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神と会った翌日

本日八話目!

お間違えの無いように!

目を覚ますと、いつもの自分のベッドの上だった。

一瞬あの記憶は夢だったのではないかと思ったが、なぜかあれが夢じゃないことが分かる。

異世界に転生してスキルやステータスがあって神様と出会う。


「異世界ものの役満だな・・ふふっ」


思わずつぶやいた言葉に自分でツボにはまる。

考えれば考えるほど現実味がないことに可笑しくなった。


「ともあれ、特に指示だとかされなかったのは良かったな・・」


呼び出すくらいだから何か大きな使命でも託されるのではないかと身構えていたのだが、それは無いようで安心した。

私は縛られて生きるのはもう御免なのだ、せっかくの二度目の人生好きに生きると決めたのだから。


「さて、用意しなくちゃ・・」


今日もまた父との修行の予定が入っている。

私はベッドから抜け出して服を着替えた後、部屋から飛び出した。



「そうだ、いつも自分から攻めることを意識しろっ!相手の後手に回ったって勝機はないぞ!」


「はああぁ!せいっ!」


私の剣を的確に払いながら、父がアドバイスを飛ばしてくる。

もうすでに十分以上打ち合っているため、腕が重くなって一撃の鋭さが落ちてきた。

今の私は隙だらけだと思うのだが、父は反撃はせず私の剣をいなすだけだった。


「はぁはぁ、、はぁ」


剣を振るうたびに息を止めなければならないので、徐々に呼吸ができずに頭が酸欠になってくる。

それでも父に一矢報いたい思いだけで剣を振るう。


「どうした!もう終わりか?辛かったら終わってもいいんだぞ?」


父から情けの言葉が飛んでくる。

本当はもう諦めて倒れこんでしまいたい。だが、それだけは今の私にはできなかった。

今の私はクラウンだから、父が求めているのはここから諦めずに立ち向かってくる息子なのだから。

それが分かってしまうため、今ここでやめるわけにはいかない。

それに、それを抜きにしても私にも少なからずプライドというものがある。

未だに父は手を抜いているのだろう。普段よりキレがないのだからよけいに。


それを思うだけで少し腹が立って剣を振るう手に力が入る。


「まっだまだぁーー!!」


私が気合とともにそう叫ぶと、やはり父は歯を見せて笑った。

その顔は、「そうだ、その意気だ」と言っている気がして、なんだか私まで笑みが浮かんだ。



「だぁーー!!もう動けない・・・」


何事も気合だけではどうにもならないことがある。

あれから打ち合うこと五分、遂に腕も上がらなくなった私はその場で膝をついて仰向けに倒れこむ。


「よく頑張ったな、飲むといい」


そう言って私の眼前に皮の水筒が差し出される。

プルプルと震える手でそれを受け取り、何とか喉に流し込む。


「・・・ぷっはぁー!!生き返った・・」


中の水をすべて飲み干した私は、そのまま背から地面に再度倒れこむ。

私の周りの地面は色が変わっており、全部私の汗だと気づくのに相応の時間がかかった。


「今日はもうお開きだな!」


父が私の様子を見てそう言ってくる。

まだまだ、と言ってやりたいところだったが、もう体は起き上がることすらできないほど疲弊していた。

陽を見ればまだ頂点におり、いつもの修行よりもだいぶ早く終わったことが分かる。


「・・・治癒(ヒール)


右手を体に重ね、治癒魔法をかける。

いつもなら一回で体の疲れが取れるのだが、今日に限っては一回で起き上がるのがやっとだった。


「ははは、無理をするな!しばらく横になっているといい」


何とか起き上がった私は、父の言葉に従い庭にある木の陰まで二人で移動する。

しばらくそうして風を楽しみながらボーっと揺れる木の葉を見ていると、父が話しかけてくる。


「なぁクラウン、少し早いが明日魔物の討伐に行ってみるか?」


その言葉に驚いた私は、跳ね起きて父に振り替える。

父は穏やかな顔で私を見ていた。


「本当!?本当に連れて行ってくれるの?」


もう少し後のことだと思っていたため、予想外のことに声が上ずる。


「あぁ、本当はもう少し先の予定だったんだが、今日のお前を見て気が変わったよ」


やはりあの時諦めずに頑張ってよかった、そう思った。

そこまで魔物の討伐に行きたいかと言われればそうでもないのだが、早く自分がどこまで通用するのか確かめてみたいという思いは強かった。

いつも父に相手してもらっているため、私は誰かに勝ったことがない。

修行が終わるといつも書斎にこもっているため、同年代の友達もいないしね。


そのこともあり、今の私がどこまで強くなったのかわからないので、その指標のために魔物と戦ってみたかったのだ。


「わかった!用意してくるから、僕もう行くね!」


「ははは、慌てなくても逃げやしないさ!って聞いてないか・・」


私はそう言い残し、そそくさと家の中に入っていった。

後ろで父が何か言ってるのが聞こえるが、今の私の耳には入ってこなかった。

もう少し

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