだとか。

ちなみに、俺と美波は普通くらいだ。要するにとりあえず伝わるレベルってこと。

あ、美波はまた寝ている。


英語も終わり、次は四限、化学だ。

今日は実験なので、白衣を着て化学実験室へ。

(今日の実験は何でしょう?)

(うーん、なんだろう)

 修学旅行の前にやってたことから考えると……、電気分解かな?

(と、実験なんだから悪戯するなよ)

(流石にしませんよー。それくらいの分別はつきますぅ)

(ならいいんだが……)

 実験室に着き、自分の席へ。

 班は良助と一緒だ。

 先生が来て、授業開始。やはり電気分解の実験だった。

「危険な溶液とか使うからふざけるなよー」

 先生が注意を呼びかけている。

 が、そんなことを一切聞いていないアホが二人。

「よし、この溶液とこの溶液を混ぜてみるか……」

(良助君が溶液を混ぜている時に背中をつんつんしてみれば……)

 はぁ……、全く。同じ班の残りのやつは良助を止められなさそうなので、俺がなんとかするか。

「良助、先生の話し聞いてたか?」

「ん? ああ、聞いてたぞ?」

「じゃあなぜ混ぜようとしてるんだ……?」

 ちょっと睨みながら問う。

「……じょ、冗談だよ、冗談」

 「えへへ……」と笑いながら混ぜようとしていた手を止める。

 と、そんな良助の背中に「えーい」とか言いながら手を突っ込むアホメイドが。

「うわっ!?」

 それを感じてしまったのか、驚いた良助が溶液を持っていた手を放してしまう。

「あ」

 パリィン シュー

 溶液を入れていたガラスが割れ、何らかの反応が起きたのか煙が発生。

「おいっ! 何やってる!?」

「池波が溶液落としましたー」

「とりあえずみんな廊下に避難しろ!」

「わー」とか「きゃー」とか叫びながら廊下に避難。その間に先生がなんとかして処理したようだ。

「池波、ちょっと準備室に来い」

「は、はい……」

 先生の超低い声にびびりながら、その後をついていく良助。

 その後、準備室から怒鳴り声が聞こえたのは言うまでもない。

(良助君かわいそう……)

(誰のせいだ、アホ。あれほど悪戯するなって言ったよな?)

(う~、だって暇なんだもん)

(家に帰ったら遊んでやるから学校にいる間くらい我慢してくれ)

(はーい)

 そのまま授業は自習に。

 授業終わりのチャイムが鳴る数分前に、良助は戻ってきた……。


 待ちに待った昼食の時間。

 俺たちはいつも教卓前の俺と真奈の席の近くに集まって食事をする。

「今日は散々な日だ……」

「まーまー落としただけならしょうがないさ。混ぜてたらもっと怒られてたんだろうし、永志に感謝しな」

「すまん、永志」

「全くだ……」

「でも、怪我しなくてよかったね」

「確かに」

 他愛のない雑談をしながら食事をしていく。

 いつもはここに真奈もいて……。

「真奈ちゃん、早く戻ってくるといいな」

「だな。一人いないだけでこんなに寂しいとは……」

「永志、いつ戻ってくるかわかんないの?」

「あ、ああ……」

 ふと、真奈の方を向くと、こちらに背を向けていた。

 ちょっと肩が震えている。

「……、大丈夫。すぐ、戻ってくるから」

「そうだよな! じゃあさ、真奈が戻ってきたら迎えてやろうぜ!」

「いいね! カラオケでも行く?」

「だな! 永志も雪乃もいいよな?」

「私は大丈夫だよ」

「ああ」

「よし、じゃあ決まりだ! 永志、真奈が戻ってきたら真っ先に教えろよ!」

「わかった」

 本当に……いい友人たちだ。事故の時、飛行機の残骸の下敷きになっていた真奈に「うちなんかに来てごめん」なんて思った自分があほらしくなる。

(えぐっ、うぅ……)

 今の友人達の話を聞いて、ついに泣き出してしまった。

(よかったな、いい友人がいて)

(えぐっ、うん……)


今後の作品の参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!

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