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第11話 魔導院

夕方起きると、ギルドに行った。


昨日は、魔石を換金しなかったからだ。


ギルドマスターのウォズニックがいた。


「話は聞いたよ、ウルズ連邦と伽盧皇国から誘いがきたようだな」


「両方断わったよ。金も地位もいらないってね」


「もう少し詳しく話してくれないか?」


エルフたちのとコーディの話を説明した。


「これは、上に説明しておく。それと、魔導院からおまえに来て欲しいって話があるが断ろうか?」


魔法には興味があった。


「魔導院ってどういうところなんですか?」


「主に魔術師を教育する機関だ」


「魔法の研究とかはしないんですか?」


「そこまでは分からんよ。興味はあるようだな」


「見てくるだけならいいですよ」


「それなら、魔導院に話を付けておく」


魔法の研究材料が落ちてないだろうか。テスラを完成させる方法とか…。

ファンデルワールスゼロは無理だろう。あれは諦めた。


結局、明日魔導院にいくことになった。




ここが魔導院かぁ。


結構、大きいところだな、前の世界の大学くらいある広さだ。

俺には縁がないものと思っていたが、来る機会ができるたことは。ちょっとうれしい。


門番に名前を告げると、おっさんがでてきた。

院長のシロッコっていうエルフだ。


「国の方へあなたに来て欲しいという話をしたんですが、本当に来てもらえるとは思いませんでした。どうぞ魔導院の案内をしますよ」


「ギルドマスターから言われてきたんだが、国からはきてないな」


「あなたがお偉い方達を嫌っているということで、国とあなたの窓口がギルドマスターになってるようですよ」


そうなるんだろうな、話がきても全部断わっただろうし。


一通り、案内してもらった。教室、食堂、教授室、講堂、実験棟、資料館…、本当に大学みたいなところだな。


そして、学院長室へと入っていった。意外と普通の部屋だった。


「魔法の研究は行なってないんですか?」


「教授が個人的にやっておりまして、公にはされてないですよ」


「ここに、俺はなんのようで呼び出されたんでしょうか?」


「あなたの話を聞くためですよ」


「あまり話せることはないと思いますが」


「あなたはデストロイという魔法を使ったそうですね」


「あれは火系最上級魔法ですが、普通の魔術師には発動できないと思いますよ」


「なぜですか?」


「上級魔法よりも燃費が悪いんですよ。MPをバカ食いしますよ。おそらくですが、知力も相当ないと発動しないと思います。迷宮で知力もMPも相当あげましたからね、迷宮で戦闘すると地上よりも成長が速いというのは聞いてますよね」


「迷宮の特徴の一つですね、ただ普通の魔術師ですとレベル60を超える人はなかなかいないですね」


「普通の魔術師では、スペルオーガやスペルロードを倒せないということですか?」


「よく分かっていますね、あれらは上級魔法を使うので死亡する魔術師が多いのですよ、死ににいくようなものですね」


「プレートメイルでも着込んでいけばいいじゃないですか」


「金属の鎧は魔術を阻害するんですよ、あなたも革製防具じゃないですか」


ラノベの常識と同じようだ。


「あなたはどこの魔導院で習われたのですか?それとも誰かの弟子になったのですか?」


「ダークエルフの里で習いました」


嘘を言ってみた。スペルオーガやスペルロードから習いましたとは言えないな。


「魔導院よりもあなたの里の方が魔術が進んでいるようですね」


「エルフの里は違うんですか?」


「エルフ達は精霊魔法を好みますから、あなたは使えないそうですね」


習う相手がいないんだよとは言えないな。というか精霊ってどういうものなんだ?だが、聞いたらやぶ蛇になりそうだ。


「そっち方面の才能はないんですよ」


「ここで魔術を教えたりはできませんかね?」


「人にものを教えるのは苦手なんですよ」


「そうですか…、ここにあなたの研究室を用意することもできますよ?」


「自分は4階層で研究してるんですよ、あそこは実験する魔物もいて都合がいいんです、ただ資料室には興味があります」


「禁書以外ならお見せ出来ます」


「禁書というとデスとかですか?」


デスは即死魔法だが、成功率が低くて実戦では使えない魔法だ、あれを食らう冒険者もいるのか?


