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第二章 - 2

自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓

http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64304868.html

 二時間目は体育だ。

 もちろん、男女で分かれて着替える。

「壁際で着替えるから入ってくんなよ!」

「は~い」

 家での風呂ほどではないが、やはり着替えを見られるのはまずいだろう。しかも今は他の生徒もいる。

 まぁどうせ真奈が見たいのは俺だけだろうが。変態メイドが。

 更衣室に入り、壁際で着替える。

「おい永志、なんでそんなところで着替えてるんだ?」

 良助が訊いてきた。いつもは窓側で着替えてるからな……。

「き、今日はそういう気分なんだよ」

「? そうか。じゃあ俺もそっちで着替えるか」

 良助がこっちにやってきた。パンツ一丁で。

「お前、そこまで脱いだなら着替えちゃえよ……」

「気にすんなって」

 そう言いながら体育着を着ていく良助。

 さて、俺も着替えるか……。

(くふふふふ……)

「!?」

 声が聞こえた方を見るとそこには壁しかなかった。

 でも今のは確かに真奈の声……。

「どうした?」

「……いや、何でもない」

 着替えを続行。

(あ、あぁっ!)

「……」

 もう一度壁の方を向くと、壁から真奈が顔を出していた。

 そうだった。壁抜けられるって言ってたな……。

 さっきは振り向く前に隠れたみたいだが、今は興奮しすぎて隠れるのを忘れたようだ。

 さっと着替えて廊下へ。

 そしてそのまま人のいない北階段へ。

「覗くなって言ったよな?」

「くふふふふ」

 まだ興奮してる。

「おい変態メイド、成仏させるぞ?」

「くふふ……、はっ!? 永志さま、何か!?」

「次覗いたら、不死身婆さんに頼んであらゆる手を使って成仏させるぞ?」

「あう……、ごめんなさい」

 しゅんとしてるが、多分反省はしてない。

 授業まで時間がないからもういいや。

 教室に行ってロッカーから体育館履きを出し、良助と合流し体育館へ。

「永志、さっきから変じゃないか?」

「え……。あぁ、ちょっといろいろあってね」

 今もすぐ後ろにその「いろいろ」が良助に悪戯をしようと狙っているが、俺の目があるので出来なくて、わざとらしい作り笑顔を浮かべている。

「ふーん。まぁもし発狂したら俺と美波で止めるから安心しろ!」

「発狂って……」

 そうこう言っているうちに体育館に着いた。

 この学校の体育館はかなり大きく、バレーのコートを六面はれる。

 そのため、男女一緒に体育をする。

 と言っても、ほとんどの人が小学校時代から一緒にいるので今更異性の体を見てどうこうってのはあまりない。

「うひょー、やっぱりおとなしく見えて雪乃エロい体してるなぁ」

 ……ない、とは言い切れないな。

 横の良助が雪乃を見て毎度の感想を漏らす。

「その感想何度目だよ……。しかもお前は二次元好きじゃ」

「何を言う! 三次元でもエロいのはエロ……」

 がすっ

 突如横にいた良助が吹っ飛んだ。

「死ね変態オタク野郎!」

 どうやらさっきの良助の言葉を聞いていた美咲がキレて良助をぶん殴ったようだ。

 まあこれもいつものことで。

(変わらないですね~)

(一週間やそこらじゃ変わらないだろ)

(ですよね……)

 自分がいなくても変わらないことを気にしているのだろうか?

(みんなお前がまだ生きてると思ってるから変わらないんだぞ?)

(!)

