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第4話 ドラゴン

ネロディに戻るとギルドの前でフェンリルを止めて、中に入る。


「この魔石を換金してちょうだい」


「これはまたずいぶん倒したね、無理しすぎると死ぬぞ」


「大丈夫よ、強い相棒を見つけたから」


俺のことらしい。しかし、ジャイアントがいなかったのは悲しい。いつ補充されるんだ?


「酒場にいくわよ」


フェンリルはギルド専属の整備工場に預けた。買ったばかりなのにもう整備するのか?まあ、できるときにやっといた方がいいんだろう。


「アヴェルアーカじゃないか、機人の街を片付けちまったんだってな、どうやったんだ?」


「相棒を見つけたのよ、エルフよ。魔法が得意なのよ」


「お前が噂の新人か、アヴェルアーカが相棒にするなんてめったにないんだぜ、どんな魔法を使ったんだ?」


「実弾系攻撃魔法ですよ」


「珍しい魔法だな、聞いたことないぜ、っていうか黒いエルフなんてはじめてみたよ、どこから来たんだ?」


「ずっと東の方です」


「そうすると中国あたりか、あっちの方はどうなってるんだ?」


知らんがな、まあ、話を合わせておくしかないか。


「こちらと同じで機人と戦ってますよ」


「そのくらいでいいでしょ、最近起こった珍しい話とかないの?」


「この北の街でドラゴン型の機人がでたそうだ、今人を集めているみたいだな、既にやられたパーティがでてるぞ」


「北っていうとムトルム?ドラゴン型っていうのはここらへんでは珍しいわね、私達もいってみようかしら」


「ドラゴンってどのくらいの大きさなんですか?」


「ギガースの半分くらいの大きさらしいぞ」


どうやら、ギガースとはジャイアントのさらに5倍巨大なやつらしい。つまり500mだ。ギガースって覇竜よりもずっと大きいじゃないか!それを実弾系魔法だけで倒すのはちょっと無理がないか?出会わないようにしよう。


当分、アヴェルアーカと同じ宿屋に泊まることにした。

フェンリルはギルド専属の整備工場に預けたままだ。


ドラゴン倒せばレベルがあがりそうだな、と思いながら寝た。


俺はフェンリルのキャノン砲に徹甲榴弾を装填した。

貫通弾だと1門につき18発だが、徹甲榴弾になると10発に落ちる。

4門あるので40発だ。

アヴェルアーカは貫通弾を選んだ。


量より質だ、逃げ回りながら撃つつもりだ。これで足りるか?


ちなみにドラゴンも丸い光る部分が弱点らしい。これは、エナジーサークルと呼ばれている。

強さの順でエナジーサークルは、下位が赤、上位が青、その上が白へと色が近づいていく。

ドラゴンのエナジーサークルもジャイアントと同じ胸にあるようだ。色は紫だ。赤と青の中間色といったところか。


また、スコーピオンを複数引き連れているらしい。


集まったのは、14機の武装獣と2台の弾薬を載せた補給車、そして大型のトラックだった。

やはり、狼型と虎型が多い。4機はキャノンタランチュラだ。可動式のキャノン砲を8つも搭載している。動く砲台に近い。

キャノンタランチュラ4機が後衛で、その他の10機が前衛ということになった。

キャノンタランチュラはなにげに人気の機体のようだ。後衛の定番というところだろうか。


前衛の仕事はスコーピオンの排除とドラゴンを引きつけるという役割だ。その間にキャノンタランチュラがドラゴンに攻撃をかける。アヴェルアーカが貫通弾を選んだ理由が分かった。スコーピオンを撃破するには弾数が多く必要だ。