「…よく知ってますね、それは禁じられた魔法です、使わないことをお勧めします」


とりあえず、資料室を借りることはできた。いつでも使っていいということだ。これはうれしい。


さっそく、資料室に行って見た。ただ、ドイツ語で書いてある…。

しゃべるのには慣れたが、専門書として読むのは面倒そうだ。国語辞典みたいなものを探そう。


窓から眺めている人だかりがあった。ここの生徒だろうか。


「あれが龍殺しのダークエルフか、すげー、はじめてみた」


「剣術もすごいんだぞ、軍隊を一人でまるごと全滅させたって聞いたぞ」


「先生に聞いたら、4階層で魔術を研究してるんだって」


「4階層って地獄みたいなところでしょ?」


「ダークエルフこえー。」


なんか盛り上がっているようだ。まあ、無視しておくか。そのうち飽きるだろう。


そして、俺は4階層にいる。


結構な知識が増えた。雷系上級魔法テスラの完成も近いかもしれない。

イメージはサンダーストームを広域化させた感じだ。威力をあげるイメージがでなかなか固まらない…。


いっそ、デスを広域化した大量虐殺魔法の方がいいかもしれないと思う今日この頃だが、使ったらヤバいことになりそうだ。単一なら成功率は低いが大量にばらまけばそれでも死者がでるだろう。


テスラが完成しないので、先に即死系上級魔法メガデスが成功した。つい、やってしまった。後悔はしてない。

成功率もデスより高いので微妙に使えるかもしれない。50%の確率のようだ。微妙な魔法だった。


最近気づいたのだが、魔術院にときたまいくようになって後を付いてくる奴がいるようになった。学生ではないようだ。

意識を奪って理由を意識から読み取った。理由が分かった。国からの監視がついたようだ。

意識を奪えることがバレるとまずいので始末した。


資料室にいると学院長に呼ばれた。


「あなたはデスを使いましたね」


「言われたとおり使ってませんよ」


「あなたに付いていた人の死体が発見されました、死因は突然死です」


「使ったのは即死系最上級攻撃魔法ギガデスですよ、デスは使ってません」


これは、メガデスをデスにフィードバックし、80%まで成功率をあげた単一殺人魔法だ。ただ、MPをドカ食いする。

上級と最上級の中間といったところか、なので最上級にした。つい、作ってしまった、後悔はしていない。


「なんで監視なんかするんですか?」


「理由は言えません。それにギガデスも使ってはいけません」


どうやら国から要注意人物と思われたようだな、これは。

ただ、自分を追い出したりはしないだろう。デメリットばかりでメリットがなにもない。


それから監視が付かなくなった。


魔導院にいると、相変わらず自分に興味を持っているようだ。

たまには遊んでやろうかと声をかけてみた。


「なにか聞きたいことでもあるのかい?」


「すごい魔術師なので話してみたかっただけです…」


プルプル震えている。怖がってるんじゃん。


「じゃあ、自分に魔法をなんでも撃ってみていいよ」


広場のようなところに行った。何が起きるのかと人が集まってきている。


「じゃあ、いきますよ」


魔法が撃ち込まれたが全部レジストする。じきに諦めたようだ。


「それじゃあ、こちらからも撃つよ」


「えっ!」


学生が青い顔をして凍りついた。


マインドゼロを撃った。


「魔法を撃ってみて、なんでもいいよ」


「魔法が撃てない…、なんで…」


「魔術師を無効化する呪文だよ、そのうち戻るよ」


遊んでみたが、いまいちだった。やはり、魔物と戦う方が楽しい。


そのまま、資料室に入っていった。

やはり、強力な魔法は魔法語で書かれているんじゃないだろうか?

英語の本を探そうとやってきた。

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