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19・眠れぬ領主と領主の夢

 勤勉な領主は、なんか最近眠れなくてさー、といつもの人事大臣に相談した。


 つまり領主が眠ると、夢の中の領主が目覚め、太陽に跪拝して食事をして公務をおこない、夢の中で夜になって夢の中の領主が床につくと、夢の中ではない領主が朝を迎える。


 いい考えがあります、と人事大臣は言った。


 一晩だけ夜に眠ろうとはしないで起きていて、それによってどうなるかをお図りください。


 言われた通り領主は、昼にする公務の続きを夜通しでおこない、次の日をむかえた。


 その日の昼すぎ、領主は今まで習慣としてはいなかった午睡を、執務室に置かれていた長椅子でふらふらと取った。


 夢ともうつつともつかないまどろみの中に、夢の中の領主があらわれて、怒りながらこう言った。


 もう、わたしの夢に出てくるな、と。


 夢の中の領主もまた不眠に悩まされていたのだった。


 夢の中の領主が眠ると、夢の中の夢の領主が目覚め、仕事をはじめる、と、夢の中の領主は話した。


 勤勉な領主は、はて、自分は夢なのかうつつなのか、自分がうつつなのは果たして何によって確かなものとされるのか、という、諧謔的な謎を持った。


 その日から領主は、秘書と話し合ったのち、午睡を一定の時間取ることにした。


 午睡の間、夢の中の領主は働き、領主が眠ると夢の中の領主も床につくことになり、どちらも不眠に悩まされることはなくなった。


 さてこれで安眠はできることになったけど、どうもわたしの夢の中に、あんたが出てきて仕事してるんだよね、最近寝不足ってことはないかな。


 そうなんですよ、昼間にここの椅子で寝てちゃいけませんか、と人事大臣は言った。


 昼寝をすると夜に眠れなくなるので、がんばって起きてろよー、と、領主は言った。

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