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35・領主と宴

 新しく入った職員・社員・組合員が、見習いの雇用期間が終わったので、正職員・正社員・正組合員になったのを記念して、屋外でお祝いの祝宴が開かれることになった。


 領主も正領主ということではいけど、新領主なので、その野外焼き肉大会では祝われるほうである。


 その日はいい天気で風もなく、朝から花火なども打ち上げられて景気がよかった。


 今日はみなさん、思う存分食べてください、ただし海軍大臣は除く、と簡単な挨拶をして、領主は新しい仲間たちと挨拶をした。


 甘いもの好きには甘味処、酒を飲むものには飲酒所がもうけてあり、和食の出店もけっこう出ていて、近隣の領民も、招待券を持っているものなら誰でも参加できるし、領外からも各人が招いた客人などは来ていた。


 領主の通う学園からは、まず生徒会長とタツミが大きめの肉を半分にして分けて食べていた。


 私が分けるから、あなたがどちらかを選んで、と生徒会長は言った。


 それから、馬術部の先輩と、かつて馬術部で前領主候補だった所長。


 ふたりは動物の言葉がわかるので、なんでも匂いをかいでみるネコに、食べられそうなものをやったり、カラスが勝手に焼けてる肉を持っていかないよう監視していた。


 前領主は、今でも護謨会社の大株主であるツレと一緒に来て、ツレは費用に関する詳細を人事大臣から聞いてうなずいていた。


 福利厚生にかかる額としては、社員旅行より全然安いらしい。


 共和国の来賓として、領主のツレ予定であるルーク、それに友人のリリス、リリスのいつのまにかツレ予定となっていたルルイエが来てくれた。


 ルルイエって帝国民とか古代帝国民じゃなかったの、と領主が聞くと、ぼくは宇宙人で、ヒトを観察するために作られたんだ、と適当なことを言った。


 スシとか天ぷらもあるんだね、スシって火を通しても大丈夫かな、とリリスは言った。


 領主のイトコは肉と野菜の量を記録しながら、適切に食べていた。


 見慣れぬ七人の、色が違うけど形状は似ていた服を着ていた子供は、どうやら沼のヒュドラが変身してやってきたらしい。


 おーい、こいつうまいぞ、とひとりが言い、みんながリリスを取り囲むとがりがりとかじったため、リリスはぼろぼろになったけれども、半日もすれば回復するだろう。


 きみたち、そんなことしちゃだめだよ、と、帝都からやってきたタカムラくんは、七人をまとめて首のところをつかんで、ぶん、と放り投げた。


 平和っていいなあ、と領主がいうそのとなりで、隣の領主のミドリがうなずきながら、ニンジンのようなものをもぐもぐ食べていたけど、どこかマンドラゴラっぽかったので違うかもしれない。


 領主に関しての物語は、たぶん領主を引退して、ツレと結ばれるまで続くだろう。

一応終わりのように見えますけど、別に終わってるわけではありません。ネタが思いついたら不定期に続けます。


新作の予定もあるけど、とりあえず「アン・シャーリー」の話を完結させないとです。

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