ルーリ王女と訓練
王宮 訓練場 休憩スペース 朝の訓練後
訓練が終わった後、俺とルーリ王女は訓練場の端にある木陰のベンチに並んで座った。
朝の柔らかな風が心地よく、木漏れ日がルーリ王女の桃色の髪を優しく照らしている。
彼女は訓練の疲れと達成感で、少し頰を赤らめながら俺の左肩に頭を乗せてきた。
「……はぁ……
アロス様と一緒に練習すると……
すごく疲れたのに……気持ちいい……」
ルーリ王女の声はいつもより少し甘く、
小さな手が自然と俺の手に絡みついてくる。
俺は彼女の頭を優しく撫でながら、
もう片方の手で彼女の肩を抱き寄せた。
「よく頑張ったね、ルーリ。
今日の《光風の結界》は本当に綺麗だったよ。
ルーリの魔力がどんどん安定してきてる」
「……えへへ……アロス様が褒めてくれると……
胸が……ぽかぽかする……」
彼女は俺の肩に頰をすりすりしながら、
体をさらに寄せてきた。
朝食のときと同じように、甘えた子猫のような仕草だ。
ベンチは少し小さめで、二人が座ると自然と密着する形になる。
ルーリ王女の柔らかい体温が、俺の左側にじんわりと伝わってくる。
「……アロス様……
休憩の間も……離れちゃダメだよ……?」
「うん、離れないよ。
ルーリが休みたいだけ、こうしていよう」
ルーリ王女は嬉しそうに目を細め、
俺の胸の近くに顔を寄せてきた。
桃色の髪が風に軽く揺れ、甘い花のような香りがふわりと漂う。
「……朝ごはんも……訓練も……
全部、アロス様と一緒だと……
世界が……明るくなる……」
彼女はそう言いながら、俺の腕に自分の両腕を絡めて、
ぎゅっと抱きついてきた。
小さな体が俺にぴったりと重なり、
朝の温もりがそのまま続いているようだった。
俺は彼女の背中をゆっくりと撫で、
耳元で優しく囁いた。
「ルーリは本当に頑張り屋さんだね。
才能もあるし、努力もできる。
俺はそんなルーリと一緒にいられて、毎日嬉しいよ」
「……アロス様……そんなこと言われたら……
もっと……くっつきたくなっちゃう……」
ルーリ王女は照れくさそうに笑いながら、
俺の胸に顔を埋めてきた。
彼女の息がシャツ越しに温かく感じられ、
時々「ん……」と小さな甘い吐息が漏れる。
休憩中、ルーリ王女は何度も体勢を変えては、
俺にさらに密着してくる。
時には俺の膝の上にちょこんと乗るような姿勢になり、
俺の首に細い腕を回してくることもあった。
「……アロス様の匂い……好き……
訓練の後……こうしてると……
心が……すーっと落ち着く……」
「俺も、ルーリの温もりが気持ちいいよ。
このまま少し眠ってもいい?」
「……うん……アロス様がいるなら……
どこでも……眠れる……」
ルーリ王女は俺の胸に頰を預けたまま、
目を閉じて穏やかな寝息を立て始めた。
彼女の体は完全に俺に預けられ、
小さな手が俺のシャツを離さない。
俺は彼女を抱きしめたまま、
木漏れ日の中で静かに彼女の寝顔を見つめていた。
朝の訓練場に、
二人の甘く温かな時間が、ゆっくりと流れていた。
やがてルーリ王女がうとうとしながら、
夢うつつで小さな声で呟いた。
「……アロス様……
ずっと……私の魔法の先生でいてね……
そして……私の……特別な人……でいてね……」
俺は彼女の髪を優しく撫で、
心から答えた。
「約束するよ、ルーリ。
ずっとそばにいる」
木陰のベンチで、
ルーリ王女は安心したように、
俺の腕の中で再び穏やかな眠りについた。




