第15話 エルフの国パロワ
パロワ国のセントルシアの街についた。
「ここからどこに向かえばいいんだ?」
なんか視線が痛い…。早いとこ目的地に行きたい…。
「セントルシアの街の中心に王室があるわ、そこにいくわよ」
そこの城門には衛兵がいた。俺を入れてくれるのか?
エルフが衛兵となにやら話している。俺を指さしながら揉めているようだが、なんとか話がついたようだ。
王室とやらに入っていった。
「私が第一王子のガイラだ、ダークエルフがなんのようだ?」
「ここにいるのは一国の軍隊を一人で撃ち破った龍殺しのダークエルフです」
「そなたがそうか、噂には聞いている、確かセージといったな」
「はい、お初にお目にかかります、トルメキアと戦争になるんじゃないかと聞いてますが?」
「セージは、パロワを助けてくれるということなのです」
「既に、トルメキアはパロワの東に砦を築いている、軍隊も集めているようだな」
「俺が撃って出ましょうか?、砦を軍隊ごと殲滅してみせますよ」
「待て、エルフはいきなり戦争をしかけるような野蛮なことはしない。まず使者を出してからだ」
「俺のことは伏せておいて下さい」
「なぜだ?お前の名を出せば向こうも引いてくれるだろうに」
「こういうことは、一度痛い目を味わわないと骨身に沁みないんですよ」
「分かった、そなたのことは伏せておくことにしょう」
実は、戦いを楽しみたいからだけなんだがな、言わないでおくことにしよう。
街に出ると痛い目で見られるので俺は王宮で時間を潰していた。
「お前が龍殺しのダークエルフか?私は第二王女のグラナダだ。お前の腕を見てみたい、うちの国の兵と戦ってみないか?」
「暇を持て余してたんです。いいですよ」
マジで暇すぎたのだ、いい暇つぶしができた、いくらでもこい。
「ガンビアを呼べ!」
王宮がざわついている、どうやら一番強い兵を呼んだらしい。
「私が将軍を務めているガンビアだ、お前が噂のダークエルフか、ちょうどいい。一度戦ってみたかったんだ」
プレートメイルを着ている、どうやら魔法職ではないようだ。
ちなみに俺のレベルは120だ。覇竜を何度も殺したがこれ以上は上がらないのだ。カンストってやつだろうか。
訓練場に出て、手合わせをすることになった。相手は両手剣をかまえている。
スピードよりパワータイプというやつだろうか。
相手が両手剣を振り回してくるが、俺にはスローモーションにしか見えない。隙だらけだ。
両手剣を避けて、試しにプレートメイルの上から腹を思いっきり殴ってみた。顔をなぐると死ぬかもしれないからだ。
プレートメイルが砕けて、盛大に吹き飛んだ。意識はあるようだ。
「もう一度やるか?何度でもいいぞ」
「参った降参だ…」
どうやら立てないようだ。全体回復を発動した。みるみる回復していく。
「お前は回復職なのか…、助かった、死ぬかと思ったよ」
「どうだ、うちの将軍の腕前は?」
王女さんがなんか言ってるが、正直に言うことにした。
「俺の兵たちの方が歯ごたえがあるな」
「うむ、どうやら鍛え方が足りないようだな、どうやって兵たちを鍛えているんだ?」
「基本を教えたら、迷宮に放り込む、迷宮では地上よりずっと成長が速いんですよ。後は、暇な時に俺が鍛えあげるくらいです」
「我が国には迷宮はないからな、弱いのもしょうがないのか」
「迷宮をもってる国の方が強いって言われてますからね」
そうやって兵の鍛錬をしていると、トルメキアからの返事がきたようだ。