バナナ先生
橘は、生徒の代表から花束と、やけに大きいバナナの房を受け取った。
遠い記憶――初めて引率した遠足、昼食時に、バナナの皮で滑って転ぶという、猿人の時代から伝わるようなコテコテの失態をさらす。
不動のあだ名がついた。
以後十年耐え忍び、ようやく念願叶って学校を移る。
授業初日、キューバの首都ハバナを、あろうことか言い間違える。
もう、諦めた。
『お疲れ様でした、バナナ先生』
定年を迎えた橘の目に、光るものがあった。
橘は、生徒の代表から花束と、やけに大きいバナナの房を受け取った。
遠い記憶――初めて引率した遠足、昼食時に、バナナの皮で滑って転ぶという、猿人の時代から伝わるようなコテコテの失態をさらす。
不動のあだ名がついた。
以後十年耐え忍び、ようやく念願叶って学校を移る。
授業初日、キューバの首都ハバナを、あろうことか言い間違える。
もう、諦めた。
『お疲れ様でした、バナナ先生』
定年を迎えた橘の目に、光るものがあった。
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