第四章 - 2
自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓
http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64375706.html
それから昼食が済み、まだ少し時間があったので後輩を交換してお話。
まずは上谷君と下山君だ。
「夢月先輩ってあの『ドリームーン』の社長の息子なんですよね?」
「ああ、そうだよ」
「将来はやっぱり社長に?」
「そのつもりだよ。でも、俺がそんな大企業の社長になれる器か心配で……」
「先輩は充分素質あると思います! 今日も、密かにみんなを引っ張って行ってくれてるじゃないですか」
「そんなつもりはないんだが……」
「自覚せずに出来るなんてもっとすごいじゃないですか!」
「そ、そうかな……?」
続いて、小池さん。
「率直に訊いていいですか?」
「俺に答えられることなら何でもいいぞ」
「先輩って、丘咲先輩と島崎先輩、どちらが好みですか!?」
「ぶっ」
ストレートだなぁ。
「あーえっと……」
すぐ後ろに真奈がいる分すごく答えづらい。
「美波はとても元気でいつもみんなに笑顔を与えてくれる……。雪乃はおとなしくて清楚で綺麗……。俺じゃ選べないな」
「なるほど。参考になりました!」
「え、うん。どういたしまして……?」
何の参考だ?
最後は大川さん。
「夢月先輩と池波先輩っていつから仲がいいんですか?」
「小学校に入った時だね。その頃からあいつはあんな感じで、ちょっと他者と距離を置いていた俺を引き入れてくれたんだ。それ以来、多少の喧嘩はあれどずっと仲がいいね」
「まさに親友ってやつですね!」
「うーん。そういうことになるのかな?」
「いいなぁ。私も親友って言える友達が欲しい」
「親友になる条件は何も時間だけじゃないからね。今の友人、これからの友人、みんな大切にしていけばいつか会えるよ」
「……ちょっとかっこいい……」
「ん? 何か言った?」
「あ、いえ! ありがとうございました!」
「大したこと言えなくてごめんね」
「いえ、名言いただきました!」
「え」
今の名言か? そんな気は一切ないんだが……。
と言うかあの子、もしかしてそういうのも集めてるのかな……。
そろそろ時間なので各自荷物を持って出発。
しばらく下りなので楽ちんだ。
しかし、俺の横を歩く良助の顔色が優れない。
「良助どうした?」
「あの大川って子。俺を芸人かなんかと勘違いしてるんじゃないか……?」
「何されたんだ?」
「ネタやってくれって言われたからやったらなんかうけちゃって、そのまま永志たちと放している時以外、ずっとネタやってた……」
「……おつかれさん」
そんなこんなでハイキングコースを抜け、また街中に戻ってきた。
時刻は午後二時少し前。このまま最終地点に向かえばちょっと早いが今日の課外学習を終えることが出来るだろう。
「じゃあ、ゆっくり歩きながら最終地点目指そうか」
『はーい』
最終地点は有名な大仏があるところで、周りにお土産屋さんがたくさんあるので、少し見て回りながら大仏の方へ。
途中、良助がノリで手裏剣を買い、大仏のところにいる担当の先生に報告。
最後に記念写真を撮って、課外学習は終了となった。
「じゃあ帰るか……。そうだ、君たち、うちのリムジンで送っていこうか?」
「えっ、いいんですか?」
「でも失礼じゃ……」
「大丈夫、大丈夫。こいつんちの車たくさん乗れるし、今日折角一緒になったんだ。楽しませてくれたお礼だと思ってくれればいいさ」
「そんな、楽しませてもらったのは私たちの方です。ありがとうございました」
「いやー、いい子達だね」
「とても優紗の友人だとは思えん……」
「ちょっと兄ちゃん! それどういう意味よ!?」
最後まで賑やかだな。それに加われない真奈は少し寂しそうだったが、彼らとはまた関わることになりそうだし、その時紹介してあげよう。
今後の作品の参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!




