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第3話 Sランク

1ヶ月がたった。レベル65に達した。いまだにスペルロードを攻略できない。いい方法はないだろうか。


それと、酒場に行かないので、よく分からないがどうやらここまで自分の噂が伝わってきたようだ。


ギルドでPTに声をかけられるようになった。バレているとしか思えない。逆に聞いてみた。


「回復職ってなんで知ってるの?」


「覇竜を相手にコキュートスで撃ち果たし、30人の剣士を回復させつづけた凄腕の冒険者って聞いたわよ。3階層をソロで倒せるほどの戦闘力をもってるっていう話もあるわね」


「そんなに強くはないですよ」


「でもギルドにスペルロードの魔石を持ち込んでるって聞いたわよ、あれは3階層でも最強クラスの魔物だわ」


「エクスプロージョンで力技で倒してるだけですよ」


「それって火系上級攻撃魔法じゃない、Aランクの魔術師でもほとんど撃てる人はいないわよ」


だめだ、これはもうどうにもならない。だが、ここから逃げるにもあとは西の国しか残ってない。


「それでうちのPTには入ってくれるの?歓迎するわよ」


「まだ弱いのでソロで鍛えているところなんですよ、しばらくはこのまま鍛え続けてますよ」


「あなたが弱いって言うのは、皮肉にしか普通は聞こえないわよ。まあいいわ、気が向いたら声をかけてよね」


なんでこうなるんかな。ひっそりと暮らしていたのに。もう、迷宮にずっと篭り続けたい…。


まあ、ギルドからへんな呼び出しはないし、気にしてもしょうがない。


防具でもみてこようか。気になるのがあるんだが、高いんだよな。


それは知力アップの魔法付与防具だった。革製防具なのに3万ゾルもするってどんだけだよ。


「お客さん、それが欲しいのかい?」


「うーん、高いから買えないんだよね。革製防具って使い捨てじゃん」


「魔法付与防具は専門の職人にだせば補修してくれるよ」


「でも革製なのに高いよね」


「魔術師は布製防具を使うからそれは人気ないんだよね、買う気があるなら安くするよ」


「どのくらいになるの?」


「お前さんはAランクだな、それで3割引になるところを、4割引きでどうだい?これでも採算ギリギリだよ」


「知力アップでどのくらいあがるの?」


「+10はあがるね、こんなにあがる防具はなかなかないよ」


「じゃあ、買うよ、なんかおまけ付けてほしいな」


「おまけっていうとなにが欲しいんだい?」


「黒く染めて欲しいんだけど。明るいと迷宮で目立つんだよ」


「それなら染めるのに1週間待ってくれればできるよ」


「じゃあ、決めた。買う」


8階層の攻略を進めているうちにお金が貯まってたので実は定価でも買えたのだ、ちょっとうれしい。





1週間後、防具を受け取って真夜中に潜ってみた。


3階層8階へ降りていった。オーガロードを倒していると、オーガロードの少PTにスペルロードがいるのを見つけた。


さっそく意識を奪ってみる…。やっと奪えた。魔法付与防具すごい。大金を払った価値があった。


それでは、スペルロードから魔法をゲットする。


マインドゼロ(MPを0にする)、グラビティ(動きを止める)、ヘイスト(俊敏さをあげる)


マインドゼロは使える。スペルロードを無効化できる魔法だ。グラビティはパラライズの上位版か。


ヘイストは微妙だ。


残りのスペルロードを探知とマインドゼロで無効化いけばいいんだが…。マインドゼロは3発しか自分のMPでは撃てない。

マジックドレインと併用で使い物になる魔法らしい。


スペルロードはなんとか突破できる。あとはオーガロードを倒せば敵がいない。

同士討ちで倒せる。やっと8階を突破した!


9階まで降りていく。スペルロードのいる中PTが多い。もう鬼だな、この階。


でも8階を突破した俺にはもうただの作業だ。

探知とマインドゼロ、マジックドレインでスペルロードを駆逐し、オーガロードで同士打ちをする。


10階へと降りていく。オーガロードがいなくなってる。嫌な予感がする。急に迷宮の道幅が広くなった。


この階層を進んでいくと、森にもいた狼の魔物が現れた。いきなりの難易度低下である。

同士討ちとパラライズで仕留めていくと、でかいやつを探知した。見覚えがある。


竜種だ…。覇竜ほど大きくない。火竜だろう。


意識を奪えるのか?試したところ、スペルロードよりは簡単に奪えた。がくっ…。


ざくざくと双剣で攻撃し、時間がかなりかかったが殺せた。


こんなんでいいのか10階?


