第一話
ド素人が書き始めました
頑張って更新していきますので
よろしくお願いします。
アルファポリスにも掲載中です。
「このまま…飛び込んだら死ねるかなぁ」
橋から見下ろす川に
月明かりが反射してキラキラ光っている
時刻は午後22時
「……何も考えたくない
もう…疲れちゃった…な」
ホームセンターでアルバイトとして
働き始めてから6年半
日々お客様と向き合い一生懸命やってきた
その仕事ぶりを店長に評価され
正社員になってから…周りが変わり始めた
仲の良かった人達からの無視から始まり
お客様にも迷惑をかけるようになった
ロッカーの物が出され
大切な書類も無くなっていく
上司からの毎日のダメ出し
家に帰ってからもダメ出しのメールが届き
今は…裏方の仕事しかさせてもらえず
1日誰とも話さないこともある
お店が閉まり
言われた仕事を終えて帰ろうとしても…
次の日の開店準備を言われ帰れない
店長も事態は把握しているはずなのに
見て見ぬふり……
誰にも頼れない
誰も信じられない
退職を願い出ても
のらりくらりとかわされ
辞めさせてすらもらえない…
もう涙の流し方も忘れてしまった…
感情を失くさなければ
とても耐えられなかった
おかげで…
何をしても表情を動かさず
泣かなくなった事に
更に腹を立てたお局様達から
周りから見えないようバレないよう
付けられた傷も…
感情を動かさなければ
痛むことはなかった
傷跡と疲労だけが残っていく毎日
死んでいるのか
生きているのか
分からなくなっている毎日
「…………もう…いい…よね…」
今夜は満月
雲一つない空に小さな星が瞬いている
仕事自体は嫌いじゃなかった
色んなお客様がいて
怒鳴られることもあったけど
誠心誠意こちらが対応すれば
最後には笑顔で帰って頂けた
やりがいのある仕事だと…
天職だと思えてた
もし…もしも生まれ変われるなら
来世も接客業はしたい
仕事が終わった後
やりきった思いで夜空を見上げたい
それから…
叶うならもう一度………
「本当に綺麗な満月…
手が…届きそうだなぁ…」
手すりに登って空に手を伸ばすと
夜空に吸い込まれそうな感覚になる
「………来世は…たくさん笑えたら…良いな」
そのまま夜空に向かって身を投げたーーー