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第15話 ケルベロス

俺は、ケルベロスが欲しくなった。あの火力はとても魅力的だったのだ。


ヘルシンキのギルドで情報を仕入れて見ることにした。


どうも、軍隊向けに優先的に生産を行なっていてそれどころじゃないらしい。


戦争に参加すればケルベロスを回してくれるのか?だが、俺にはモスコーヴィア軍に知り合いはいない。


ギルドから聞いて貰うことにした。


「どうも、あなたにケルベロスを回してくれるそうよ」


窓口の女の子だ。


「スンツバルで戦ったヘルハウンドってあなた達しかいなかったから、覚えてくれてたみたい。渡す条件は次の戦争に参加すること。それだけよ」


「ケルベロスはいくらなんだ?」


「それが、あなたのヘルハウンドと交換になるのよ、軍はあなたの武装獣に興味があるみたいなの」


なんの改造もしてないんだがなぁ。それでもいいのか?おいしい話だ。


「分かった。アヴェルアーカはどうする?」


「私もケルベロスにするわ」


「2機分欲しいと伝えてくれ」


ほどなく、俺たちはケルベロスを手に入れた。もちろん、ヘルハウンドはモスコーヴィア軍に渡した。


試運転をしてみる。なかなかいい。俺の魔力も上がっている。先の戦いでレベルは198になっていた。


それほどギガスコーピオンは強かったのだ。


ヘルハウンドと大差ない動きができる。速度は同じだが、やはり瞬発力で若干劣るくらいだ。重くなっているのでそれはしょうがないだろう。


アヴェルアーカは、若干動きづらいと言っていた。


まあ、火力をとるか機動力をとるかだ。これくらいなら我慢できる範疇だ。


さっそく軍から依頼がきた。


次の戦いまで2ヶ月ある。それまで機人の足止めをしなくてはならないのだ。


足止めをする部隊に俺たちはついて行った。その部隊にはすでにケルベロスが配備されていた。


「私が部隊長のフュリアスよ、よろしくね。黒いエルフさん」


「俺はセージ、こっちがアヴェルアーカだ」


「今日から2ヶ月間一緒に働いてもらうわ、ジブラルタルとスンツバルで戦ったという話は聞いてるわ、期待してるわよ」


どうやらスカンジナビアの敗戦でマーヴェリックは生き残ったようだ。いらんことをモスコーヴィア軍に伝えたみたいだ。


俺たちはスウェーデンの北部パヤラに足を踏み入れた。


単独でいるギガスコーピオンを討伐していく。さすがケルベロスは火力が違う。どんどん徹甲榴弾を打ち込んでいくとやがて沈んでいった。爆発する棘はシールドを張った。シールドはヘルハウンドと同じで4つまで並行展開できる。

吐き出してくるスコーピオンは4門あるキャノン砲で余裕で破壊した。


「アヴェルアーカ、ケルベロスの調子はどうだ?」


「悪くはないわね、ギガスコーピオンと戦うにはヘルハウンドより、こっちのほうがいいわ」


アヴェルアーカもケルベロスを気に入ってるようだ。


この部隊だとギガスコーピオンを2機までは相手をできるが、3機いるときつい。正直逃げるしかない。


2ヶ月間俺たちはギガスコーピオンとの戦いを繰り返した。


ちなみに、ギルド経由で連絡して、エストニアのデリックとバロンはボルベルクにネロディへと連れてもらうことになった。東欧で働いた分の報酬はすでに渡してある。

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