第10話 脱出
翌朝、早めに起きてしまった。
そういえば、ギルドにいかないと行けないんだっけな。
朝食を酒場で食べることにして、宿を出た。
ギルドに入ると、雰囲気がいつもと違った気がした。
嫌な予感がする。
受付の女の子に名前を告げると奥に入っていった。
なにやらおっさんが出てきた。ギルドマスターらしい竜人だ。
「セージさん、今回はかなりの活躍をされたそうですね」
「前衛の人達のほうが大変だったと思いますよ」
「どうもあなたの噂を聞いて、この国のお偉いさんが会いたがってるんだよ」
俺は会いたくない、嫌な予感が当たった。
「これをもって皇宮に行って貰いたい。クエストみたいなもんだ。報酬を出すよ」
もう後がない、これを受けるのはどうみてもヤバい。
嫌な予感しかもうしない。
「このクエストを受けないとどうなるんですか?」
「この国にはもういられなくなるだろうな」
やはり、もう出ていくしかないか。
「それでは、いままでお世話になりました、他の国にいきます」
頭を下げてギルドを後にした。
追手がかかる前に脱出しないといけない。時間がない。
宿に急いで戻って、そのまま北の城門に走っていった。
「これからでかけるのか?身分証をだしてくれ」
どこから見てもダークエルフなのにばれてない。間に合った。
「これがギルドカードです」
「分かった、通っていいぞ」
皇都からは抜けたが、まだ追手がかかる可能性がある。
回りこんで南から抜けよう。
北の街道を外れて森に入っていった。途中で出会う魔物はやはりでかい狼だった。5匹だった。
3匹の意識を乗っ取って同士討ちさせる。そして止めをさして終わりだ。
そのまま森を走る。探知は忘れないで警戒している。
出会う魔物はみんな同士打ちだ。単体の魔物は意識を奪ってそのまま殺す。
ただここでも一角ウサギだけはやっかいだった。探知にひっかからないで突っ込んでくる。
スライムはいなかった。
南の街道にでた。ここから南にあるアルノール共和国を目指すことにした。