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第6話 傭兵団

俺のフェンリルの改造が終わった。見た感じは少し肩周りがゴツくなってる。これが可動式の機構だろう。

だが、これで前方の敵なら止まらないで撃てるようになった。


さっそく試運転をしてみる。キャノン砲が可動式になったが、あまり違和感がない。魔導機関をチューニングしているせいか俺の魔力が高いせいなのかはわからん。


「重くなった感じがしないですね」


「そうだろう、この機構にはずいぶん手間をかけたからな、動かす範囲も狭いから重さも抑えられたんだ」


このバセルカムのおっさんなにげにすごいぞ。


「私のフェンリルも同じようにできないかしら?」


「いいぞ、同じのならすぐ作れる」


アヴェルアーカのフェンリルも可動式になった。


「私のフェンリルは少し鈍くなったみたい。やっぱり魔力が違うせいかしら。でもこれは確かに便利ね、このまま使うわ」


この後、またアヴェルアーカがソニックタイガー10体の討伐クエストを受けようとした。俺が止めた。

ヒドゥンウルフよりさらにソニックタイガーは速いらしい。どんだけ速いんだよ。またアヴェルアーカを囮にする羽目になる。意識を奪えるのはあいかわらず3体までなのだ。また修理することになるのは御免だ。


無難に護衛クエストを受けることにした。俺としてはジャイアントと戦いたいが、そのクエストはなかった…。


傭兵団シュバルツヴィンドを率いているボルベルクというハイヒューマンのおっさんと合流した。


「ボルベルクじゃないの、久しぶりね」


「おう、久しぶりだな」


「あなたのところだけで護衛クエストは受けられるんじゃないの?人を集めるなんてどうしたのよ?」


「それがこないだのドラゴン退治に参加した団員がみんな武装獣を壊しやがったんだよ」


どうやら、ドラゴンに3機の武装獣を破壊されたらしい。1人は死んだそうだ。傭兵団には2機の武装獣しか残っていない。代わりに戦車がいる。4両だ。ネオレオパルド5A6というらしい。可動式キャノン砲を2門積んでいる。

これもフェンリルと同じレックス製だそうだ。

武装獣2機はあのアサルトウルフだ…。お手頃価格の武装獣らしい。まあ、あの性能だしな…。


「危ないんで止めたんだが、血の気の多い奴らでな。ドラゴンと戦うって聞かなかったんだよ、あげくに死人まででる始末だ、2人は今病院で療養中で武装獣が足りないんだよ」


「このセージが、ドラゴンを仕留めたのよ。私も戦闘には参加したわ。あれは酷い戦いだったわね、参加した武装獣は半分が破壊されたわ」


「お前があの黒いエルフか!ギルドで噂になってるぞ、魔法が得意なんだってな」


「初めまして、セージって言います。よろしくお願いします」


「これは頼もしい助っ人が来てくれたな、ありがとよ、アヴェルアーカ」


噂には嫌な思い出しかないんだが…。


「クエストの内容は聞いているか?」


どうやら隣のメクレンブルク州のシュヴェリーンまでいかないといけないらしい。けっこうな距離だ。ギルドがあるのはシュレースヴィヒ州だ。


途中で機人や亜獣、盗賊と戦わなくてはいけない。


護衛対象は商隊だった。結構な規模だ。隊長はヒンデンブルグと名乗った。エルフだ。


「名高いシュバルツヴィンド傭兵団に護衛されるのなら安心だ。よろしく頼む」


「こちらこそよろしく頼みます」


ボルベルクが営業スマイルで対応している。


「この先の森には、ソニックタイガーの群れがいると最近聞いてますから迂回しますよ」


あれがいるのかよ!襲われたらあっという間にやられるぞ。特に戦車は駄目だろ。

戦車はさすがに魔導機関により物理防御魔法シールドが展開できるようにはなっているそうだ。

だが常時発動はできない。


森を迂回すると待っていたかのように盗賊が襲ってきた。武装獣は3機だ。


俺はバレットを撃って先頭の1機を倒してるうちに、戦車が残り2機を倒せたようだ。


「この機体はもっていけないの?」


一応聞いてみた、近くの街まで持っていけば金になりそうだ。


「これはガトリングウルフだわ、アサルトウルフの1世代前の機体よ。あまり金にはならないわね」


駄目なようだ。まあ、自分の目的はレベルアップだ、金は二の次だ。


「うちの傭兵団には武装獣が足りないんだ、これでもいいから戦力にしたいんだがな」


ボルベルクが隊長と話しているようだ。アサルトウルフよりも駄目な機体って使えるんか?


結局、修理して使うことになり武装獣は3機増えた。どうやらドラゴンの被害で傭兵団の戦力に困ってるようだ。


ガトリングウルフは名前の通り巨大なガトリング砲を背中に1門付けている。そのため、フェンリルよりも一回り大きい武装獣だ。これでも一応スコーピオンと戦えるらしい。


よく見るとGAU-8に似ている。アメリカ軍の攻撃機A-10で有名なアヴェンジャーだ。それを武装獣に載せられるようにアレンジしたようだ。アヴェンジャーは漢のロマンだ。ちょっと羨ましい…。


武装獣が増えたせいかその後は盗賊は襲って来なかった。俺の探知でヒドゥンウルフを見つけたので、その森を迂回しながら進んでいった。今は、メクレンブルク州で野営をしている。明日中には目的地に到着するだろう。


「お前はかなり強そうだな、攻撃魔法だけじゃなく、あの探知魔法も便利だ。うちに入らないか?」


なんか、あれから野営するたびにボルベルクに誘われている。だが、入る気はまったくない。


「今はアヴェルアーカと一緒に組んでるから困ってないんですよ、ってずっと言ってるんですけど…」


「うちで一番腕のいいやつが死んじまったんだよ。性格はちょっと難しいところがあったが使えるやつだったんだよ」


「俺はギガースと戦いたいんですよ、傭兵団でギガースと戦ってくれますか?」


「それは無理だな、ひどい損害を受けるクエストは避けてるんだ」


「それじゃあ、傭兵団に入るのは無理ですね」


入る気ないんだ、分かってくれ。


翌日、目的地のシュヴェリーンに着いたので、そこのギルドによった。


騒ぎになっていた…。

このボルベルクのおっさんは今後も活躍?します。

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