11階に降りていった。火竜2匹だった…。あとは狼の魔物だ。火竜を相打ちさせて生き残りをざくざく…。


なんか最後には骨のあるやつと戦いたい。


12階に降りていった。いたのは、火竜2匹と巨雷狼というやつだろうか。


雷を纏った狼のようだった。やけにレジスト能力が高く探知すらもできない。そうすると意識も奪えない。

グラビティもレジストされる。常時、レジストかよ!


ただ、火竜が2匹いるので相打ちさせた。


火竜がいなかったらやばかった。


結局、一番やばかったのはスペルロードだけだった。

巨雷狼は単体だったら相当やばかったろう。火竜がいてくれたから倒せたようなものだ。


地上にあがったら、朝日が登りきっていた。


とりあえず3階層は制覇した。


ギルドにいき換金した。4階層はSランク専用ということで自分は入れない。


窓口の女の子に聞いてみた。


「3階層を全部クリアしたんですけど、4階層っていけるんですか?」


「あの巨雷狼も倒したんですか?」


倒したのは火竜だよ。でも言わないでおこう。


「倒しましたよ。火竜も巨雷狼も全部」


「魔石も換金しました」


「確かに巨雷狼の魔石ですね」


「ちょっと待ってください」


奥に入っていった。おっさんがでてきた。ギルドマスターの竜人だ。なぜここも竜人?


「あなたが噂のダークエルフですか、私はここのギルドマスターをしているウォズニックというものです」


嫌な噂なんだが、ギルドが漏らしたような気がしてしょうがない。個人情報は守れよな。


「魔石も確認しましたし、あなたをSランクに認定します」


カードを更新してもらった。


「4階層はSランクでも死亡者が多いので気をつけてください」


一応聞いてみた。


「巨雷狼が苦手なんですが、4階層にもいますか?」


「もちろんいますよ、うろうろしてます」


その時点で俺は詰んでるんだが…。


他にも魔物がいてくれることを祈るしかない。


「あれって殺すのが大変なんですが、弱点ってあります?特に、魔法で効くものとか?」


「火属性の魔剣に弱いですよ、魔法には私も詳しくはないのでなんとも言えないですね。上級魔法ならレジストをやぶれるんじゃないですか」


上級かよ、1発しか撃てないんだよ。魔剣買えってことか。


「防具も治したいんですが、革製の防具を治せるいいお店ってありますか?」


「この街の東の方に、シルビアという腕のいい職人さんがいますよ。あと、Sランクになると強制的に受けさせられるクエストも出てくるからね」


「クエストは嫌いなんですよ、迷宮で戦うのが性に合うのでなるべくなら受けたくないですね。それにソロなのでSランクのクエストは無理だと思いますよ、PT組んでる人にしてください」


「むーん、一応考えとくよ、それでもソロ向けのは受けてもらうよ」


「わかりました」


Sランクは面倒そうだ。


魔剣を買うのに3階層で稼がないといけないのか…。


とりあえず、その職人さんを探すことにした。


いきたくないが、酒場にいって聞いてみるか…。


とりあえず、店員さんに聞いて場所を教えてもらった。


「真夜中のダークエルフじゃないか、調子はどうだい?」


フレンドリーなドワーフだ。あまりここには居たくない。


「悪くはないですよ」


「覇竜はどうだった?見たことないんだがやっぱりすごいのか?」


知らんがな、まあ、適当にあしらっておこう。


「後ろで見てただけですから、ものすごくでかくて強いってことしかわかりませんね」


「でもお前さんがその覇竜を倒したんだろ?」


「俺は後ろから魔法を撃っていただけで倒したのは前衛の剣士達ですよ」


「そうか、聞いていたのと少し違うなぁ」


どんな噂が流れてんだよ、もう帰るよ。


「それじゃ、用事があるので帰ります」


とっとと、酒場を抜けた。ここは面倒くさい当分こないことにしよう。


とりあえず、宿に帰るか。防具は修理に出すとしばらく潜れなくなるからもう少しやれてからでもいいだろ。


そして、宿に帰って寝た。

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