表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/55

第5話 呪術師の狂戦士

夜寝ようとしたらやたら体が軋む。加護のせいか?

朝までずっと軋んでいた。


そして、筋力があがったようだ。体も軽くなった。眠いけど。これが狂戦士の呪いか?加護じゃないのか?


PTで中階層に潜った、支援してみたところ分かったことがある。


全体強化がまずい…。


力が暴れだしそうになる。それを抑えないと恐らく全体狂戦士になってしまうぞ、これ。

抑えこむのに疲れる…。

簡単にかけっぱなしにはできなくなった…。

加護がなんで自動で発動するんだ…。


全体回復はそのままだった。


「この全体強化って前より強力になってるな、ずっと楽に戦えるようになったぞ」


狼は喜んでいるようだった。まあ、それならいいか。


全体強化が加護で強化されたせいか、中階層より下、つまりあの下階層にいきたくなったと狼がいいだした。


いやいやいや、あそこはまずいって…。


「あそこは3階層くらいからスペルオーガの少PTがいてやばいんだよ、強力な炎の魔法で上級PTの前衛が死んでたよ」


「それなら2階層までいってみるか」


狼やる気満々だ。虎はあいかわらず黙っているが、竜人とエルフは狼に賛成のようだ。


「それくらいなら大丈夫そうね」


「うむ、俺もかまわないぞ」


エルフも竜人のユーノもやる気だ…。


さっそく、潜ることになった。





下階層への入り口の階段で全体回復をかけている俺。


「みんな、回復終わったみたいだよ」


感覚的に竜人が一番HPが高いみたいだ。次に虎、狼、エルフの順だ。


さすが竜人だ。破壊力もあるし、中階層ではこのPTなら問題なかった。


ちなみに竜人は耐火能力が高いらしい。


肌が鱗なので防御力も高そうだ。顔は人間っぽい竜って感じだ。


プレートメールを着込んでるのは、竜人と虎だ。


竜人と虎は、あのプレートメールを着てもかるがると動けている。


筋力が高めで余裕があるのだろう。


狼は革製の防具が好みのようだ。このPTのダメージディーラーって感じか。


前衛のタンカー2人が両手剣で、狼が片手剣を両手に持っている。


エルフは短剣を使うが普段はしまって手ぶらだ。それと、防具は革製だ。


「じゃあ、下階層にいくわよ」


やはり、いくのか…。


とぼとぼと階段を降りていった俺。


さっそく、探知をかけてみる。


オーガの少PTがいた。スペルオーガがここにはいないようだ。


オーガは歯ごたえがあるのか、狼が喜んで戦っている。拘束できるけどそのままでもいいか。


実は、魔物を拘束できるとこのPTには言っているが、意識を奪えるとは言っていないのだ。

言ったら警戒される恐れがある。危険なことは言わないほうがいい。

俺が相手だったら絶対警戒する。ダークエルフだしなぁ。


戦闘中に全体強化をかけてるが、暴走しないように抑え込んでる。疲れる;;。


エルフは精霊魔法をちょくちょく使ってる。火系をかけている、やっぱり火系が一番ダメージがいいのかな。


戦闘を終わるたびに、全体回復をかけているが全体強化の疲れが残ってる;;。


やはり、全体強化を無理に抑えてるのがきつい。加護なのに呪いだよな、これ…。

まあ、それでも効果があがってるようだけど。


ニ階層目にいってみたら、なんかいた;;。


獣系が単体だ。巨鎧熊というらしい。


でかいし手強い。エルフによると自己回復をする熊だそうだ。HPをひたすら削り取るしかない。


下階層ってやっぱきついよなぁ。ここでオーガなんかきたらやばいと思っていたら、早速探知で見つけた。


こちらに向かってきている。4匹のPTだ。自分はオーガ達の意識を奪っておくしかない。


「右にオーガの少PTを見つけた!オーガは自分が抑える、こちらには全体回復をかけておく」


自分がオーガを始末するまで、4人には巨鎧熊と戦ってもらうしかない。


自滅させればいいんだが、それは秘密にしている。それに同時に意識を奪っておけるのは3匹までだ。

次にオーガのPTがきたら、危険過ぎる。早めにオーガを殺すことに決めた。


「全体強化にしてくれよ」


狼が文句を言ってるが、無理。


「あれは抑えるのがきついから自分が戦闘しているときにはかけられないんだ」


オーガ3匹の意識を奪う。

この能力にも加護が働いた。意識を奪うというより襲うような勢いで意識を乗っ取ろうと力が発動する。

4匹目のオーガと戦闘になる。早く殺さないといけない。

狂戦士の加護で肉体が強化されたせいか戦闘力があがってる。強くなってるのが分かる。


巨鎧熊の攻撃力は高いようだ。タンカー2人ががんばってる。


その上、自己回復ってなんだよ、一匹なのになかなか倒せないようだ。


「オーガを始末したから、戻ってきた!こちらの魔物も拘束する」


それからはざくざくと一方敵を殺すだけだ、巨鎧熊は倒せたが、こちらもけっこうダメージを負ったようだ。


「あの熊は、さすがに強かったな、回復と拘束がなかったらやばかったぜ」


狼も下階層のやばさがわかったようだ。


戦闘後も、前衛に全体回復をかけ続けている。


このPTだと下階層は、自分がいなければ無理だったろう。

回復職がいなかったのもあるが、拘束できないと魔物に挟まれて殺される。


そろそろ、下階層に入って3時間くらいたつ。


2階層は、魔物との戦闘中に別の魔物とぶつかりやすい。自分が前衛で戦うことも増えた。


狼は楽しんでいたが、もっと刺激がほしくなったようだ。


下の階にいきたいと狼がほざいた。


いやいやいや、この下って3階層だから!やつがいるから!スペルオーガが。





きちゃったよ、3階層…。