ムトルムの街に入ると一匹のスコーピオンに見つかった。その後は、あちこちからスコーピオンが集まってきた。


10機の前衛がスコーピオンの相手をする。俺はここで徹甲榴弾を使うわけにはいかず、バレットで応戦した。

ここを突破しないとドラゴンに近づけない。機動力が低いタランチュラは後方から攻撃している。


この付近のスコーピオンを片付け終わった時には、運悪くスコーピオンの攻撃を受けた2機が脱落した。

2台の補給車が2機を街の外まで引き上げていく。他の武装獣は補給車から弾を補充した。


残りの武装獣は12機しかいなくなった。


そういえば、ドラゴンがどんな攻撃してくるのか聞いてなかった。まさかビームとか撃たないよな…。


街の中心近くでドラゴン型の機人をみつけた。


いきなり、炎の弾を打ち込んできた。これを避けながら前衛の武装獣はスコーピオンを駆逐していく。

俺は徹甲榴弾をドラゴンの胸に撃ち込んだ。なかなかエナジーサークルの色が変わらない…。

ドラゴンに徹甲榴弾を撃ちこむたびに、スコーピオンにバレットを撃ちながら機体を回避させている。スコーピオンの攻撃がくる。数が多い。まじうざいよ、スコーピオン。炎の弾もひっきりなしに降ってくる。どんな無理ゲーだよ。と思いながら徹甲榴弾を撃ちまくる。


そろそろ、スコーピオンの数も減ってきた。気がつくと動いている前衛は8機から5機に減っていた。

エナジーサークルの色も変わってきている。黒づんできている。


後衛のキャノンタランチュラもドラゴンに攻撃をしている。後衛って楽じゃね?と思いながら動きまわる。

止まったらヤバい。スコーピオンの数がさらに減ってきたのでバレットからギガバレットに変える。

ドラゴンも弱ってきているのでそろそろトドメをさせるだろう、2発で沈んだ。

後は残りのスコーピオンを片付ける。


戦いが終わっていみると前衛の武装獣は4機に減ってきた。

キャノンタランチュラは3機になっていた。1機は炎の弾にあたったらしい。

14機が7機か。半分が動けなくなった。さすがドラゴン強かった。というかスコーピオンがうざすぎた。


動けなくなった7機のうち4人が死んでいた。アヴェルアーカは無事だったようだが、無傷とはいかなかったようだ。


スコーピオンの魔石やドラゴンの部品を回収してトラックに載せた。ドラゴンは魔石以外にも使える部品が多いようだ。


街の外で待機していた補給車に戻り、アヴェルアーカのフェンリルは簡単な応急処置をしたようだ。


トレーラーも呼んで、動かなくなった7機を連れて帰った。俺達はその護衛をしてネロディに戻った。


俺はレベルが4つもあがった。レベル134だ。





ギルド専用の整備工場に武装獣を預けて、酒場に行った。


「今回はキツかったわね、あなたの最後の魔法がなかったらもっと被害が出ていたわ」


ギガバレットのことを言っているようだ。


「スコーピオンがいなかったら、5発はあの魔法をドラゴンに打ち込めたんだけどね」


「機体の修理分を除いても今回も儲かったわよ」


「俺のフェンリルのキャノン砲を可動式にできないのかな?」


フェンリルが撃つたびに姿勢を変えるので、動きが一瞬止まるのがとても嫌なのだ。


「可動式にすると重くなるわよ」


「キャノンタランチュラみたいな全可動はいらないんだ、前方だけ撃てるように少し可動するだけでいいんだよ」


「それならギルドの整備士と相談してみるしかないわね」


整備工場で工場長のバセルカムと相談してみた。


「お前が最近きたエルフか、ドラゴン退治でAランクになったそうだな、あまり無茶すると死ぬぞ」


「俺のフェンリルのキャノン砲を前方の敵が撃てるくらいの範囲で動けるようにして欲しいんだけどお願いできますか?」


「キャノンタランチュラみたいな全可動じゃなくていいんです」


「それは特注になるぞ、その機構がどれくらいの重さになるかは作ってみないとわからないがいいか?」


「それでお願いします」


多少重くなっても俺の魔力でなんとかなるだろ。撃つたびに止まるのはどうしても嫌なのだ。


「私のフェンリルも動くことは動くんだけど、ドラゴンとの戦闘であちこちガタがきてるのよ、修理をお願いね」


2人とも武装獣が当分動かせないので、その間にクエストをやることになった。

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