無能付与術師追放される
アロス お前を追放する
幼馴染でパーティリーダーのガウィンが告げる
追放?
俺が?
俺は目立たないが付与魔導士として
パーティで裏方仕事をやってきたじゃないか
長年一緒にやってきたようやくSランクまできたのに。。。
俺を追放?
ちょっと。。。
待ってくれよ
ガウェン。。。
俺はちゃんと役割をこなして。。。
俺はしどろもどろに言う
お前の大したことない付与魔導なんて要らん
お前をクビにして優秀な奴を雇う
これはパーティの総意だ
俺は周りを見渡す
魔導士のケフィルも回復術師のメディアも弓術師のレナも頷く
アロスはさー
言っちゃ悪いけど無能なんだよねぇ
ボクたちはSランクとして活躍できる実力はあるけど
アロスはあるの?
裏でいつもこそこそしてるだけじゃん
魔導士の幼女体系のケフィルが笑う
コイツ。。。
いい奴だと思ってたのに裏では俺のことバカにしてたのか??
回復術師のメディアも黙って頷く
弓術師のレナも言う
。。。アロスさんは一人じゃAランクのモンスターすら狩れないじゃないですか。。。
そんな弱いアロスさんを入れてSランクの依頼をこなすのは無理です
アロスさんが死んじゃいます
はっきり言って戦力外です。。。
レナがはっきりと言う
レナ。。。優しくていい子なのにはっきりと俺は不要だと言った。。。
悲しい。。。
どうやらみんなの俺への認識はお荷物で一致しているようだ
ま。。。待ってくれよ。。。
確かに俺は一人じゃ弱いけど。。。
今までみんながフォローしてくれたじゃないか
俺の役割は付与魔導士だろ?
付与魔導士は前衛なんてしないし。。。
俺をクビにしたらパーティが弱体化するぞ?
俺は顔を歪めて言う
くどい!
幼馴染だから今まで守ってやったが
これから俺たちはSランク依頼を受ける!
俺は王国の勇者への道がかかってるんだ
弱いお前を入れるなんて選択肢は無い!
安心しろ 餞別に退職金をやる
これで引退するなり 地元に帰るなり好きにしろ
ガウェンが机をドンと叩き 怒る
机に金貨が入った袋を投げつける
俺は本当に泣きたくなった
幼馴染で一緒に魔王を倒そうと誓った仲だったのに
今のガウェンからは俺への友情が欠片も感じられない
アロスさんお元気で。。。
レナが悲しそうな表情で言う
メディアは黙っている
じゃあねアロス♪
お荷物が抜けてくれてボク嬉しいよ
ケフィルはいらつかせるような笑顔だ
悲しみと憤怒の感情が入り混じり
俺の心はボロボロだったが
俺は金貨の袋を奪うように取って
椅子から立ち上がった
好きにしろ!
俺がいなくなって後から泣きついてももう遅いからな!
俺は捨て台詞を吐いて
酒場を後にした
俺は宿屋に戻る
ベッドに寝っ転がって仲間と共にしてきた
冒険の日々を思い出す
あの頃はこうじゃなかった。。。
みんな同じ目標を持っていて 毎日が楽しくて。。。
いつからこうなったんだろう?
俺は涙を流して眠りについた
次の日俺はギルドに向かった
んー
アロスさんが入れるようなパーティはありませんねぇ
ギルド嬢に言われる
そんな。。。
俺は一応Sランクだぞ!
実力はあるのにどうしてダメなんだ!
俺は叫ぶ
付与魔導士って不人気職なんですよ
守りに人員割かないといけないし
その割には大して貢献しないし
それにアロスさんは追放されてるし
ギルドでも既に噂になってます
追放された人をパーティに入れると悪評がつくし
アロスさんを欲しいってパーティはありませんね
俺は天を見上げた
周りの冒険者たちもにやにやと俺を見ている
俺が落ちぶれるのを見て楽しんでやがる
。。。そろそろ頃合いか。。。
冒険者になって十年近く
引退の時が来たのだ
俺は地元に帰ることにした
わかりました
もういいです。。。
ありがとうございました。。。
今までお世話になりました。。。
俺は椅子から立ち上がり
王国ギルドを後にした
嘲るように笑うギルドの冒険者たち
受付嬢たちは残念そうな目で俺を見る
憐憫の目に囲まれながら俺はギルドを去った
はぁ。。。
地元に帰るのはいいけど。。。
どうしようかな。。。
俺は既に両親も亡くなってるし
地元に友達もいない
若い子供の少ない村だったし
友達なんて追放したガウェンくらいだ
今更地元に帰って何したらいいんだろう?
そう思いながらとぼとぼと歩く
。。。なんだっていいか
もうここには居たくない
早く王国から出よう
宿を引き払い 地元行きの馬車に乗って
王国を後にした
馬車に揺られて今後について考える俺
退職金の金貨では長くは持たない
仕事が必要だ
農家でもやるかな。。。
そんなことを考えてると
前方に盗賊に襲われている高貴な馬車があった
見た感じ乗っているのは貴族だ
俺はすぐに馬車から降りて高速移動で賊に向かう
盗賊の人数は30人
馬車の護衛の兵士らしき人たちが盗賊と戦っている
護衛の人数は10名
俺は剣に攻撃力増強の付与魔法をかけて
盗賊たちに向かった
援護します!
俺は高速移動で賊に接近する
援軍助かる!
兵士が言う
俺は兵士と戦っている盗賊の首を背後から奇襲して切る
地面に落ちる盗賊の首
すぐに盗賊たちが集まってきたが俺は高速移動で全ての攻撃を回避して
盗賊たちを次々と討ち取る
30人いた盗賊たちが数を減らしていく
死ね!
弓を放つ盗賊
そして剣で俺を狙う盗賊たち
俺は結界魔法を唱えて全て防ぐ
盗賊たちの首を剣で刈る
強化された兵士たちの奮闘もあって
30人いた盗賊は残り5人となった
グハハハ!
強いなお前!だが俺の魔剣を受けれるか?
盗賊の頭のような屈強な大男が燃える剣を振りかぶる
炎の魔剣か
俺は小さな投擲用短剣に魔力を込めて残る5人めがけて投げつけた
4人はこれで絶命したが
盗賊の頭はまだ生きている
剣を構えようとするが先ほどの投擲には電気魔法を込めていた
痺れて剣を構えきれない盗賊の頭
俺は剣に魔力を込めて盗賊の首を叩き斬った
なんだ彼は?
強すぎる。。。
ざわつく兵士たち
別に大したことはしていない
俺は自身と兵士たちに強化の付与魔法を自分にかけ
敵の盗賊に弱体化の付与魔法と重力魔法と少し動きを鈍らせる毒魔法をかけただけだ
大丈夫でしたか?
俺は兵士たちに尋ねる
ああ。。。君のおかげでみんな無事だ
助かった 本当にありがとう。。。
女兵士が俺に礼を言う
大したことはしていません
それでは。。。
俺はその場を去ろうとする
ちょっ。。。
ちょっと待ってくれ!
殿下が貴方に挨拶したいようだ
女兵士が俺を引き止める
馬車の中から出てきたのは
美しい燃えるようなショートヘアの赤髪のイケメン美女と桃色髪のショートヘアの美少女
ふむ。。。
先ほどの戦い見させてもらったぞ。。。
素晴らしい腕前だった。。。
余はエベル
この国の第一王女だ
この子は妹の第六王女ルーリだ
余たちを助けてくれてありがとう。。。
若き剣士よ。。。
どうやら俺が助けたのはこの国の王女様だったようだ