さっそく、中PTのオーガがいた。6匹だ。スペルオーガがいないようだ、よかったぁ。


でもそのうちきっとくるよ…。


戦闘中に探知しているとさっそく、捕捉した。やつだ;。前衛もいる。まだ遠い。100mくらいだ。


「スペルオーガの少PTがいた!動きをとめるから全体強化を中止して全体回復に切り替える!」


全体強化をうち切って、久しぶりに意識を奪ってみる。動きを止めないとあれはヤバいって。


前回は失敗したが、ここはやるしかない…。


加護が発動し、襲うような勢いで意識を乗っ取ろうとする。


勢いに負けたのか、意識を奪えた。


ついでに、魔法をゲットしようとしてみる。あの爆炎の魔法だ。

エクスプロージョンというらしい。


自分に使えるんかな、この魔法。


オーガたちは少しの間、4人にまかせよう。二匹目のスペルオーガがでてくるとも限らない。早めに一匹目を仕留めとく。


「スペルオーガは自分が仕留める」


「え?どうやって?」


エルフがいらんことを聞いてきた。


「不意打ちでエクスプロージョンを撃つ」


「そんな魔法、どこで覚えたのよ」


さらに、いらんことを言うエルフを無視した。


とりあえず、一人でこちらに誘導しているスペルオーガの少PTに向かっていった。

不意打ちでエクスプロージョンを撃つつもりだ。


もうすぐ有効射程に入る。詠唱を開始する。これは死角からでも打てる魔法だ。

敵の足元から爆発を発動させる魔法といったところか。


エクスプロージョンを発動した。


普通なら死角にいる敵は発見できない、探知をもっている自分だけができる攻撃だ。


でかい炎の柱が立った。覇音だ。MPも一気にもっていかれた!。


探知したが、もう補足できなくなってる。死亡したようだ。


ヤバい魔法だよな、これ。オーガのHPを一撃で削るってどんだけだよ。


PTに合流したがまだ戦ってる。オーガが6匹いたがまだ5匹いる。


「仕留めてきたので、全体強化を再開するよ」


「全体回復にしてくれ、けっこうやられてるんだよ!」


狼のいうとおり、全体回復を発動する。


ちなみにここでエクスプロージョンを撃ったら味方も全滅してしまう。


どのみち、MPを一気に消費してしまったのであの魔法はしばらく撃てない。


探知しながら、全体回復を発動して、自分も双剣で斬り込む。


「魔法は撃てないの?」


エルフが言ってきた。いろんな魔法を持ってると思ってるようだ。4つしかねーよ;;。しかも全部火系だ。


「さっきのでMPがもうほとんどないとうか、前衛で戦ってるからそんな魔法撃つ余裕もない、探知するだけで一杯だよ」


戦闘を開始して小一時間たっただろうか。戦闘が終了した。


「全体回復かけながら一旦戻ろう」


3階層で回復してたら危険だ。


さいわい、探知してみると入り口方面には敵がいない。


オーガの中PTに懲りたのか、狼も戻ることに同意した。


2階層で休憩をとって、それから中階層に戻る。ここまでくれば安心だ。


無事に中階層、上階層も突破して、酒場に戻ってきた。


分前を分配している。


1人あたり2560ゾルになった。下階層は稼ぎがいいが分配するとやっぱり少なくなる。


しかし、スペルオーガの意識が奪えたのと新しい魔法を覚えられたのはうれしい。


ただ、さらに下の階層にはスペルロードとかいうのがいるそうだ。

出会ったら死ぬな…。


今回は、スペルオーガを倒したということで全員ギルドランクがBになった。

ちなみに、俺はこないだ不意打ちで倒したので既にBだ。


「ギルドランクもあがったし、クエストを受けてみようかしら」


エルフがなんか言い出した。クエストって受けたことねーよ。どんなんだろ。


「クエストってどういうものなんですか?」


知らないものは知らない。素直に聞くのがいいだろう。


「冒険者なのにクエスト受けたことないやつって聞いたことねーよ」


狼が言ってるが、本当だからしょうがない。


「ギルドに行ってギルドランクごとに見合ったクエストを受注するのよ」

「だいたい、このレベルだと討伐系か護衛系かしらね」


なんとなくわかった。ラノベにでてくる普通のやり方らしい。


「そういえば、あなたはレベルいくつなの?」


エルフが言ってることがわかるが、レベルなんて分からない。


「レベルってどうやって分かるの?」


「レベルが分からない冒険者なんて聞いたことねーよ」


狼がまたツッコミを入れた。


「ギルドカード見れば分かるじゃない。もってるでしょ?」


見てみた…。レベル、レベル…。どこだ?


「カードに念じると浮かびあがるのよ、人には分からないようになってるの」


おお、レベル見えた。レベルは46とでた。


「レベルは46でした」


「かなりレベル高いじゃない!私でも34よ。」


「いや、ソロでやってただけだし」


狼と虎がレベル37で竜人が38らしい。


それぞれ、下階層で戦ったので1か2くらいあがったらしい。


考えてみれば、呪術師の相手の意識を奪うという能力は、十分チートすぎる。


探知があるので複数の魔物PTに囲まれるってこともないし、余裕をもって敵に対処できる。

中階層の敵にはこれだけあれば勝てる。それをソロで稼げば普通の何倍も効率があがるのだ。


意識を奪えることは秘密にしているので、あまり突っ込まれたくない。


「まあ、あんな魔法使えるんだからそのくらいのレベルだと思ったわ」


エルフが納得してくれたみたいだ。よかった。


「明日はギルドでクエスト受けるわよ」


初クエストかぁ。楽しみだ。


解散して、宿に戻って寝た。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