 俺は真奈が何か言う前に良助を助けに向かった。

 体操を終え、先生から今日の競技が発表される。

 光明学園の体育は、高校生から毎週ランダムで行う競技が変わる。

 ほとんど、中学生までに習ったものなのでやり方はだいたいわかる。

 今週は……ドッチボール!? 小学生かよ。

 まぁその「ランダム」の中になぜか含まれてしまっているから仕方ない。

 それにみんなブーブー言ってるが、久々だから、だいたいみんな十分もしないうちに熱くなるだろう。

 好きな人同士でチームを組み、六つに分かれ総当たりで試合を行う。一クラス四十五人いないくらいなので一チーム七人くらいだ。

 ルールは外野付きのもの。

 俺のチームは良助、美波、雪乃ほか仲のいい連中だ。

「よーし、全勝するぞ!」

 運動大好き美波が掛け声をかける。

「おー」

 他のメンバーはまだやる気が出ず、気の抜けた声を出す。

 まずはそこまで運動部がいないチームだ。

 試合開始のジャンプボール。こっちは美波、相手はそれなりに身長のある男子だ。

「はっ」

 規格外の跳躍力を見せた美波が数十センチもの身長差を軽々超え、ボールを確保。

 そしてそこからは彼女の独壇場だった。

「おりゃ」「とう」「やっ」

美波がボールを投げれば必ず当たる。

結果、即終了。完全試合だった。

「えげつないな……」

「流石だね……美波ちゃん」

「へっへーん。まずは一勝! どんどん行くよ!」

 次の試合も、その次の試合も、さらに次の試合もほぼ美波の独壇場だった。

 おかしいな……。それなりに運動部のやつもいて、「妥当美波」とか言って熱くなっていたはずなんだが……。

 そして最終戦。

 同じく全勝の運動部が固まったチームが相手だ。

 試合開始のジャンプボール。相手は他のチーム以上に妥当美波を掲げ、クラスで一番身長が高く運動も出来るやつを出してきた。

「ふーん。相手はやる気満々なのね。じゃあこっちもやるわよ」

「かかってこい丘咲美波!」

 試合開始の笛が鳴ると共に、美波が今まで以上のジャンプを見せる。

「はぁ!?」

 そのまま飛んでいけるんじゃないかってくらいの跳躍。

 美波が勝ち取ったボールを受け取った良助は、地面に着地した美波にさっと渡してそれを美波がすぐ投げる。まず一人アウト。

(相変わらず息ぴったりですね、あの二人)

(ホント、すごいわ)

 二人曰く、小学校のころからすでにこのコンビプレーは完成していたらしい。

 それを何度も見ているはずなのに、相手はかわせない。

 もうプロになれよ。

 それから試合は進み、相手チームは残り二人。こちらは良助と雪乃が当たってしまい、内野にいるのは俺と美波ともう一人の三人だ。

「やぁ!」

「きゃあ!」

 残っていたもう一人が当たってしまった。これで二対二。

 しかもボールをとれず相手の外野に。

美波一人にするためか俺を集中攻撃してきた。

「くっ」

 危ない。今のボールはスレスレだった。

 すぐに次のボールが来る。

「うわっ」

 何とかかわせた。が、

「あっ……」

 ちょっと油断していた美波がそのボールに当たってしまう。

「しまった!」

「よし、これであと永志一人だ! 勝てるぞ!」

 まずい。美波が残ればまだ勝ち目はあるが俺じゃ……。

しかも、美波が当たったことに気を取られてボールがまた相手コートにいってしまった。

 俺を狙って飛んでくるボール。かわすのに精一杯でボールを取るなんて出来ない。

「やべっ」

 かわした時足を絡めてしまい転んでしまった。

「チャンスだ!」「永志っ!」

(左に転がって!)

 とっさに声が聞こえた通りに動いた。

 さっきまで俺がいたところをボールが通る。

(真奈か!?)

(そうです! いいから今度は頭を下げて!)

 頭を下げると頭上をボールが通っていく。

「永志君すごい……」

「なんだあいつ!? 後ろに目でもついてるんじゃないか!?」

(相手がムキになってきてます。チャンスですよ!)

(よしっ!)

 そこから何度かかわして堪えていると、ムキになった相手が下手くそなボールを投げてきた。全く意味のないところでバウンドするボールだ。

「よっしゃ!」

 ワンバウンドすればもう当たろうが関係ない。

 若干無理な体勢だったがボールを確保し、外野の美波へ。

「ありがと、永志! くらええええええええええええ!」

「ぐはっ」「何!?」

 ピー 試合終了

 何が起きたのかはよくわからなかったが、一投で二人を当てたらしい。

 ホントに規格外だな……。

今後の作品の参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!

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