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もう一度

作者: 籠山 りんご

枯れてしまった薔薇を胸に挿して君は何処へ行くの?

黒いタキシードを着た君の胸元に咲く枯れてしまった薔薇。


もう戻れないんだねあの頃に


あの頃に君と見た薔薇は美しかった。


そして、君の微笑みも それ以上に美しかった。


だけどもう君は微笑まない。


花には限りがあり

人間にも限りがある


泣かないで。

君の美しい頬に流れる涙 俺には止める事は出来ないから



泣いていいんだよ。

君の美しい頬に流れる涙

俺にも拭うことくらいは出来るから




もう一度 もう一度だけでいいから微笑んで。

君の微笑みは

俺の大好きなものだから。


大好きだよ。

もう離したりはしない。 誰よりも君が好きだから。誰よりも君が愛しいから。もう一度、

この腕で君を抱き締めたい。









微笑む君は 何よりも きっと何よりも 俺の大切なものだから

君の残した温もりを拭いきれず

俺は君を捜してた

何処という訳ではない

ただ君を求めて

もう一度手をとり

一緒に歩んでいきたいから










「………いた……。」

呟くと白い息が漏れる。

「リリナ!!!!」

思わず叫んでた。皆振り返って俺を見てる。

でもそんな事今は関係ない。俺は君が全てなんだ。 「リリナ!」

抱き締めていた。

さすがにやり過ぎだったか…。

「バカ。」

―え?

「いっつも…待たせて…もう…バカ…。」

君はいつも‘嫌い’だとは言わなかった。

今も言わない。嬉しかった。

「ごめん、俺、やっぱり…。」

その時気付いた。

君の頬に流れる涙を。



「もう…バカ…。」

小さく流れる君の涙を拭い

「もう、離さないから。」

きつく抱き締めた。

「うん…。」




もう一度笑ってみせた 君の微笑みはやっぱり 大切な微笑みだ。

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― 新着の感想 ―
[一言] 冒頭の詩のような部分が良かったです。 悲しさを表現していて、最後は変わっていたので、若干、話に着いていけなかったのですが、読み直すと読んだ側も少し微笑ましい気持ちがありました。
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