危険な状態
(時は少し戻りアヤネの身に何があったか)
アヤネ「何これ…ライトとかで照らそうとしても使えない…まるで光を酷く嫌がるようね」
(なんだ…まるでゲームとかならこの先負けイベントでも発生しそうな場所…だが初心者でも行けるような洞窟だぞ…ここ)
(真っ暗な中奥へと歩いて行くアヤネ)
アヤネ「は?何これ…」
(アヤネが最深部に着いたときに現れたのは巨大な竜であり…その竜からはとてつもない邪気が溢れている)
アヤネ「マズい!これ100%負けイベントや!ゲームでも無いのにこれはマズ!」
(ワイヤーで竜の体を縛り上げ逃走しようとするが…恐怖で脚が動かない)
アヤネ「何これ…脚が…動いて!嫌だ…そんな俺まだ…」
(ワイヤーを吹き飛ばして近付いてくる竜)
?「人間か…可食部が少なく実も不味い男の場合肉が硬く食えた物でも無い…だが女の場合脂もあり肉としても柔らかい可食部がある…人間の女が何故ここに居るのかは知らんが…喰うか…」
(マズいマズいマズい!どうにか抜け出さないと!手段を選ぶな!このままだと喰われて終わりだ!)
アヤネ「クソ…一か八か」
(VEを使ってみる…それしか無い)
?「ん…この気配VEと人間共が言っていた力か…だがおおよそお前はつくづく運が無いな…邪竜の一族はその程度の攻撃には耐性がある…その中でも極地に立つ邪竜それを破邪竜と人は呼ぶ…その破邪竜に見つかるとはつくづく人間も運が無いな…」
アヤネ「破邪竜お前は何故こんな街の近くの洞窟に居る?」
?「お主気づいてないのか?ここはお主の考えていた洞窟では無い…貴様の負の感情が我を呼び寄せた」
アヤネ「それってどういうことだよ?」
?「VEこれの意味は虚無と失敗それを合わせて呼ぶ貴様ら人間は履き違えている奴が多いがVEは人の虚無が大きく関係する力だ…おおよそお主も知らなかったのだろうがな」
アヤネ「虚無か…そうだな私は深い闇に沈んでたのかもな」
?「そうだな…お前の負の感情は非常に邪竜の好むタイプだ…誰かを憎む…誰かを怨む誰かを妬む…そんな感情我々邪竜からしたらいらない…自責の念に押し潰される哀れな人の子の負の感情こそ邪竜の好物だ…そうだなお前なら面白そうだ…俺と契約を結ぼうぜ?そしたらお前の悪意ある感情を喰う…お前は力を得る…断るならお前ごと今喰えば良い…お前は飲むしか無い択を押し付けられている」
アヤネ「わかった契約をしよう…」
(契約成立)
アヤネ「は?今ので終わり?」
破邪竜・ディオラミス「そうだぞ?相互承認したのだから良いだろう?」
アヤネ「まぁ…そうやな…てかさ~お前悪意ある感情を喰うって言ってたけど…今俺めちゃくちゃ感情が入り乱れて…イライラして暴走しそうなのですが?」
ディオラミス「それはそうだろう?貴様の感情を喰うと言うことは感情を出来るだけ貴様に負を感じさせる為に感情を邪気に当てて乱したのだからな」
アヤネ「は?」
ディオラミス「ふん…貴様の中で悪意を喰ってる…力は貸してやるから黙ってろ」
(ディオラミスが消えた)
アヤネ「怒りが収まらん…あ~イライラする…今戻ったらたぶん学校ぶち壊す自身ある」
(そう言えばここってディオラミスが居る洞窟だよな?最初の洞窟は私の感情によって引っ張られたディオラミスの洞窟に繫がった…これさ~出たら普通に戻るん?いやてか私が入った時点であそこは普通の洞窟に戻ってんのか…だから誰も入ってこないし気づけない)
(目を瞑る)
アヤネ「誰もが憧れた風紀委員長が悪に堕ちる…これなんかめちゃくちゃ良いじゃんかっこいいし…数ヶ月程度は我慢してそこから裏切る…そして街を破壊するほどの大規模な事件を起こして颯爽と去りこの世界の恐怖となる!良いね」
(ふふふ…完璧だ…これが俺の異世界無双悪役転生物語なのだ!)
