第1話 呪術師
今は朝日が昇る時間のようだ。
まだ、出歩く人が少ないようなので探知を使って見つからないように物陰に隠れてしばらく観察をしていた。
まず、分かったのは普通の人間が多い。後は、虎っぽい人や狼っぽい人がたまにいる。獣人というやつだろうか。
耳がとんがってる人はいないようだ。肌が黒い人もいない…。
話してる会話を遠くから聞いていると、ドイツ語っぽいようだ。なぜドイツ?。
自分は、高校で第二外国語、大学で第一外国語がドイツ語だったので片言なら分かる程度なのでドイツ語っぽいものだと分かった。高校ではなぜかドイツ語研究会という部にも入っていた。ドイツ系の高校だったのだ。
とりあえず、会話をしてみないとなにも情報が手に入らない…。
物陰から話しやすい相手を選んでみた。
まず、冒険者っぽいのは武器をもってるのでいきなり斬りかかられるのはゴメンだ。
商人っぽい相手のほうがいいだろう。
若い男性の商人っぽい人に声をかけてみたところ、逃げられた;;。
周りの目がなんか痛い…。
服装か?それともやっぱりダークエルフっぽい外見か?そういえば、両手に短剣と長剣をもっていた…。
これか?いや全部だろう(ーー;。
武器をしまって、痛い視線を浴びながら通りを進んでみるとエルフっぽい人をみつけた。ハーフエルフだろうか。
若干、人間っぽい。
声をかけると最初は驚いたようだが、逃げないで会話をしてくれた。
ダークエルフというのは、やはり珍しいらしい。今まで見たことないとかいっている。
町の名前が分かった。皇都というらしい。国の名前は伽盧皇国。というか単語が日本語じゃないか。
それでなぜドイツ語?なぞは深まるばかりだ。
中央大陸の東に位置する国だそうだ。
冒険者になりたいと思って来たと話したらギルドというものを紹介してくれるそうだ。
名前を聞いたら、風霧明日香というらしい。女の子だ。
ハーフエルフなのになぜ日本名?となぞは増えるが無視することにした。
冒険者ギルドに入るとやはり痛い目で見られている…。
カウンターで登録をしようとしたら100ゾルかかると言われた。
1万円くらいの価値らしい。
迷宮で敵を倒すと石みたいなものに変わってたのでをそれをゴブリンシャーマンに集めさせていた。魔石というらしい。それを差し出してみたところ、いきなり怒られた。
冒険者じゃないのに迷宮に入るのは駄目らしいのが分かったが、ひたすら謝ったところ許してくれた。
どこまで行ったのかと聞かれたので、中階層といったらまた怒られた。なぜ?
とりあえず、魔石で1000ゾルになったのでそれでギルド登録することになったのだが…。
血をカードにたらすことでギルドカードができるらしい。できたカードに載った職業が呪術師。まあ、そうだわな。
そんな職業はないと言われた;;。
大きく分けて、この世界の冒険者の職業は5つある。
剣士、神官、精霊術師、魔術師、異能術師。
剣士は、その名の通り剣や槍、弓を使って戦う戦士。
神官には、回復専門の神官と、戦闘を行う武装神官、他の国では聖騎士とも言うそうだ。
精霊術師は、精霊を使って魔法を使う。エルフやハーフエルフじゃないと使えないようだ。
魔術師は、精霊を使わない詠唱をすることで魔法を使う。
異能術師 超能力者のことをいうそうだが、めったにいないというか見たことないそうだ。
普通の人は剣士になるらしい。素手で戦う人はいないようだ。
弓で戦う人も剣士になるのはどうだろう。だがなぞが増えただけなので無視する。
ダークエルフには、呪術師がたまにいる!と嘘を付いたら納得してくれたのでよしとしよう。