第8話 龍殺しのダークエルフ
俺は考えた。
水竜と電気大トカゲのコンボか?
恐らく電気大トカゲは俺の双剣と同じ麻痺付き雷属性だろう。
次回はそれで轟竜と戦ってみよう。
地上に戻った。
朝日が登っていた。とりあえず、魔石をギルドで換金した。
「ソロで4階層7階まで行ったんですか?」
「8階は轟竜がいたので引き返してきた」
よく考えれば、ソロで轟竜を倒したらギルドで騒ぎになるだろう。
というか、どうやってそこまで行ったのか聞かれても困る。
「Sランクでもソロで4階層を攻略するなんて聞いたことがありませんよ?」
「俺は、前衛でもいけるし上級魔法職で回復職でもあるからなんでもありなんだよ」
「もう少し詳しく教えて下さい」
「それは企業秘密だ、苦労して工夫した方法を人に真似されても困る」
「誰にもいいませんから」
「信用できない、俺は帰ってもう寝る。さすがに疲れた」
なんとか、振り切って宿に帰って寝た。
夕方、起きて飯を食べていたら宿屋の女将、人間のシルティさんに言われた。
「昨日、一人で轟竜と戦ったんだって?もう噂になってるわよ」
やはり、だだ漏れじゃないか、ギルドは信用できねー。
その日、俺は4階層8階で轟竜を倒した。
水竜2匹+電気大トカゲが正解だったようだ。
4階層9階には火竜改2匹がいたが、水竜と電気大トカゲでなんとか倒した。覇竜までこのコンビでいくしかない。
4階層10階には巨大な猿が2匹いた。ものすごい速度で移動する。スピードファイターだ。
水のレーザー乱舞の前で動きを止めて電気大トカゲで麻痺させる。そのまま殺した。
4階層11階には大きな轟竜がいた。もうめちゃくちゃでかい。
だが、所詮は轟竜だ。水竜と電気大トカゲで殺した。
4階層12階にはラスボス覇竜がいた。
でも水竜と電気大トカゲの敵ではない。殺した。
地上に戻ると昼過ぎになっていた。
轟竜と覇竜のHPが高すぎるのだ。削るのに時間がかかった。
ギルドに入って魔石を換金した。
「…、覇竜を倒したんですか?」
「まあ、そうなるな」
「迷宮をクリアするとランクが変わるのか?」
「最上級のSSランクになります」
「さっさと更新してくれ、もう疲れた」
「SSランクはあなたが初めてですよ?」
「どうでもいいよ、更新してくれなければそれでもいい、帰る」
「わかりました、更新しますから」
「これであなたは史上最強の冒険者になりました」
ギルドカードを受け取ってさっさとギルドをでた。
宿に帰って寝た。
夕方起きた、もう4階層には興味がなくなった。3階層まで行こう。
飯を食っていると、宿の女将のシルティさんが話しかけてきた。
「SSランクになったんだって!もう街中の噂だよ」
…、ギルドめ、いいかげんにしろよな…。
「ギルドの人が来て、あなたに相談があるそうだよ」
知るか、絶対行かない。
俺は、迷宮に入っていった。
3階層12階まで行って戻ってきた。3PTを救助した。
なんか最近増えてないか?
俺を頼って無茶すると死亡者がでるぞ。
地上に出たら朝になっていた。ギルドに入っていった。
ギルドマスターのウォズニックがいた。
「なんで昨日ここにこなかったんだ?」
「救助を優先しただけですよ」
「最近、救助するPTが多いんじゃないですか?注意してくださいよ」
「それは、そのうち話そうとは思ってたんだよ」
「どうしようというんですか?見捨てるとかできないですよ?」
「それなんだよ、やめてもらうわけにもいかないから困ってるんだよ」
「無茶して全滅するPTもでてるんじゃないですか?」
「たしかに、そういうことが起こっている」
「それと、きみに会いたいって国の方からも話がきてるんだよ」
「俺が伽盧皇国を出てきた理由を知ってますよね?」
「もちろん知ってるよ。だから、困ってるんだよ」
「会う気はないのかね?」
「まったくないですね」
「分かった、そっちはなんとかする」
「それと一人で覇竜を討伐しろっていうのも無理ですよ、まともにやったら即死しますから」
「でもきみは倒したんだろ?」
「まともに相手しなきゃいいんですよ、竜は馬鹿ですから」
「その方法は教えてもらえないのかね?」
「誰にも真似ができない方法です、言えというならここもでていきます」
「分かったよ、はぁ」
頭を抱えて困ってるようだ。だが、知らん。
ギルドをでると人だかりができていた。
無視して出ようとする。
「待ってくれよ、龍殺しのダークエルフ」
どうやら新しい呼び名ができていたらしい。
「もう、眠いんですよ、帰って寝るつもりなんですが」
「わかったよ、でも本当にソロで覇竜を殺したのか?」
「それはギルドマスターにも秘密にしてます」
そういって押し切って、宿に帰ってきた。疲れた。寝る。