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Angel knight  作者: 蒼野祐樹
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第五話

コレは…中学生の頃の俺の記憶。















ようやく一年生から進学して体に馴染んだ学ランを身に纏って勉強のためにと下校中だった。

いつもの通りに見慣れた通学路を通って帰っていると…



…コツン



頭の上に何かが落ちてきた。

何だと?と思いながら髪を触っていると転がるように何かまた落ちてきた。


「…石?あ、でも真っ赤だ」


真っ赤で綺麗な色の石だった、知識の豊富でなかった頃の自分は宝石か何かと思ってその石を太陽に透かして見てみる事にしたのだ。



でも…其れが俺の人生を狂わせる引き金だった

人生と言う螺旋階段から足を滑らせ落ちていく瞬間



石に透かせて見えたの眩しく輝く太陽ではなく真っ白で純白の翼を羽ばたかせた天使

その天使に抱えられた真っ黒で漆黒の翼をした少年


その少年と目が合った、合っただけで逸らす事が出来たのに出来なかった。

其れは、その少年の眼が希望が消え悲しみに溺れて全てのものから拒絶や否定され続けてきた者の成れの果ての眼。

何故分かるだって?…そういう友人が居たからだ。

そいつは自殺しつまったんだ…で、さっきの少年の眼も死人のように光を失った眼だってわかったんだ。


見惚れてしまう様な眼なのに…勿体無い


でも幻覚だと思って目を擦ってから、次は肉眼で見てみた。


石を透かして見ているわけでもないのに…見えている。

見えた天使はまるで大昔の騎士が被っていた鎧を身に纏った天使が6人、太陽の正面で止まっていた。

視力は良い方だが流石に何を話していると言う事しか分からない。

天使の3人が先程目の前を通り過ぎてった2人を追うように羽ばたいていく。

俺は、この天使達の美しさに目を奪われた、でも同時に恐怖さえも感じた。

残った3人は周りを見渡していた…こんな距離だ、どうせ気付かないだろう。



こんな考えが甘かった。





「…えッ?」


1人の天使と目が合ってしまったのだ。


ヤバイ、他にの2人も連れて降りてくる!!!


そう思い咄嗟に持っていた石を隠すことにした、でも逃げる事は出来ない。


「ッ?!」

「貴様…我々が見えるのか?」


首を横に振りたかった、でも天使の視線から感じられる威圧に動くことが出来ない。

恐怖で涙が浮かび上がってきて、ついに腰を抜かしてしまった。


「見えるのか…ならば仕方が無い」


そう言って天使は腰にさげていた剣を抜いた。

高く掲げられた剣はまるで月のように銀白に輝いていて太陽と重なって更に輝きを増していた。






「この世に存在せぬ者を見る事が出来る人間は異端者、その者はやがてこの世に災いを齎し平和を乱すだろう、我等天使は貴様を平和の破壊者とみなし敵として始末する」







しまつ・・・?








「え……?」









それって…殺すってこと?










「消えろ、異端者」












俺を?

何でさ…なんで?












俺が何したっていうんだよ…










ただ天使が見えたってだけで…なんで消されなくちゃだめなんだよ!!












死にたくない





死にたくない






死にたくない






生きて、生きて自分の人生を飽きるまで楽しんで進んでいくんだ








死にたくない…生きるんだ








「死んで…たまるかッ」








震えていた自分が言った言葉

すると天使と俺の間に光が出てきたお互いの視界を遮られた。

いきなりの事で咄嗟に眼を庇い腕で光を遮るが、守には特に眩しく感じられなかった。

でも天使達は光のせいでまともに眼が開けない。






「これは…?」





手を伸ばすと2枚の羽が握られていた。






「何…この羽…」





疑問に思っていると石を入れていたポケットが光っていた。

石を取り出してみるとまるで羽と共鳴するように真っ赤な光が強まっていく。







「き、貴様!!人間の分際で何故【王の宝】を持っている?!」

「知るかよ、ンなの俺が…俺が聞きてぇんだよ!!」






そう大声あげると頭の中で声が聞こえた。








『生きたいですか?』






とても優しい声だった。

心地よくて気を抜いたら眠ってしまいそうになる。

まるで聖母マリアのような人の声だ…。






『生きたいのですか?』

「……生きたい、生きて生き延びたい」

『聞き届けました』







そう言って声が聞こえなくなった。







「う、うわぁああぁぁああぁ!!!!」



聞こえなくなったと同時に聞こえてきた叫び声。

誰のものかと思いきや目の前にいる天使の1人が叫んでいたのだ。

だが守が見たものは天使の手が砂のようにさぁーっと消えていく光景。

正直見たくないモノだった、だから目を逸らしたら…またもう1人の天使の足が砂になって消え始めていた。


「ガイロッ!ハレッ!」


2人の名前を叫びと真正面に居る天使の顔が歪んだ。


「な、何だ?!何なんだ?!」

「こ、この石のおかげ…?」


守の手にする石の光が徐々に弱まっていく。


「あ…消えていく…」


ゆっくりと石の光が消えていった、そして消えると同時に天使達も砂となって消えていっていた。

一体何なのだろか…、考えても考えても訳が分からなくなっていく。

取り合えず、目の前に何もなくなると力が抜けて地面に座り込んだままになっていた。







神様、この石は俺にとって命の恩人であり不幸の元凶です。

次は現代の戻ります。

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