第三章 - 3
自分のブログ「フィーネ×ノベル×etc...」の以下のページより転載↓
http://blogs.yahoo.co.jp/fine_novels/64362548.html
それからどれくらい経ったのだろう。
いつの間にか眠っていたようだ。
なんだか最近よく過去の夢を見る。何かの予兆でなければいいが……。
ふと周りを見ると、いつの間にか「あの」廊下に俺たちはいた。
「マジかよ……」
横では、未だ真奈が寝ていた。
「おい真奈、起きろ!」
「ZZZ……」
「ダメだ。完全に寝てる……」
この感じだと、自力で抜け出すは無理だろう。
夢で見た過去の出来事から考えると、とりあえず妖怪たちに会わなきゃいけなくなる。
その前にあの人に会えればいいんだが……。
無理だろうなぁ。
とりあえず、もしかしたら前と違って出入り口に繋がってると信じ、寝ている真奈を引きずりながら移動することにした。
しかし、やはりいつまで経ってもどこかに着く様子はない。
ずっと同じ光景が続くだけだ。
と、ようやく真奈が起きた。
「ふぁあ~。おはようございます」
「おはよう、じゃねえよ。寝てる間に変な場所迷い込んだぞ!?」
「え、えっ? どういうことですか?」
仕方ないから俺は、雨がやむのを待っている間に寝てしまったようだということ、夢で見た過去のこと、そして、今いる場所がその過去の話の時と同じ場所だと言うことを説明した。
「そ、そんなことがあったんですか……」
「俺も、夢で見て思い出したよ」
「うーん。そうすると、ここから抜け出すのは難しいですね」
「そうなんだよなぁ。……あ、そうだ」
「何か思いついたんですか?」
「お前今幽霊だろ? だったらそこの壁から抜けて、ここがどこか探ってきてくれ。流石に壁の厚みが二メートルなんてことはないだろう」
「なるほど! 流石ご主人様です!」
「褒めても何も出ないぞ?」
「たまに褒めるとそうやって……。とりあえず、外がどうなってるか見てきます」
そう言うと、真奈は壁に向かって歩いて行った。
ゴン
「痛っ」
「何してんだ?」
「か、壁を抜けることが出来ないんです!」
「何だって!?」
流石、占術の寺。いや、占術の寺かはわからないがそれ系統の場所だ。まさか幽霊に対するプロテクトがあるとは……。
「う~、お役に立てなくてすいません……」
「気にすんな。これは仕方ない。さて、次はどうするか……」
考え込んでいると、遠くの方から足音が聞こえたような気がした。
真奈も気づいたようだ。
「永志さま! 何か近づいてきますよ!」
「これは……流れ的にアレだよな」
「……ですよね」
まぁどう考えても妖怪とかその類いだろう。
「逃げるか?」
「いっそ戦いません? 何か知ってるかも」
「ゲームじゃないんだから……」
そんな会話をしてる内に、どんどん足音は大きくなってくる。
「やばいって、逃げようぜ」
「も、もしものと、時はわ、私、が!」
「いやいや、そんなびびりまくってる声で言われても……」
「お前達、何してんだい?」
「「ひっ」」
と、現れたのは不死身婆さんだった。
「あ、婆さん」
「まだ連絡はしてないはずじゃが?」
「すいません。あれからだいぶ経ったのに連絡が来なくて、様子を見に来たんです」
「心配せずとも、ちゃんと準備は進めているわい。蘇生術は時間がかかるんじゃ」
やっぱりか。じゃあ別の疑問を聞いてみよう。
「ここはどこなんですか?」
「俺たち、昔ここに来たことがありますよね?」
「ここは黄泉廊下じゃ」
「「よ、黄泉!?」」
「冥界とこちらを繋ぐ廊下じゃ。一部の術を使う時、占術の寺は黄泉廊下と繋がってしまうんじゃよ」
「と言うことは寺を覆う禍々しい気や、突然の雷雨ってのは……」
「それは人よけのためじゃ。しかしお前達のような連中もいるから、定期的に術を一旦休止して黄泉廊下を警備してるんじゃ」
「な、なるほど……」
なるほど、とは言ってみたものの、理解できん。
何、黄泉廊下とか冥界って。
「じゃあ、お前達を寺に返すから、目をつぶっておれ」
「は、はい」「わかりました」
「絶対に開けるんじゃないぞ」
そう言うと、俺たちの体は何かに包まれ、そのまま眠ってしまった……。
気がつくと、前回同様鳥居の下で寝ていた。
「う、ん……」
「ふう、戻ってきたか」
服についた土を払いながら立ち上がると、ポケットの中に何か入っていることに気づいた。
「ん、なんだ?」
ポケットから出してみると、紙のようだった。
『あと一週間ほどかかるから、それまでは絶対に寺に近づかないように 不死身婆さん』
わざわざどーも。
一週間か……。課外学習が一回入るぞ……。
すごく心配だ……。
その要因は俺の心配をよそに、スキップで自宅へ向かっていくのであった……。
……俺が立ち止まってるせいで進めてないが。
今後の作品の参考にしたいので、感想・意見等あれば是非お願いします!