(洞窟から出て次の日)
(家にて)
アヤネ「ダメだ…何もしたくない…なんでだろ…体が鉛のように重い」
(その日の夜)
アヤネ「……」
(やる気も出ない…何かする気にもなれない…ダメだ心が混ざり合って狂っていく…この感覚…おかしくなる…俺という存在はあっても心が狂う…だけど計画のために嘘の仮面を作って被らないと)
アヤネ「保険は用意しておこうか」
次の日
エル「アヤネ委員長!」(飛び付いてくるエル)
ユウ「アヤネ…どうして昨日来なかった?」
アヤネ「あはは…実は少し体調不良でさ…電話することも忘れてたんだ」
(違う…昨日は何もしたくなくて寝てただけだ…電話もしなかったのは問題あったかな…帰って寝たい…)
アヤネ「皆…頑張ろ!」
(その日は無事に終わるがユウはあることに気づいた)
ユウ「アヤネ?大丈夫?かなり仕事の進みも遅く感じるけど」
アヤネ「あはは…ちょっとまだキツいかも…だけど頑張るよ」
(2週間後)
ユウ「やはり…おかしい明らか笑顔も見てわかる苦笑いが多いしエルに対しても時々冷たい…更に私を見る目も軽蔑的に…」
エル「あ!ユウ先輩!実はアヤネ先輩と今度一緒に見回りに行くんですよ!」
ユウ「エル…少し聞きたいことがあるの…エルはアヤネの事を友達だとか思う?」
エル「え?もちろんです!私こそ委員長を支える完璧な友ですよ!これでも伊藤家ですので!」
ユウ「アヤネってつい最近疲れてるよね」
エル「そうですか?私の出来ないことも簡単にこなすあの先輩ですよ!大丈夫です」
ユウ「それなら良いんだけどね…」
アヤネ「お!2人とも集まって話してるなんて2人もかなり馴染んだよね~」(ニコニコ)
(エル…本当にダルい…一々張り付いてきていらん人助けの仕事を増やしやがって)
(1週間後)
アヤネ「ふぅ…書類は書き終わった」
(作戦決行までの準備はそろそろ終わる)
(その日の夜アヤネの家)
アヤネ「ふぅ…そろそろVEの使い方も慣れてきた…まさか…この力を物に付与するなんて事もできるなんてね…」
(複数の力の込められた道具)
アヤネ「ディオラミスの力は便利だな…こいつの力で生物の何かを媒体に複数の生物を作れるようになったし…肉体ベースはそうだな近くの物に生物から訳離した感情などを物に入れて生物として作りそれを街に放てば全員が慌てるだろうな」
(あの日から1カ月過ぎた)
(風紀委員部室に入り)
エル「あ!おはようございますアヤネ委員長!」
ユウ「おはよ…アヤネ」
アヤネ「おはよ!」
(そのまま席に着き書類を始める)
ユウ「エル…少し今から戦闘になるかも」
エル「ユウ先輩…それってどういう?」
(突如ユウがアヤネに向かって銃を放つ)
アヤネ「え!?なんで撃つのユウ!」
(楽々避けた)
ユウ「笑わせないで?エルは騙せても私はこれでももう1年の付き合いがあるんだよ…お前偽物だろ?」
アヤネ「違うよ!私は本物だよ!なんで疑うの」
エル「そうですよ!ユウ先輩!アヤネ委員長が偽物なんて!」
ユウ「アヤネはね…挨拶をするとき必ず…今日も頑張ろう…と言うしエルにはもう少し気配りをしているはずなのに今回のアヤネは他人行儀に近い」
アヤネ「おかしいな~私はそこまで怪しかった?」
ユウ「私だから見抜けたよ」
(苦笑して)
アヤネ「こりゃ参ったな…もう少し内部に入ってから作戦の実行をしようと思ったんだけど…」
ユウ「作戦?何を考えているの…答えて」(銃を構え治して)
エル「教えて下さい!アヤネ委員長!私達友達ですから!」
アヤネ「だけど…あなた達は既に負け確定だよ」
(2人の視界にノイズが奔る)
ユウ「何を…」(倒れた)
エル「アヤネ委員長…」(倒れた)
アヤネ「ふぅ…作戦の始まりだよ」
(ワープゲートを展開)
アヤネ「あなた達は傍観者として見てて貰うよ」
(2人をワープゲートに投げ捨てて)
(30分後)
ユウ「アヤネ何故こんなことを!」
エル「アヤネ委員長!なんで」
(2人は街の中でも1番見通しが良く人が来ない場所である昔に使われていた修羅城と言う城に2人はワープさせられ外が見える位置で拘束されていた)
アヤネ「目覚めた?」
エル「お願いです!アヤネ委員長!私達を解放してください!!」
アヤネ「もう…うんざりなんだよ…」
(エルの頬をつまみ引っ張る)
エル「いた…痛いです!」
ユウ「辞めろ!アヤネ」
アヤネ「夢は覚めた?これが現実だよ…」
エル「アヤネ委員長!私達は友達ですよね!だから解放して…」
アヤネ「はぁ…俺はお前らを友達とも良い奴とも思ったことは無い」
ユウ「その雰囲気…それにその気配学園での言い方とはまったく違う…まさか私達を騙していた?」
アヤネ「騙すなんてしてないよ…ただ本気を出してなかったそれに本当の私を見てなかったあなた達に私の本質は理解できない」
エル「アヤネ先輩の本心は…」
アヤネ「お前らが大嫌いだよ特にお前だよエル!何でも一々聞いてきては着いてくる…そして毎回毎回着いてきてはこっちに口出ししては質問して…更には何度も何度もいらん人助けを入れてきやがる…お前のせいで書類の数もやる時間減るからエグい数になって…」
エル「ごめんなさい…謝ります!謝る!だから…」
アヤネ「そろそろ計画を始めようかな…あなた達の事は1種の腹癒せとしたし…後はこの街も学園も終わらせる」
ユウ「待て!やり過ぎだ!それは!」
(影から本が出て来る)
エル「それは…本?」
アヤネ「……」
(突如本が黒くドス黒い光りを放ち…本は消えた)
アヤネ「始まるよ…破壊の時間が」
(次回…破滅の時間)